<エール>初々しく爽やかだった森七菜&岡部大 近づく“戦争編”を前に心洗われた14週
梅と五郎は、お互いがこれからの自分の人生の傍らにいることで人生が輝く、そういう相手だと思うようになり、梅は居場所のない五郎を故郷・豊橋につれていき、関内家の事業・馬具製作を継がせることにする。
五郎は裕一の曲が好きで、作曲家になることを夢見て弟子入りしたものの、才能がないことがわかり、落胆。でも五郎にも梅を励ます才能はあった。梅が折ってしまった鉛筆も上手に削ってあげることができる。そんな些細なことでも生きる力になる。ふたりが心を通わせていく場面は心洗われた。
梅が三女にもかかわらず、家の事業を継ぐ人をみつけるとは驚きの展開ではあったが。
このように、若いふたりによる番外編のようでありながら、裕一と音が若者を見守る懐の広さを持てるようになったこと、裕一の作曲家としての才能を感じさせる側面もあった。裕一と音が「才能ってなんだろう」と考える場面もあって、その才能が今後、戦時下、力を発揮していくという伏線になっているのだと思う。
15週からは太平洋戦争編。笑顔の絶えない、夢に満ち溢れた、平和な生活がどうなっていくのか。心して見たい。もしかしたら、ドラマで描かれる、戦時下、何かと我慢しなくてはならないことと、現実、私たち視聴者が体験したコロナ禍での自粛生活と、重なる部分もあるかもしれない。
裕一の大切な友人たちーー作詞家を目指しながらおでん屋を営んでいる鉄男(中村蒼)と、コロンブスレコードと専属歌手契約をしたがまだ活躍の場のない久志(山崎育三郎)の今後も気になる。(文=木俣冬)