SKE48版「ハムレット」はアイドルらしさを生かした名“エッセンシャル版”!<コラム>
キャリア11年目にして初舞台の松井珠理奈が演じるハムレット
昨年10月にSKE48は10周年を迎え、その1期生である松井珠理奈もデビューから10年が経ったわけだが、意外にも松井は初めての舞台出演。かつ、演じるのは主人公のハムレット。
喪服のような黒い衣装で登場するハムレットは、父である亡き先代王の妻でありながら、“愛の喪明け”を迎える前にその弟・クローディアス(古畑奈和)と再婚した母・ガートルード(鎌田菜月)を非難するようになり、やがて狂気を装いながら、父のかたきであるクローディアスに復讐の刃を向ける。
ハムレットの復讐への覚悟や狂気を、舞台初出演で初主演を務める松井がどう表現するのかは、本作の見どころの1つと言えよう。
古畑奈和の“オフ・ザ・ボール”の演技
これまで48グループ外のミュージカルやドラマにも出演し、演技力には定評のある古畑は、今作でも期待に違わぬ演技を見せていた。そんな古畑が演じるのは、ハムレットの復讐の標的である国王・クローディアス。
クローディアスには、ハムレットが自身の命を狙っていることをはっきりと悟るシーンがあるのだが、“演劇が上演されている間”の、古畑の言うなれば“オフ・ザ・ボール”(サッカーで言うボールを持っていない選手の動き)の演技は、注目すべきポイントだ。
歌唱力で売出し中の野島樺乃はもちろん歌唱シーンに注目
今年1月に「AKB48グループ歌唱力No.1決定戦」で優勝し、その歌声で絶賛売り出し中の野島樺乃。本作では、ハムレットと互いに恋心を抱くポローニアス(高柳明音)の娘・オフィーリアを演じる。
歌を入れたいという丸尾から、その歌唱力を買われて出演が決定した野島。美声を披露する機会はもちろん、古畑と2人で歌い上げるファン待望のシチュエーションも用意されているので、ぜひご期待を。
物語を引き締める“要”は熊崎晴香のホレイシオ
「SKEBINGO!」では、“元気のよさ”が評価されて選ばれたと言われていた熊崎晴香だが、番組内の紹介テロップで“滑舌あやしい元気娘”と書かれている通り、メンバーからもファンからも滑舌をイジられることが多い。
そんな熊崎演じるハムレットの腹心の友・ホレイシオは、私が原作を読んだ際、舞台では、対立軸を成すハムレットとクローディアスに次いで重要なのではないかと思った登場人物だ。
登場人物の中でも観客の視座に近く、ハムレットの復讐劇を見守り、伝えるホレイシオを演じる熊崎の熱演を見届けていただきたい。
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SKE48版「ハムレット」は当日引換券、当日券が用意されているほか、21日(日)夜6時からの回はHuluでリアルタイム配信が行われる。