【監獄観察日誌】岩倉達哉P「“ピンチがチャンス”が本質」
第8話でキヨシ(中川大志)と花(森川葵)との衝撃的なキスが話題になったドラマ「監獄学園-プリズンスクール-」の企画・プロデュースを務めた岩倉達哉氏にインタビューを敢行。
本作は平本アキラ原作の人気漫画を実写ドラマ化した作品。懲罰棟(通称:プリズン)に投獄された主人公・キヨシら男子生徒5人と裏生徒会の美女3人のバトルを描いている。
最終回では、退学の日を迎え理事長室へと連行された男子5人はついに理事長(高嶋政宏)から退学処分を下されてしまう。しかし、裏生徒会の勝利に笑みを浮かべる会長・万里(山崎紘菜)に対し、キヨシは「勝ったのは、俺たちだ!」と衝撃の発言をする。状況がのみ込めない裏生徒会のメンバーに、男子たちの秘密の作戦が明かされる。
主人公・キヨシはもちろんのこと、副会長・芽衣子(護あさな)ら個性的な登場人物と原作の物語の再現度が好評を博している本作を企画した岩倉氏の、作品に対する熱い思いに迫った。
――本作の実写化を企画したきっかけを教えてください。
最初に出版社の方に「実写化に興味があります」とお話ししたのが2年前くらいでした。たまたま(漫画を)書店で手にして読み始めたんですけど、とても面白くて、学園ものでコスチュームものということもあり、実写化に向いていると思いました。
セクシーな描写が多いので、テレビでの放送はハードルが高いというと、際立って特徴あるキャラクター達を誰が演じるのかが難しいなとは思いましたが、とにかくこの作品を実写化したら世の中が驚くんじゃないかという期待と、作品が面白いから個人的にも実写版を見てみたいという気持ちでした。
――実際に実写になった時の感想は?
もちろん事前に頭の中でイメージはしていましたし、原作が持っているキャラクターの特徴がバチッとはまる方を探したつもりではあったので、大丈夫だろうとは思っていました。ですが、衣装合わせで初めて役者さんが衣装を身に着けたそのいでたちに、「お、これは想像以上に(原作に)近いぞ」という確信があって格別の思いがありました。
それは僕だけじゃなく、テレビ局のプロデューサーも出版社の担当の方も「おっ!」となっていたので、そこで一番手応えを感じましたね。
――放送が始まってからビジュアルや本編の再現度が好評です。
キャスト解禁された時から話題にしていただけたので、良かったなと思います。あの作品を実写化したらどうなるんだろうという好奇心からスタートはしているんですけど、再現することだけでなくドラマとして面白いものを作りたいと思っていました。でも、この作品は、登場人物各々の恰好やスタイルがキャラクターそのものだからこそ忠実に再現しようとしているんですけど、どうしてもそれがそっくりショーというか、モノマネみたいな意識も芽生えさせかねなかったので、そこは難しかったですね。
――一番話題になっている芽衣子についてはどう思いますか?
副会長の芽衣子は、実写化に動き出した当初から、一番キャスティングが難航するだろうという話をしていました。ところが、監督を井口(昇)さんがやることが決まり、一番初めの打ち合わせで井口さんから「護あさなっていう子がいるんですけど、彼女がとても芽衣子に合うんじゃないかと思うんですけど」とご提案をいただいたんです。
護さんの写真を見て「あ、これは…!」と思いました。ずっと探して見つからなかったのに、ここまで(ビジュアルが)完璧な人をすぐに教えられてちょっと悔しいなって思いました(笑)。護さんにはオーディションを受けていただいたんですけど、もともと護さんがSっぽい性格の方だとどこかで耳にしていたのですが、芝居を見たら実際は全く逆で、どちらかというとMっぽかったので、それを見て「これは芽衣子いける!」って思いました。
――主人公・キヨシを演じる中川大志さんはいかがですか?
原作を読むとギャグコメディーだと思われる方もいると思うんですけど、原作の編集部の方からも、1ミリもふざけてはおらず、登場人物は全員本気でやっているっていう話から、それが中川くんのお芝居に合うんじゃないかと思って、監督との話し合いの中で初期の頃から名前があがっていました。でも、スケジュールが合わなくて難しいということで、諦めて他の方を探していたんですけどなかなか見つからず、もう一度確認してみたら今度はいけるかもしれないとなって、「それならぜひ!」って、お互いのスケジュールを調整してやっていただけることになりました。
――最終回に向けて、これまでのエピソードで注目してほしいところは?
全部に思い入れがあるので難しいんですけど、例えばキヨシが会話している後ろで、その会話をえもいわれぬ素晴らしい表情で聞いているアンドレ(ガリガリガリクソン)がいたり、そういう画面の細かいところまで井口監督が演出されているので、そこを見てほしいですね。
あと、8話の(キヨシと花の)キスシーンですかね。気後れしそうなシーンなんですけど、大志くんと森川葵ちゃんが全力で挑んでくれているので、あそこは見ものですね。また、そのシーンで花に追い詰められたキヨシが、攻めは最大の防御なりと言わんばかりに、(自分の)ズボンを下ろしてペットボトルをあそこに当てている状況で、花に向かって一歩二歩と進んでいくところとか、傍から見たらばかばかしいシーンだと思うんですけど、そこがこの作品の本質を突いているなと思うんです。“ピンチがチャンス”という本質を、大志くんは見事に体現してくれました。
――最終話の見どころは?
男子たちが、どうやって裏生徒会に最後の勝負を挑んだのかという謎解きの回なので、そこの仕掛けを楽しんでいただければと思います。その仕掛けの中で、ガクト(柄本時生)がすごいところからあるものを出すので(笑)、そのあたりのプリズンらしさを感じていただければと。
全力でガクトを演じている時生くんも面白いし、その芝居を理事長の高嶋さんが受け止めているのも見ものです(笑)。
――視聴者も気になる続編の予定は?
すごく反響もありましたし、出演者たちもこの作品を好きになり楽しんで演じてくれたので、もし、そのような機会があればぜひと思いつつ…熱狂的な原作コミックスファンの方々に支えてもらっていて、原作に対する愛情が欠かせないテレビドラマなので、続編をやるとしたら、そこは引き続きないがしろにできないと思います。
プロデューサーとしては“ウロボロス”とか(過激なシーンが)悩ましいですね(笑)。「うーん」と唸って、ひとまず休憩というところでしょうか(笑)。
毎週日曜夜0:50-1:20
MBSで放送
※TBSは毎週火曜夜1:11-1:41
出演=中川大志、山崎紘菜、森川葵、護あさな、ガリガリガリクソン、宮城大樹、武田玲奈、新木優子、矢野聖人、柄本時生、高嶋政宏
【HP】prison-school.com/
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