進化し続ける“テレビ”と“記録メディア”<今昔TV回想記>
電化製品の「三種の神器」というと、1950年代には冷蔵庫、洗濯機、白黒テレビ。1960年代になると、カラーテレビ、クーラー、自動車が新たな三種の神器と呼ばれた。
どちらにも三種の神器として数えられるテレビは、昭和~平成に渡って進化し続けてきた。今回は、その進化について、テレビの進化を彩るビデオ一体型テレビ、通称「テレビデオ」と共に見ていこう。
昔懐かしのテレビデオとは?
「テレビデオ」というものをご存じだろうか?これは、ブラウン管のテレビとVHS規格のビデオテープレコーダーが一体化したもの。「テレビデオ」という言葉も、ご想像のとおり「テレビ」+「ビデオ」という分かりやすい組み合わせから来ている。
テレビデオは、言葉のとおり「ビデオテープ」を使って録画・再生する。このテレビデオ、意外と歴史が古く、世の中に登場したのは昭和55(1980)年頃のこと。ビデオテープの規格がまだ統一されていないさなかに発売された。
ビデオテープから始まったテレビ録画の歴史
今や懐かしいビデオテープ――ビデオデッキの中でテープがからまったり、ツメを折り忘れて家族に録画を上書きされたりしてしまった――なんて記憶をお持ちの人もいるのではないだろうか?
前述したように、発売当初のビデオテープは規格が統一されていなかった。
規格の統一関連の出来事で有名なのは、日本ビクターが開発した「VHS」と、ソニーが開発した「ベータ」の規格争い。
結果的にVHS方式が世の中に浸透したが、理由としてはベータ方式と比べて録画時間が長いことや、ビデオテープを作るときに部品が少なくて済んだことなどが挙げられる。