豊川悦司、渡辺謙との“濃密タッグ”実現!「“渡辺謙スタイル”に触れて、すごく刺激になりました」<逃亡者>
保坂正巳役:豊川悦司コメント
――オファーを受けたときのお気持ちをお聞かせください。
何といっても(渡辺)謙さんが相手ですし、1度組んでみたかった和泉聖治監督が演出されるし、しかも前後編というスケールの大きさ…。そんなチャレンジ精神あふれる企画に呼ばれたことが、とてもうれしかったですね。謙さんが現場をまとめてくださったので、楽しく参加することができました。
――渡辺謙さんと、この作品で共演した感想は?
謙さんとご一緒するのはこれで3回目ですが、確かに2人ともデカ過ぎるからか(笑)、なかなか同じフレームに収まることがなくて、今回が1番がっつり芝居させてもらったんじゃないかと思います。
あらためて思ったのは、謙さんはとても真面目な方で、自分の役だけでなく、全体を考えていらっしゃるということ。「このシーンはこう解釈できるけど君はどう思う?」と、監督や共演者とディスカッションを多く重ねるんです。
謙さんのおかげで、僕自身も「こういう見方があるんだ…!」と新たな発見があったのですが、それは他の現場では、ありそうでないこと。そういう“渡辺謙スタイル”に触れられてすごく刺激になりましたし、次の仕事からもっと踏み込んだ見方をしてみようと思うようになりました。
今回一緒にお仕事するのを楽しみにしていたのですが、やっぱりすごい方だなと感じました。本当に、この作品に参加して良かったなと思っています。
――かつて大ヒットを遂げたオリジナル版のドラマや映画と、本作が異なるところは?
現代は、昔に比べて情報量が格段に増えています。追う側も追われる側も、その情報をストーリーの中で処理していかなければならず、そこはある意味、現代的なサスペンスにもなっています。オリジナル版に比べ、アクションと頭脳戦の両方が重なっていくスピード感が、今回の作品にはあると思います。
――本作はアクションも見どころですが、撮影はハードでしたか?
アクションは謙さんの方が大変だったと思いますが、僕は追う側なので謙さんが走った山道を数時間後に走ったり、謙さんが降りた階段を昼食を挟んで降りたり…同じ日に同じ場所で撮影があるのに、すれ違う感じがとても面白かったです。
あとはダムの地下など、なかなか普段の撮影では行かないところでロケがあり、現場に行くのに5分間もエレベーターに乗りっ放しだったり、そういうことも含めて撮影はすごく面白かったですね。
――ご自身が思う、本作の面白さとは?
“逃亡者VS追跡者”という1対1の骨組みは、エンターテインメントを面白くする最大の要素だと思います。それがこの作品にはしっかりあり、2人がいつどこで対峙するのか…それだけでも、どんどん物語に引き込まれていくと思います。
前編はとにかくノンストップアクションでガンガン進んでいき、後編は謎解きの色合いが強くなります。ドローンで撮影したダイナミックな“画”もたくさん登場しますし、5時間に近い尺は映画でもなかなかないことなので、撮影ではそれを埋めていく醍醐味を感じました。
加倉井一樹役:渡辺謙コメント
――豊川悦司さんと共演した感想は?
豊川さんとはこれまで何度か共演しているのですが、なぜか必ずすれ違うんですよ。2人ともデカ過ぎて、皆さんあまり2人を画面で見たくないのかもしれないですね(笑)。
今回は、逃亡者と追跡者という関係性ですが、同じシーンで対面するところも何度かありますし、自分を追い詰めてくる豊川さんのプレッシャーをずっと背中に感じながら演じていました。
――撮影中に感じた“俳優・豊川悦司”の魅力とは?
豊川さんのことは、元々面白い俳優さんだなと思って作品を拝見していました。なかなか他の俳優には出せない、空気感や雰囲気を持っていらっしゃいますよね。今回、彼が演じた保坂は多くを語る役ではないのですが、孤独感や人間に対する不信感を背負って迫ってくるのがひしひしと伝わってきました。
また、彼は僕にはないクールさを持っているんですよね。階段のシーンを撮影していたとき、追われる側の僕はガニ股で必死にガーッと降りていたのですが、後ろを振り返ると、彼が拳銃を手にシュッとした感じで格好良く降りてくるんですよ。いやぁ、クールだなあって感心しました(笑)。
実は、これまで現場であまり話し込んだことがなかったのですが、今回共演してこんなに柔らかくて、朗らかで、面白い方なんだと分かり…それはちょっと発見でした。
――ご自身が思う、本作の面白さとは?
“追う者VS追われる者”の構図は、サスペンスの王道みたいなもの。本作では舞台を現代社会に置き換えましたが、非常に面白味のあるストーリーになっていると思います。
前編は息もつかせぬ追跡劇が展開しますので、視聴者の皆さんにはテレビの前で「ダメダメ、そっち行っちゃダメ~! つかまっちゃう~!」なんて叫びながら見てほしいです(笑)。
後半は頭脳戦のサスペンス。非常にスリリングな中で大団円を迎えるので、ぜひ続けてご覧いただければうれしいですね。