<エール>唐沢寿明が窪田正孝への思いを語る「力を貸せることがあればどんどん貸していきたい」
――先ほど息子のようとおっしゃった窪田さんですが、俳優としての魅力はどんな部分だと思われますか?
才能ある俳優だと思いますね。どの役でも、そのイメージをちゃんとつかんで、物語の世界に入っていける。作品ごとに違う印象を与えることができる俳優です。「エール」の裕一役は、ある意味彼の真骨頂じゃないかと思いますね。俳優にとって、“強さ”は出せても、裕一のような“弱さ”ってなかなか出せないんですよ。裕一役は、彼の中にある繊細さが存分に生かされた役だと思いますね。
――収録現場での窪田さんをどうご覧になっていますか?
頑張ってますよ。主役には主役なりの何かが必要なんです。覚悟も含めて、共演者やスタッフを引き込んでいかないといけない。何で引き込むかは人それぞれですけどね。現場にいると、「なんとか引っ張っていこう」という彼の座長としての心意気が伝わってきます。
彼にアドバイス?ないですよ(笑)。違う人間だし、いくら先輩でもこちらからわざわざ助言するなんてことはありません。でも、逆にじーっと僕のことを見ている気配は感じるかな。僕がスタッフたちとバカ話しているのをじーっと見てる。真似しようとしているのかもね。
――唐沢さんご自身が、音楽からエールをもらったということはありますか?
僕、家出少年だったんですよ。若い頃は、いろいろな人の家を泊まり歩いていました。そんな頃によく聞いていたのが、アメリカのバンド「テイスト・オブ・ハニー」による「上を向いて歩こう」のカバー曲(「スキヤキ’81」)。底抜けに明るい坂本九さんの曲と違って、曲調がとてもしっとりしているんです。聴きながら「上を向かなきゃダメだな」と思わされたことが何度もありました。この曲にはずいぶん救われました。
――では最後に、視聴者の方にメッセージをお願いします。
このドラマは、音楽でエールを届けようとする夫婦の物語ですが、ぜひとも視聴者の皆さんの力を貸していただきたいと思いますね。「エール」は、皆さんの“エール”で成り立っております(笑)!どうぞよろしくお願いいたします。
毎週月~土曜朝8:00-8:15ほか
NHK総合ほかで放送
※土曜は月~金曜の振り返り