池上彰「放射線を浴びた」福島第二原発の取材体験明かす 新型コロナ問題にも意見
ジャーナリストの池上彰が2月19日、東京・神楽座で行われた、2011年の福島第一原発事故を描いた映画「Fukushima 50」のトークイベントに出席。
東日本大震災の約1年後に福島第二原子力発電所“フクニ”に取材に行ったという池上。当時の様子を「胸に計器を付けて、フクニの原子炉の真下まで行きました。『ピッ、ピッ』って音が出るんですよ」と放射線を浴びると、計器が反応したという取材の様子を語った。
さらに、一般に“防護服”と呼ばれる白いつなぎの服について、「放射線を遮断できない」「空気中に浮かんでいる放射性物質が体に着かないようにするというものでしかない」と意外な事実を説明し、客席からは驚きの声が上がった。
福島第二原発の取材に行った当時、「年輩の男たちだけで行こう」と若い人や女性は行かせず、池上は「まもなく70歳になるからいいやと放射線を浴びた」と覚悟して取材したという。
本作は、ジャーナリスト・門田隆将によるノンフィクション作品「死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発」(角川文庫刊)が原作。2011年3月11日に発生した東日本大震災により、想像を超える被害をもたらした福島第一原子力発電所、通称・イチエフ。その現場に残って対応を続けた作業員たちは、世界のメディアから“Fukushima50”(フクシマフィフティ)と呼ばれた。
本作ではそんな作業員たちにスポットを当て、あの現場で一体何が起きていたのか、その知られざる真実を描いていく。主演を務めるのは佐藤浩市。福島出身で原子炉から最も近い中央制御室を指揮する、1・2号機当直長、伊崎利夫を演じる。また、福島第一原発所長・吉田昌郎役を渡辺謙が務めるほか、吉岡秀隆、安田成美らが出演する。
3月6日(金)全国公開
出演:佐藤浩市、渡辺謙、吉岡秀隆、緒形直人、火野正平、平田満、萩原聖人、堀部圭亮、小倉久寛、和田正人、石井正則、三浦誠己、堀井新太
金井勇太、増田修一朗、須田邦裕、皆川猿時、前川泰之、Daniel Kahl、小野了、金山一彦、天野義久、金田明夫、小市慢太郎、伊藤正之、阿南健治
中村ゆり、田口トモロヲ、篠井英介、ダンカン、泉谷しげる、津嘉山正、種、段田安則、吉岡里帆、斎藤工、富田靖子、佐野史郎、安田成美
監督:若松節朗
原作:「死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発」門田隆将(角川文庫刊)
製作:KADOKAWA
配給:松竹、KADOKAWA
(C)2020『Fukushima 50』製作委員会
公式HP: fukushima50.jp