「あなたには渡さない…!」
なかなかのパワーワードだが、そういえば一度言われたことがある。
同棲していたある女性が出ていくことになり、一緒に住んでいたミニチュアダックスフントをどっちが連れていくかを話していた時だ。そういえばあの時も鬼のような顔で言われたっけ。
女性って普段のほほんとしていても、“いざ”って時は本当に怖い顔するんだなって、当時まだピュアだった筆者は思ったものだが、このドラマを見てあらためて思い知った。女性を敵にまわしちゃいけないなってことを。
いや、むしろ、そうやって女性は~って言っている時点で敵にまわしそうだが…どうか人の揚げ足ばかり取らない平和な時代が訪れますように。
各局で放送されているドラマやバラエティー、アニメなどを事前に完成DVDを見て、独断と偏見とジョークに満ちたレビューで番組の魅力を紹介する、WEBサイト・ザテレビジョン流「試写室」。
今回はのっけから女性同士の激しいやりとりが展開する、11月10日(土)スタートの木村佳乃主演ドラマ「あなたには渡さない」(毎週土曜夜11:15-0:05、テレビ朝日系)を取り上げる。
1996年に刊行された連城三紀彦の小説「隠れ菊」(集英社文庫刊)が原作の同ドラマは、「決して負けたくない」との思いで戦う女性たちと、その渦中に巻き込まれ消耗していく男たちの激しくも美しい愛憎劇を描くラブ・サスペンスストーリー。
第1話のあらすじは?
第1話では…有名料亭「花ずみ」の前に1台のタクシーが止まった。そこから出てきたのは上島通子(木村)。
彼女は20年前にこの料亭のおかみの一人息子で板長でもある旬平(萩原聖人)のもとに嫁いだが、経営には一切関わらずに専業主婦として生活していた。
その通子にとってこの場所を訪れたのは、結婚前にあいさつに来て以来だった。ある決意を固めた通子は、門の中に入っていく…。
その2日前。突然、旬平から「金沢から酒造会社の社長が来るから、今から東京駅に迎えに行ってくれ」と言われた通子は、目印に一本の菊を持って東京駅へ。
てっきり男性社長だと思って待っていた通子の前に現れたのは、着物姿の多衣(水野美紀)。多衣は通子を自身が泊まっているホテルのティーラウンジに誘うと、突然、亡くなった義母との思い出を語りだした。
「仕事の息抜きに何度か金沢に来てくださって」と自分の知らない義母の姿を楽しそうに話す多衣に、戸惑う通子。そんな通子に多衣が勝ち誇った顔で言う。「わたくし、ご主人をいただきにまいりました」。