進化し続ける“テレビ”と“記録メディア”<今昔TV回想記>
録画機能のついたテレビデオのヒット
単体のビデオデッキ自体がまだまだ普及していないときに生まれたこのテレビデオは、テレビとレコーダーをそれぞれ単体で購入するよりもさらに高価であったため、当時は「ぜいたく品」扱いされ、あまり一般的ではなかった。
そんなテレビデオが家庭に浸透し始めたのは、平成(1990年代)に入ってから。そのころには値段も手ごろになり、面倒なテレビとビデオデッキの配線接続が不要であることから大ヒット。
また、このころには各家庭でテレビを複数台購入することが当たり前になり、自分の部屋や寝室などに置く2台目のテレビとして購入されることが多かったようだ。
さらに、一体型はテレビやビデオデッキを設置するよりもコンパクトに置け、省スペースであったことも、人気となった理由の1つ。テレビ視聴、録画、再生がこの1台で楽しめるという利便性から、1998年当時、テレビデオは200万台近くまで売り上げを伸ばした。
新たな録画メディアの登場
テレビデオに転機が訪れたのは平成の中頃から。そう、DVDやブルーレイディスク、ハードディスクといった新しい記録メディアが登場したのだ。
DVDプレーヤー(再生専用機)が製品化されたのは平成8(1996)年。録画が可能なDVDレコーダーが発売されたのは、平成11(1999)年のことだ。これらデジタル時代に突入してから登場した薄型テレビ、ビデオカメラ、DVDレコーダーは、「デジタル三種の神器」として注目を集めることとなった。
その後DVDの後継メディアとして登場したのが、ブルーレイディスクだ。ブルーレイディスクレコーダーが初めて発売されたのは平成15(2003)年。DVDの5倍以上の記録ができ、より高品質な記憶媒体として普及した。
これらの記録メディアは、現在もコンサートや映画の販売、レンタルで使用されているが、テレビの録画機能として同時期に登場したのが、ハードディスクレコーダーだ。