塚地武雅、目指す女性像は「“テヘぺロ”が成立する女性」<パパがも一度恋をした>
――山下吾郎役、小澤征悦さんの印象を教えていただけますか?
今までいろんな作品を観させていただいて、シリアスな役どころでありながらどこか個性的な部分もあったりする、格好いいお芝居をされる役者さんだと思っていました。でも一方でバラエティーに出られる時にはひょうひょうとボケたりするので、この方は多分面白いことが好きなんだろうというのは、薄々画面を通して気づいていましたけれども…(笑)。
いざ一緒にやらせていただくと本当にコメディーに対してストイックで、ひとつのシーンでも声のトーンや動きも何パターンも変えてきますし、堂々とオーバーな演技をされるので思いっきり笑えます。まるでハリウッド映画の中にいる俳優さんみたい。ひとつひとつのシーンを面白いものにしようとするストイックさは本当に凄いですよ。
――その小澤さんは、笑いのプロである塚地さんに胸を借りるとおっしゃっていました。
いやいや本当に僕は小澤さんに付いて行っているだけなんですよ。でも、確かにお互いがボケツッコミを、セリフ以外のところでもどんどん被せてきているなとは思います(笑)。
――山下多恵子役の本上まなみさんと役柄についてお話しされたことはありますか?
実はこういう性格ですよねなど、役の部分でのすり合わせはありませんでした。基本は僕の多恵子を見て本上さんがやっていたり、料理のシーンでは本上さんの調理の仕方を見て僕が真似したり。多分、お互いにとても見ているので、だんだん表情も被っているとは思うんですよね。表情のマネをされると、逆に「こんな顔するんだ!」と気づかされることもありますね。
演技でも僕と本上さんが同じように演じるシーンがたくさんあるのですが、多恵子が「テヘペロ」とするシーンで先に撮影した僕が勝手にウインクをしたんです。しかし実は、本上さんはウインクが苦手だそうで(笑)。あとから、現場が本上さんのウインク待ちになったと聞きました。
――ドラマのテーマでもある『人は見た目か、中身か?』この作品に接したことで改めて考えた事はありますか?
いや極端な話、この役をやらせていただいている僕の外見が0点という前提で物語が進んでいるので、それはちょっと待ってよと思いました。まるで、“塚地を愛せるか?”みたいな話になってきているので(笑)。
セリフも無茶苦茶で「臭い」とか「おじさんとかキモい」とか、僕はそのセリフを受け止めてやっているんです。でもある種、僕にしかできないと自負した役で、世のおじさん代表として頑張りたいというのはあります。