松坂桃李、テレ朝ゴールデン帯ドラマ初主演!妻子を溺死させた謎多きエリートサラリーマンに
松坂桃李のコメント全文
仁藤という男がやってきた行為は、もちろん許されるものではないのですが、台本を読んだ最初の印象では、なぜか嫌な感じがしなかったです。彼の振る舞いや言動は、ある種の正論を言っている部分もあるので、不思議な感覚でした。
そんな人物なので、僕自身も演じるに当たって「仁藤はこんな男だ」というふうに思い過ぎない方がいいのかなと考えました。
僕の物差しが挟まってしまうことによって彼の捉え方が変わってしまう気がしたんです。仁藤はどの局面、どんな場面においてもフラット。
だからあまり「こうだ」と決めつけることなく、そのフラットであるという部分だけを心に留めていました。作品の全編を通して感情の揺れ動きやテンションが一定、という今回のような役柄は初めてだったかもしれません。
尾野真千子さんとの共演は「この世界の片隅に」以来。前回はきょうだい役という関係性だったので、今回はまったく違う立ち位置です。
罪を犯した人間と、それを調べるマスコミ側の人間。接見室で向き合うシーンも多かったので、以前とはまったく違う感覚でご一緒しました。
共演シーンはそこまで多いわけではないのですが、ワンシーンワンシーンがとても濃いものだったので、お芝居をしていてとても楽しかったです。合間には以前と変わらずたわいもない話ばかりしていたのですけどね(笑)。
この作品に出てくる言葉には、心に刺さるものがすごく多い。「自分だったらどうするだろう」ということを考える時間ができるような作品なのではないかと思っています。
現場でもとても熱量を感じた落合正幸監督がどんなふうに料理して完成させてくれるのか、ぜひ楽しみにしていただけたらうれしいです。