「エール」津田健次郎の“イケボ”語りも話題、声優ナレーションの効果とは?
窪田正孝主演、二階堂ふみがヒロインを務める連続テレビ小説「エール」(毎週月~土曜朝8:00-8:15ほか、NHK総合ほか※土曜は月~金曜の振り返り)。窪田演じる作曲家・古山裕一と二階堂演じる音、夫婦二人三脚でヒット曲を生み出す物語は、現在第8週が終了。東京で作曲家の道を歩み始めた裕一の奮闘が描かれている。
山崎育三郎演じる"プリンス"佐藤久志や三浦貴大演じる"団長"田中隆など、個性的な登場人物も加わり物語が華やぐなか、彼らを温かく見守り、時にツッコミを入れる"語り"にも注目が集まっている。
本作で"語り"を務めているのは、人気声優・津田健次郎。彼の"イケボ(イケメンボイス)"がもたらす魅力と、声優起用の効果について考えてみよう。
クセの強い登場人物に負けない! 「声のプロ」の本領発揮
津田は1995年にテレビアニメ「H2」野田敦役でデビューし、「遊☆戯☆王デュエルモンスターズ」海馬瀬人役、「ゴールデンカムイ」尾形百之助役など、アニメ・ゲームや吹き替えなどで活躍する人気声優。深みと色気のある低音ボイスが魅力だ。「キングオブコント2019」(2019年、TBS系)でもナレーションを担当していたが、「エール」の出演オファーを受けて「まったくの想定外で驚きました」とコメントを寄せていた。
これに対し、「エール」制作統括の土屋勝裕氏は「今回の『語り』は、客観的なことに加え心情も語り、ときに登場人物に突っ込みを入れたり、ときに嘆いたり、それも音楽がガンガン鳴っているなかで、視聴者にも聞こえるように語らなくてはならない、一筋縄ではいかない『語り』となっています」と、起用の理由を解説。
実際に聞いてみると、シリアスなトーンとコミカルなトーンを自在に使い分けて物語を導き、"声の演技のプロ"ならではの持ち味を存分に発揮している。個性の強い登場人物にも負けない"浮かず、沈まず"のバランス感は、津田自身がアニメや吹き替えだけではなく、実写作品の俳優・監督として活躍していることも影響しているのだろう。