小田さくらと浜浦彩乃がハロプロの“芯”を語る「カッコつけるんじゃなくて本当にカッコいいのがハロー!プロジェクト」
――小田さんは、加入してくるモーニング娘。の後輩メンバーには、自然とその思いを伝えていく形ができやすい?
小田:そうですね。モーニング娘。の後輩には「何があっても私の知っていることは全部教える」と思っているので! モーニング娘。の新メンバーには、今でも私が入ってきてからつんく♂さんに教わったことから教えています。入ってきて最初に覚えることってすごく大事。だから最初の段階で、私が初めて教わったことをちゃんと教えるんです。
モーニング娘。じゃないグループの新メンバーは、そうじゃないかもしれない。違う立ち位置の人から教わっているものがベースとなるので、そこにつんく♂さんの色を入れるのはすごく難しいと思うんです。でも「それが音楽的なカッコよさなんだよ。センスなんだよ」っていうことを伝えるのって、その子の才能、感覚次第。
だから、その音楽的才能を植え付けることってすごく難しい。私も最初は「どれがドラム? ベース? ギター?」みたいな感じだったんですけど、それが理解できるようになってからは「だからリズム取って歌うことが大事なんだ」と思うようになりました。そういうところから教えていけたらいいなって思いますね。
――それこそ、小田さんは昨年12月の代々木のライブでは新メンバーのコメントで涙も見せていましたね。
小田:そう、ほまれちゃん(岡村ほまれ)がね、一番新しい子が泣いたんで。しかも、まだ入って半年ぐらいなのに、ほまれちゃんが「モーニング娘。をいろんな人に知ってもらいたい」って言ったんです。
で、「え? もうそんなことを思うの?」って。まだ自分のことで必死なタイミングのはずなのに、もうグループのことを考えていたので。15期に対して母性がすごいので「ああ、もうそんなに立派なことを言えるんだね」って、もらい泣きしました。
――浜浦さんは、小田さんとは立場が違うと思います。オリジナルメンバーのみで活動しているこぶしファクトリーという立場から、後輩にはどういう風に伝えていきますか?(※インタビューは解散発表前)
浜浦:やっぱりパフォーマンスですね。こぶしファクトリーは、みんなつんく♂さんが大好き。つんく♂さんの曲をいただいたのは「きっと私は」っていうシングルが初めてなんですけど、「つんく♂さんだったら、やっぱりこうだよね」っていうのがメンバー5人全員にあるんですよ。
つんく♂さんから教わっていた私がメンバーに言うことが多いんですけど。ナイスガールトレイニーから入ってきた子たちもつんく♂さんから教わっていることもある。メンバーみんなが、つんく♂さんへの尊敬がある。それをパフォーマンスで伝えていくっていうのを、こぶしファクトリーは意識しています。
――収録時のトークでは「つんく♂さんじゃなかったら研修生のときに見つけてもらえなかった」というコメントが印象的でした。つんく♂さんから言われたことで、今でも大切にしてる言葉とかありますか?
小田:私は加入した頃は今より全然生意気。歌姫オーディションというもので、モーニング娘。に選んでいただいたことで自信を持ってしまっていたんです。「私、歌うまいんだ」って。すごく実力のある人が偉いみたいな感覚になってしまったんです。
浜浦:子供だったからね。
小田:本当にそう。思考回路が幼くて、人を尊敬するっていう感覚が分からなかったんですよ。けど、つんく♂さんがシングル曲を出すたびに書いてくださったライナーノーツに、メンバー1人1人に対してのコメントもあったんです。
私に対しては「小田はもっと謙虚に生きなさい」って書いてあって、その後も「もっと謙虚さを大事に」とか「周りに感謝をして」みたいなのが何シングルか続いたんです。
そのときは「何? 謙虚って。分からない」って思っていたんですけど、それを意識できるようになってからは、自分にできなくて先輩はできるところが見えてくるようになりました。
だから、自分がいかに小さかったかとかが分かるようになって、今は出会う人出会う人に感謝ができる。人を素直に好きになれたので、私の周りの環境もより温かくなりました。本当にあれは、歌だけじゃなくて人生観も変わるようなお説教だったなって思います。