脚本賞は「テセウスの船」高橋麻紀氏『親子の必死な思いが届いたからこそ』【ドラマアカデミー賞】
第104回ザテレビジョンドラマアカデミー賞で脚本賞を受賞したのは、「テセウスの船」(TBS系)の高橋麻紀。同名人気コミックを脚色し、「原作と変えた部分も面白く、最後まで飽きさせなかった」「主人公の内面を掘り下げた描写が光り、セリフのひとつひとつに愛が感じられた」と評価された。今回が初受賞となる今後注目の脚本家に話を聞いた。(以下、一部ネタバレを含みますので、ご注意ください)
真犯人を変えることは必須だと考えました
――「テセウスの船」で脚本賞を初受賞されました。受賞の感想を聞かせてください。
たいへん光栄です。キャストとスタッフの皆さんが力を合わせ、多くの視聴者に楽しんでもらえるドラマに作り上げて下さったからこそいただけた賞だと思います。執筆は苦しいことも多かったですが、支えて下さった方たちに心から感謝しています。
――漫画原作をアレンジし、結末で判明する真犯人を原作と変えてありましたが、変えることにしたのはなぜでしょうか?
私がプロットに取りかかったとき、既に原作漫画は完結していました。原作もとても面白いのですが、結末を知っている方にも最後までドラマを楽しんでいただくためには、真犯人を変えることは必須と考えました。
――たくさんのキャラクターが出てきましたが、人物を描くときに心がけたことを教えてください。
それぞれのキャラクターが果たすべき役割を考えながら、ふくらませました。この作品はミステリーなので、「この人には裏があるかも」と感じさせなければならない人物も多く、場面によって共感したり怪しんだりしてもらえるように描きました。それを役者さんたちのお芝居や演出で、より濃く表現してもらったという感じです。