「普段は至って穏やかです(笑)」
――クミコをはじめ、山田さんが演じる役柄は力強いキャラクターが多い印象ですが、普段のご自身と比べるといかがですか?
普段は至って穏やかですよ(笑)。日常生活で会った方は、全く気がつかないか、「全然印象が違う!」と驚かれることが多いです。話し方も、いつもはゆっくりで柔らかい話し方をしていると思います。ですから、今回のクミコでは、テンポ良く、滑舌も良く、ハキハキとしゃべるということに、最初は苦労しました。
でも、力強い女性の役を演じることは楽しいです。私も興味を持ったことに対してはどこまでも知りたいという探究心は強いので、その部分では近いものがあるのかもしれません。
――演じている役柄によって、普段のご自身の話し方や私生活に変化が及ぶこともあるのですか?
自分では気がつかないのですが、クミコを演じた直後に仲の良い友人に会うと「今日、なんか気合入ってるね」とか「テンション高いね」と言われます。でも自分では普通に話しているつもりなので、全然気がつかないんです。
以前、「島々清しゃ」(2017年)という沖縄が舞台の映画に出演したときに、バーで働く水商売の女性・さんごを演じなくてはいけなくて。衣装合わせの時に露出度の高いワンピースを着たのですが、監督に「文学の匂いがするなぁ。この人は本なんて読まないし、お酒を毎日飲むような女性だから」と言われてしまって…。
さんごは人懐こくて、あけっぴろげな女性なのですが、私はまだそうじゃなかった。そこで、沖縄の島での撮影中は、ワンピースのまま海に飛び込んだり、酔っぱらって地面に大の字に寝転がったり、みんなに抱きついたりしてたんです。
ずっとそうしていたら、スタッフの方が陰で「山田真歩は変な人だから気をつけたほうがいい」と言っていたみたいで。後からそれを知って、悲しい気持ちになりました。「私そんな非常識なことしない!」と思ったんですが、思い返せば確かにやってたんですね(笑)。でも、その時は必死だったんです。