「ペンギンハイウェイ」「夜は短し」「四畳半」森見登美彦×上田誠コンビの魅力とは?<ザテレビジョン シネマ部コラム>
調べると2人は互いに京都市内の数百mの距離に住んでいたことを、出会った後に知ったらしい。『ペンギン・ハイウェイ』でアオヤマ君が謎を解こうとする“ペンギン”と“お姉さん”と“不思議な球体”のように、“森見登美彦”と“上田誠”と“アニメ”には切っても切れない繋がりがある。
劇団ヨーロッパ企画の舞台用に上田誠が書いた戯曲を自ら脚本化した映画『サマータイムマシン・ブルース』('05)と『ペンギン・ハイウェイ』には偶然にも“ひと夏の思い出”、“SF”、“コーラ”という共通点があり、2人のタッグはもはや、アニメ化という“運命の赤い糸”、いや『四畳半神話大系』的な “運命の黒い糸”で最初から結ばれていたとしか思えないのである。
そんな名コンビから生み出された、不思議でワクワクする世界。まずは『ペンギン・ハイウェイ』から足を踏み入れてみてはいかがでしょうか。
文=山咲藍
脚本家兼ライター。映画関連冊子の編集者を経て、『スラッカーズ 傷だらけの友情』('09)で脚本家デビュー。『ジョーカーゲーム 脱出』('13)、『人狼ゲーム ビーストサイド』('14)などの脚本も手掛けている。制作プロダクション・スタジオブルー所属。