東日本大震災で犠牲となった唯一のアメリカ人 “テイラー先生”の遺志を継ぐ人々の思いを伝える
TBSでは毎月第1、第3日曜深夜に放送されている取材報道ドキュメンタリー「JNNドキュメンタリー ザ・フォーカス」。9月20日(日)深夜1:35からは「テイラー先生が遺したもの」を放送する。
宮城県石巻市の小・中学校で英語を教えていた、アメリカ人女性のテイラー・アンダーソンさん(当時24歳)は、2011年の東日本大震災で亡くなった。
2008年、幼い頃から憧れていた日本へ、JETプログラム(語学指導等を行う外国青年招致事業)の英語指導助手として赴任。明るく優しいテイラー先生は、石巻の子どもたちの憧れだった。
「テイラーが死んだのは日本のせいじゃない。テイラーは日本の人たちを愛していたから」。テイラーさんの両親は、日米の懸け橋となろうとした娘の遺志を継ごうと、石巻の子どもたちへ本を贈りつづけている。それは「テイラー文庫」と名付けられ、10年近くの間に2万冊に達した。
その「テイラー文庫」の本棚を作ったのが木工作家・遠藤伸一さんだ。遠藤さんの3人の子どもは、津波の犠牲になった。子どもたちはテイラー先生の教え子だった。絶望の中、遠藤さんの生きる希望となったのが、本棚を作ることだった。
「テイラー先生が未来へ導いてくれた」と語るのは、当時の教え子の一人で、東京の大学に進んだ佐々木えりこさん。この春、佐々木さんはアメリカに渡り、恩師の遺族と面会した。
東日本大震災から、もうすぐ10年。海を越え、テイラーさんが遺した“人のつながり”。深い悲しみを抱えて生きてきた人たちの背中を押しつづけるものを追う。
制作はTBSテレビ。ナレーションは堀井美香TBSアナウンサーが務める。取材を担当したのは、石巻出身で、自身も高校生時代に被災した原田真衣ディレクター。
原田ディレクターに今回の放送に当たりコメントを寄せてもらった。