宮藤さん、ニヤニヤしながら書いてるんじゃないですか
――今回の宮藤さんの脚本の魅力はどんな部分だと思いますか?
「いだてん」はオリンピックがメインの物語ではありますが、そこに落語の要素が入っていて、それに無理がないのがすごいです。それに、時代を行き来する、ちょっと複雑な構成も、噛めば噛むほど面白いと思います。
あとはやっぱり、せりふが面白い。宮藤さん、ニヤニヤしながら書いてるんじゃないですか。台本を呼んでいるとそういう光景が浮かんでくるんです。
宮藤さんがいつも持っているバッグの中には、大量の資料が入っていて、それを読みながら色々書いているんだろうなって、当たり前かもしれないけど、すごいことだと思います。
僕は、宮藤さんの脚本の、格好いい人があんまりいなくて、ダサくてかっこいい人が描かれていて、人間臭いところが好きなんです。僕の中では、ダサく走ってるっていうイメージがあったので、「いだてん」にはぴったりだといつも思ってます。
――今回の作品で勘九郎さんとの共演や、大河への出演の夢がかなって、今後やってみたいことって何かありますか?
宮藤さんに、冗談も本気もありつつ言っていることがあるんですけど、落語をやりたいなって。
美川がやることは絶対ないんですけど、宮藤さんには伝えてます。言ったもん勝ちだと思うので、もしまた落語を題材にするドラマをやるときに、「勝地くん言ってたなー」と思い出していただければうれしいですね。
――それは今回の作品で思ったことなんでしょうか?
はい。(美濃部孝蔵役の森山)未來くんが落語をやっているシーンを間近で見て感動したんです。それで落語をやりたくなったというか、安易なんですけど(笑)。未來くんは僕とは違うタイプの役者さんだと思うので、自分がやると、きっと違う落語になるんだろうと勝手に思ったので、チャレンジしてみたいです。
――勝地さんは、“感動”がお仕事につながることが多いんですね。
そうですね。心が動いたら素直に言った方がいいかなって思ってるんです。やりたいって思った時に言葉にしないと、あとで後悔するのは嫌なので。がめつくっていうわけじゃないですけど、そんな思いで役者をやっています。
宮藤さんには常に自分がやりたいことを言っていて、もう主演の作品の約束までしてますから。2027年くらいに(笑)。
――最後に、勝地さんオリンピックの思い出を教えていただけますか?
長野オリンピックのスキージャンプを見た時は感動しました。
そのあと、作品に入るために、オリンピックについて勉強して、なぜオリンピックがあるのか、日本が参加できなかった時期があることを知っていった時に、長野オリピックってすごいことだったんだなと実感したんです。
だからこそ、また東京に来ることもすごいことだと思いますし、「いだてん」の脚本を読んでるともっと勉強になります。それは多分、視聴者の方々と同じ感覚ですよね。
あとは、東京オリンピックの開催が決まったとき、「八重の桜」の撮影中で、玉山(鉄二)さんに「オリンピックの時、何歳になってる?」って聞かれて、「33歳です。子供とかいたら一緒に見れるのにな~」って話してたんです。
玉山さんは「子供と見るの楽しみだわ」っておっしゃっていて、その時は33歳なんて、全然先だと思ってたんですけど、今になったら「あ、子供いるわ」って(笑)。そういうのは感慨深いです。