日本とオリンピックの歴史を描く大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」(毎週日夜8:00-8:45ほか、NHK総合ほか)。目下、1940年の“幻の東京オリンピック”にまつわる物語を展開する本作に、仲野太賀が出演している。
仲野が演じているのは、本作の第1部の主人公で、日本人初のオリンピアン・金栗四三の弟子である小松勝。四三が住んでいた熊本の池部家をふらりと訪ねてきたこの青年は、四三と共に上京し、オリンピック選手を目指すように。そして東京では、増野(柄本佑)の娘で、「ハリマヤ製作所」で働いているりく(杉咲花)と仲を深める。りくと小松勝は結婚するものの、2人の将来に戦争という暗雲が立ち込める。
小松勝を演じる仲野は、「いだてん」への出演のために情熱を傾け、役を勝ち取ったそう。時代と時代をつなぐ要となっていくキーパーソン・小松勝を演じる仲野に、役への思いや、今後の見どころなどを語ってもらった。
事務所の方にはスケジュールだけ開けておいてもらってました
――今回の出演に、かなり強い思いがあるとお伺いしました。
製作発表がされた時、「これはどうしても出たい。出なければ!」って変な汗が出てきて(笑)。どうやったら参加できるんだろうと、考えた結果方々で「いだてんに出演したい」と言いまくってました。それでも実際にオファーを頂くまでは時間がかかりましたね。願えば叶うと信じて、先も見えないまま、事務所の方には「絶対にオファーがくるので!」と言って、スケジュールだけ開けておいてもらってました。
そしたら本当にお話がきて!こんなにも自分が願ったことがかなうってなかったので、本当にうれしかったです。
小松勝は、金栗四三と、田畑政治と、そして落語パートをつなぐ役。出演するシーンは多くないんですが、台本を読んで重要な役だと感じました。
第1回からスタッフさんとキャストの皆さんが物語を進めてきて、僕の演じる小松勝がその物語と物語を、時代と時代をつなぐと考えたら、下手なことはできないと思いました。
――なぜ、そこまで「いだてん」に出たいという思いが強かったんでしょうか。
僕は元から、宮藤さんの作品が大好きでファンなんです。もちろん、(連続テレビ小説)「あまちゃん」(2013年)も見ていて、そのチームの方も入って大河ドラマを、しかも題材はオリンピックなんて、絶対に面白いに決まってる! …と、それにつきますね。「これは出なきゃ」という気持ちでした。
――美川役の勝地涼さんが、太賀さんとお二人で「平成中村座」を見に行って、勘九郎さん七之助さんと共演したいと、お二人で誓ったことをインタビューでおっしゃっていました。今回の太賀さんの役柄は、まさにそのお二人との共演シーンがありますね。
そうなんですよ。その縁も本当に信じられないくらいすごくて。まず、なぜ「平成中村座」に行けたかというと、勝地さんと僕が兄弟役で、NHK名古屋放送局でドラマ(「1942年のプレイボール」2017年、NHK総合)を撮っていたんです。
それで、ちょうど名古屋で「平成中村座」をやっていて、勘九郎さん、七之助さんと交流のある勝地さんが誘ってくださって。僕としては、中村座も見たことがなかったので、すごく見たかったですし、「勘九郎さんといえば『いだてん』!」という思いもあって、興奮を抱えながら見に行きました。
そして出演が決まり、脚本をいただいたら、勘九郎さんと勝地さんと、僕の3人のシーンがあって、さらに七之助さんともご一緒できて、強烈な縁だなとびっくりしました。
しかも、「1942年のプレイボール」の監督をされていた桑野(智宏)さんが、僕と勘九郎さんと勝地さんが共演する「ニュー美川」のシーンを演出されていて!
きっと演出の方は「このシーンがやりたい」と選べないと思うので、すごく縁があったんだと思いました。