SKE48「~12公演一挙披露祭~」現地取材で印象に残った“12のこと”<コラム・後編>
【10】もはや貫録すら感じる“あゆか姉さん”
2018年末の「SKE48 忘れられない大忘年会2018」では若手メンバーの中でMCを務め、今年7月にはチームSの副リーダーに就任した、現在16歳の上村亜柚香。
3日目の「ラムネの飲み方」公演、自己紹介後の4人MCでは回し役を担ったが、22歳の石川花音と話す様子があまりにも“あゆか姉さん”という感じだった。
上村がドラフト2期生で先輩、石川が9期生で後輩なので間違ってはいないのだが、「22歳なんだ、見えないね! 若い若い若い」(上村)とどっしり構えて話す姿に、「いや、何歳が何歳に言ってるのよ!?」と内心ツッコまずにはいられなかった。
ただ、上村は“達者”なだけでなく、回し役以外のときや先輩メンバーと話しているときには思うまま無邪気に大笑いするなど、ちゃんと年相応な魅力も兼ね備えている。
【11】天性の“華”を感じさせる青海ひな乃
「パジャマドライブ」「制服の芽」「逆上がり」の3公演に出演した9期生の青海ひな乃。今年1月の「手をつなぎながら」公演を見た際にも思ったことだが、今回の「制服の芽」公演の「女の子の第六感」のイントロには“華”があった。手足のしなやかさも一役買っているのだろうが、その“華”は天性のものだと思わざるを得ない。
また、「女の子の第六感」とは雰囲気の異なる「その汗は嘘をつかない」(「逆上がり」公演)では一転して、熊崎晴香をほうふつとさせるパワフルなパフォーマンスを見せるなど、秘めた魅力を遺憾なく発揮した。
【12】大舞台での大役&MCで強心臓ぶりを見せた石川花音
先述の上村紹介時に名前が出た石川花音だが、「ラムネの飲み方」公演では大きな見せ場が。ユニットパート明けの「孤独なバレリーナ」でプリマドンナ役に抜擢され、誰が見てもバレエ経験者だろうと一目で分かる、華麗なパフォーマンスを披露した。
しかしその一方で、MCでは不思議な一面も。それは「青春ガールズ」公演アンコールのMCで、石川(22歳)が回しを務め、池田楓(20歳)、平野百菜(14歳)、林美澪(11歳)とトークをしていたときのこと。
石川は「年齢差を埋めるために」と、平野と林に“学校ではやっていること”について尋ねるもあまり差は埋まらず、ステージ上は少しふわふわした空気に。だが、ここで石川は話題を変えることなく「もうちょっと聞いてみよう」と発言。池田のフォローも大きかったが、このテーマ1本でMCを完走してみせ、強心臓ぶりをうかがわせた。
3日間で証明した成長をファンの戻った劇場で――
配信時間30時間を超える今回のイベントを無事に走り切り、13年目に突入したSKE48は10月26日(月)から観客を迎えての劇場公演を再開させる(※詳細は未定)。
これは憶測の域を出ないので明言は避けるが、今年の配信限定公演を見ながら「グループ全体でここに注力しているんじゃないか」と思っていた点においても、この3日間で成長が感じられたメンバーがたくさんいた。
運良く劇場に入ることができたファンは、彼女たちがコロナ禍でただ活動を縮小させていただけではないということを、彼女たちが今回のイベントで絆をより強固にしたことを、きっと実感できるだろう。