サンドウィッチマン、「M-1決勝戦前の“一服”はうまかった」<人生のIPPUKU>
タバコ吸いながらネタ合わせ
また、ヘビースモーカーを自認する2人にとっては、“IPPUKU”のタバコはとても大事なアイテムという。芸人人生のターニングポイントとなった2007年の「M-1グランプリ」では大会初の敗者復活枠から優勝を果たした。その時も忘れられない“IPPUKU”があったという。
富澤「敗者復活で決勝に出られることになった時、スタッフに『出番までに何がしたいですか』って聞かれたんです。その時に『タバコ吸えますか』って。タバコ吸いながらネタ合わせしたのが思い出深いですね」
伊達「懐かしいな。ステージ裏の演者の待機場所で出番寸前までタバコ吸いましたね。すごい緊張感があったけど、あれで落ち着きましたね。あの時の一服はうまかったです」
そして、2011年に東日本大震災が起きた際、2人はさまざまな支援を行ったが、支援物資の中にタバコを入れたこともあったそう。
富澤「あのときはいろんなものが失われてしまって。でも、食料や衣服の必需品は全国から届いたと思うんです。なので、僕らは何ができるか。僕らだったら何がないと辛いかなって考えたら、タバコ吸いたいよなって思って。それでいろんな銘柄を買って、差し入れさせてもらいました」
じっくりと練り上げたネタで来春にはライブ開催
コンビを結成して22年。新ネタ満載の恒例のライブツアーはコロナの影響で延期に。だが、“IPPUKU”と共にじっくりと練り上げたネタを引っさげて、来春にライブ開催を見据えているという。
伊達「単独のライブツアーがことしは延期という形になり、できなくなりました。ちょうど今の時期の9月から行う予定だったんです。お客さんもなかなか集められる状況じゃないし、2人でネタを作って合わせるということも難しくなってしまいました。毎年、必ず行っていたし、本業ですので延期は辛かったですね。YouTubeとか配信ライブとかも考えたんですけど、ちょっと様子を見ています。お笑いはお客さんがいないとやりにくいんです。お客さんの反応や笑いがないと不安にもなるし、間がずれますね」
富澤「アクリル板を挟んだ漫才スタイルもあるんですが、僕らはやろうと思わないです。声が届かないし、邪魔でやりづらい(笑)」
伊達「動きも取れないし、マイクふたつだし、なかなか難しいよね。時勢にもよりますが、来年の春には延期していたライブツアーを行いたいと思っています。自粛期間中は作れなかったけど、今はその時のために新ネタを作っています」
取材・文=江口和孝