“ドラマの可能性がまた広がった”「オリエント急行殺人事件」舞台あいさつに野村萬斎、二宮和也らが登壇!
1月11日(日)、12日(月)の2夜連続でフジ系にて放送されるSPドラマ「フジテレビ開局55周年特別企画『オリエント急行殺人事件』」の完成披露試写会が1月5日に東京・お台場シネマメディアージュで行われ、脚本の三谷幸喜をはじめ、出演者の野村萬斎、松嶋菜々子、嵐・二宮和也、杏、玉木宏、沢村一樹、佐藤浩市が舞台あいさつを行った。
同作はアガサ・クリスティーの名作ミステリーを三谷幸喜の脚色で、舞台を昭和初期の日本に移しテレビドラマ化。名探偵・勝呂(野村)は、山口・下関駅から“特別急行東洋”に乗車。その車中で佐藤浩市演じる実業家・藤堂が殺害され、勝呂は執拗に刺された藤堂の遺体から犯人の動機は復讐ではないかと疑う。そして、犯人は乗客の中にいると判断した勝呂は、松嶋、二宮、杏らが演じる乗客12人を一人ずつ尋問していく。
三谷は「僕は自分で脚本を書いた人間ですけども、すごくすてきな作品になっていると思います。テレビドラマに関わる人間として、ドラマの可能性がまた広がったんじゃないかなと。(通算放送時間)6時間ですからね。映画ではまず成立しない。6時間かけてきっちり描くことができた、それがまずテレビの持っている強さじゃないかなと思います。殺人事件という本当は暗い題材なんですけども、最後は皆さんに感動していただけるものになっていると思うし、何よりゴージャスですし、こんなに新春にふさわしい殺人事件はないんじゃないかってくらいすてきな事件になってますので、ぜひ楽しみにしていてください!」とあいさつした。
また、野村が「名探偵・勝呂を演じました。全員を取り調べするということで、これだけ豪華なキャスト陣と演技を交えられるということは感動的でした。探偵というのは、皆さまを引き立てるというのが使命かと思いまして、皆さんのキャラが生きるよう心掛けました。探偵冥利に尽きたなと思っております」と語ると、三谷も「名探偵・勝呂は野村萬斎さん以外できなかった! 第1夜の最後、15分近く長ぜりふで彼が謎を解くシーンがあるんですが、すごいです! 圧巻です! もう、テレビ史上に残るくらいすごいシーンになってます! 彼じゃなければ成立しなかったなと思っております!」と大絶賛。そして、そんな野村の気迫に圧倒されたという二宮も「私は、そこのプレッシャーに耐えきれず3度ほど噛みましたけども(笑)。何がすごいって、一連の長ぜりふをっていうのはもちろんなんですけど、それを何回もやりきったということなんですよね。一発本番で良いってことじゃなくて、僕らのためにももう一回というのを、何度も何度もやり通したというのが、俺はすごい感動してました」と撮影当時を振り返った。
さらに、三谷は「佐藤浩市の死に顔は本当によかったですね! 本当に死んじゃったんじゃないかって思うぐらい見事な死に顔でした!」と太鼓判。これを受け、佐藤が撮影前に三谷から「死後硬直の演技楽しみにしてます」という要望メールをもらっていたことを明かしつつ、「悪いけどね、朝8時半に入って夜9時までの12時間ずっとあの顔ですよ! 楽じゃないんですよ!」と反論する一幕も。だが、三谷は「すごいと思いましたよ。役者根性ですよね」と満足げな表情からを浮かべた。
一方この日は、試写会には第2夜の放送日が成人の日と重なるということで“オリエント急行成人事件プレミアイベント”と題し、同局の開局55周年にちなんで55人の新成人が招待された。松嶋は「20歳は私はもう仕事をしていたんですけども、20代はとにかく寝る暇もないくらい仕事をさせていただいて、すごくあっという間でやり切ったというか、あっという間の10年を過ごすことが出来ました。やはり、20代死ぬ気で頑張ったなという思いが30代を支えてくれているような気がします。ですから、20代何事にもがむしゃらになって、“もうこれ以上できない”っていうぐらいやり切った達成感を積み重ねて、また次の30代に新たな目標を建てていけたらいいんじゃないかなと思いますので、20代楽しんでください」と新成人たちにエールを送った。
続けて二宮は、「僕が20歳の時には、デビューをしていて、東京・明治神宮で(嵐のメンバーの)松本潤と一緒に成人式を迎えました。彼とは同い年なんですけども、僕そのときまでスーツを持っていなくて、ちょうど深夜番組で使ってたスーツを頂いたので、これでいいかと思って、成人式に行ったんですね。そしたら、僕の隣にいたのが松本潤ていうやつなんですけど…そいつが黒の別珍に“ENJOY”って赤い字で入った、そのときだけのために作ったスーツを着てきたんですね。僕は番組でもらったスーツだったんで、接着剤とかいろんなものがついてたんですけど…。向こうはもう全部作ってきて、おそらく何十万円もするような。それで僕は、やっぱりそういうときに『ケチっちゃいけない』と思いました。皆さんも大人になられたということですから、使うときはバッと使って“ENJOY”してください!」と、実体験を基にしたアドバイス(?)を送り、会場を笑わせた。
最後に野村は「三谷さんの渾身の力作であり、ここにいる役者陣の渾身の力作でもあるかと思います。豪華なセット、豪華な俳優、豪華な脚本、豪華な演出、本当にフジテレビ開局55周年にふさわしい作品ではないかと。第1夜は原作に沿った物語でありますし、そういう意味では謎解きを楽しみにしていてください。そして第2夜はですね、僕は台本を読んで泣きました。泣けます。そして、実際に第2夜を拝見し、感動いたしました。大作ではありますが、皆さま集中力をもって見ていただけたら、非情に厚みのある感動を得ていただけるのではないかと思います」とアピールした。
'15年1月11日(日)夜9:00-11:54
'15年1月12日(月)夜9:00-11:47
フジ系にて放送
脚本=三谷幸喜
出演=野村萬斎、松嶋菜々子、二宮和也、杏、玉木宏、沢村一樹、佐藤浩市ほか