東京大学出身でクイズプレーヤーの伊沢拓司。クイズバラエティー「東大王」での活躍で知名度を上げたが、最近ではクイズ関連のみならず、さまざまなバラエティー、トーク番組など幅広い番組に出演。その活躍は“インテリクイズタレント枠”を超え始めている。東大生ブームやクイズブームをけん引した彼が、なぜここまでバラエティー界をにぎわせているのか。
「林修の今でしょ!講座」(毎週火曜夜7:00-7:54、テレビ朝日系)にレギュラー出演、「グッとラック!」(毎週月~木曜朝8:00-10:25、毎週金曜朝8:00-9:55、TBS系)では月曜コメンテーターを務める。そのほか「ヒルナンデス!」(日本テレビ系)内の企画『伊沢拓司のクイズ旅』では幅広い知識を披露し、「痛快TV スカッとジャパン」(フジテレビ系)出演時には“非常識な人物を頭脳で撃退した男”役の演技を見せ、「サワコの朝」(TBS系)や「ボクらの時代」(フジテレビ系)などでは東大にまつわるトークを展開。8月28日放送の「中居正広の金曜日のスマイルたちへ」(TBS系)では半生を振り返りながら、これまでの苦労話や現在の仕事の様子を通して人柄の良さを大いに感じさせた。
そして8月30日の「逃走中」の放送時には、子役メンバーと接する際に見せた優しさ、クイズ理論を応用したり意外な(?)運動神経の良さを発揮したりと活躍する姿に視聴者の注目が集まり、番組名「逃走中」とともに「伊沢さん」でトレンド入りも。SNS上では「伊沢さん早く逃げて!」「伊沢さん良かったね」「伊沢さん良い人すぎる」など、伊沢を見守るようなコメントが相次いだ。
東大在学中にウェブメディア「QuizKnock」を立ち上げ、2019年には株式会社QuizKnockを設立。2017年に開設したYouTubeのチャンネル登録者数は150万に迫る勢いと、本業のクイズも軌道に乗っている。そんな伊沢は、今でこそクイズ王と呼ばれているが、最初から勉強ができたわけではなかった。
小学生時代の“思い込み”が原点
小学校入学後に一人だけ平仮名が書けなかったり、九九ができなくて教室の前で発表させられたり…といった苦い経験をし、「隣の席の子と比べるタイプだった」という伊沢は「小学2年生の頃から負けん気だけでやってきた」。そんな負けん気で集団のトップに立てるようになって、小学4年生の頃には「僕はトップにいるべき人間なんだ」という思い込みと、「自分は勝たなければいけないんだ」という強迫観念を持ち始めたと明かしている。だが、当時の先生の「知っていることは偉いことじゃない」といった言葉を受け止めつつ、「勉強というよりも勝負が好きで」と過去を振り返っており、楽しんで知識を吸収していったようだ。
その後、開成中学へと進学しクイズ研究部に所属。さらに高校時代には、「全国高等学校クイズ選手権」(日本テレビ系)では個人としては史上初の2連覇を達成した。そこからクイズ番組に出演したが、2012年頃からそういった番組自体がなくなった。しかしその後、「さんまの東大方程式」などの番組を機に、“東大ブーム”が起こる。