構想3年!内野聖陽発案の「ザ・ドライバー」が放送
「臨場」('09年ほかテレビ朝日系)や「とんび」('13年TBS系)などで個性的なキャラクターを演じてきた内野聖陽が、元エリート銀行マンのトラックドライバーという役どころに挑むドラマスペシャル「ザ・ドライバー」(テレビ朝日系)が、10月11日(日)に放送されることが分かった。
一人の少女との心の交流、巨悪との対決を通して、ある家族の再生を描く同作で、内野が扮(ふん)するのは主人公“上(じょう)さん”こと元エリート銀行マンの近衛上一郎。曲がったことを嫌い、つい正論を振りかざしてしまう性格が災いし、サラリーマン生活を全うすることができなかったワケアリな人物だ。
トラックドライバーとなってもワイシャツにネクタイという銀行マン風のいでたちは健在。相棒の田畑公平(塚本高史)と共にトラックを運転し、京都の料亭に食材を搬入している。
彼のモットーは、元銀行マンらしく「契約で決められた新鮮な品を契約した期日までに届ける」ことで、頑固なまでに自らの仕事を正確にやり抜く姿勢は、相棒の公平を時にへきえきとさせるが、2人は固い絆で結ばれている。
今回の「トラックドライバーを主人公にしたドラマを」という案は、内野がテレビ朝日のプロデューサーと話している時に生まれたんだとか。その内野の話からドラマとして完成させるまで、実に3年の月日を要し、今作が誕生した。
上一郎と公平が勤務する「舞妓トラック株式会社」は、京都の元芸者で置き屋のおかみ・並子(若村麻由美)が社長を務める運送会社。事務所には上一郎らトラックドライバーに混じり、舞妓(まいこ)や芸者も時折顔を見せるなど、普通の運送会社にはない艶やかさがある。
しかし、運送会社と置き屋を仕切る並子の性格は男勝りで、あくまでもわが道をゆく上一郎でさえ、黙らせるほどの強烈な物言いが売り。ドライバーの男たちはもちろん、舞妓、芸者を巧みにさばき、彼らから厚い信頼を得ている。
内野いわく「若村さんは京都弁も勉強してくださったので、僕らははんなりといじめられている(笑)」とか。そんな並子の下で、なぜ元銀行マンの上一郎がトラックドライバーとして働くようになったのか。2人の意外な関係も、このドラマの独特の個性となっている。
ユニークなキャラクター、舞台設定が目を引く同作は、上一郎と公平のコンビがひょんなことから一人の孤独な少女と出会うところから始まる。何の因果か、少女の両親を捜して京都から宮城・気仙沼へとトラックを走らせる上一郎と公平。
上一郎は、気仙沼で少女が通っていた保育園の美しい保育士・玲奈(南沢奈央)に心引かれてしまう。“酒に酔うと感情丸出しのばか男になる”という単純な性格を公平によって巧みに利用され、イヤイヤだったはずの少女の母親を探す“仕事”を引き受けてしまう。
やがて京都で母親を見つける上一郎だが、そこには少女を孤独な境遇へと追いやった複雑な家族の事情が隠されていることも判明。複雑に絡み合った心の糸を、上一郎は解きほぐすことができるのか。
出演は内野、塚本、若村、南沢のほか、渡邉このみ、中越典子、北村有起哉、中村俊介、平幹二朗ら各世代の実力派俳優が集結。重厚な演技で作品に厚みを加えている。
内野が周囲に翻弄(ほんろう)されて見せるコミカルな姿や、人情味あふれるストーリーなど、注目ポイントが盛りだくさんで、序盤から見る方の心のエンジンもフルスロットルになりそうだ。
あらためて内野は「僕がプロデューサーに、2人のトラック運転手が車の中でアホトークをし、そこに時々追憶劇がたまに入ってくる、みたいな話って面白いんじゃない?と無責任に言ったことが始まりだったんです。何げない話を、プロデューサーが徳永友一さんという素晴らしい脚本家を見つけてきて膨らませてくださり、当初の企画とは思いもよらないモノになって返してきた。これはしっかりやらなくちゃと思いましたね(笑)。
ドラマの核になるのは『家族』。離れ離れになっていた家族が再生する物語なんです。ほっこりとした人情話のような部分があって、家族の話として見られるところが見どころ…、このドラマのツボではないかと思います。家族で気楽に見られるようなあったかい作品になっていたらうれしいなと思っています」と、作品の魅力をアピールした。
10月11日(日)夜9:00-11:10
テレビ朝日系で放送