とりあえず暴れよう
――「なつぞら」や「西郷どん」のような誰かの幼少期の役ではなく、「それぞれの断崖」では“志方恭介”を演じられます。心境など違いはありましたか?
今までは、「大人の役の人もこのしぐさをやっているからまねしてみて」というようなことを現場で言われることがありました。でも、今回はそういう縛りがなかったので、自由に役作りができてすごく楽しかったです。
――「それぞれの断崖」では、時代背景もその2作品とは異なりますね?
昔の時代の作品は、セットがすごいなと関心を持つことがありました。今回は、家も現代のセットだったので、より自然に演技できたと思います。
――遠藤さんとの共演はいかがでしたか?
家庭内暴力のシーンをクランクインの日に撮影したのですが、もちろん自分の両親にもそういうことはしないですし、遠藤憲一さんに対して暴力を振るわないといけなかったので、遠慮しそうにもなりました。でも、そういうのはだめだなと思ったので、何も気にしないでとりあえず暴れようという気持ちでやりました。
――遠藤さんからアドバイスはありましたか?
大暴れするシーンは、せりふもあったのですが、「実際そういう場面になったら何も考えずに口に出すだろうから、自分の思ったことをそのまま言っちゃっていいよ」というアドバイスをいただきました。
――遠藤さんにインタビューをした際、家族役の皆さんは、裏では仲が良いということをおっしゃっていました。
僕は、初めての現場ではあまり自分から話しかけることができないタイプなのですが、遠藤さんたちにたくさん話しかけていただきました。でも、皆さん、演技の時は切り替えていて、メリハリがすごい現場だなと思いました。