小澤征悦「冒険したみたいな気分にさせてもらえる映画」
5月21日(土)より映画「アメリカ・ワイルド」が公開される。アメリカ合衆国国立公園制度生誕100周年を記念した作品で、圧倒的な大自然を迫力ある映像で描いたネイチャードキュメンタリーだ。
今回、日本版で案内人(ナレーション)を務める小澤征悦にインタビューを敢行。作品の見どころや自身の大自然にまつわるエピソードなどを語ってもらった。
――今作のオファーを聞いた時はどのように思われましたか?
オリジナル版はロバート・レッドフォードさんがナレーションをされていて、ロバート・レッドフォードさんといったら名優の中の名優じゃないですか。そんな素晴らしい方がナレーションされている作品なので、日本語版、俺でいいのかというのはありました。
ちょっと緊張したんですけど、でも依頼していただいたからには一生懸命やろうと、光栄なことですし。受けさせていただきました。
――実際難しい点などありましたか?
ナレーションを録る前に、オリジナル版をまず見て、ロバート・レッドフォードさんがやっているナレーションを聞いて。さすがにすごいなと思ったのは、抑揚をそんなにつけてないんですよね、ナレーション自体に。
声色も使ってないし、派手な演出、声の上での演出っていうのをしてなくて。声で芝居をしていない。今回の作品に関しては、もちろん映像の力強さっていうものもありますけど、それにぶつからないように、あんまり声で抑揚をつけると邪魔になる可能性もあるので。
極力そういうものを控えて、それでも棒読みになってはいけないので、抑えた中でのある種の感情みたいなものが表現できたらなと思いました。
結構不安ですよ(笑)。独りで(録音)ブースの中に入って、窓ガラス越しに人が何人もいてね。向こうでなんだかんだとやっているわけですよ。首振ったりして(笑)。
向こうの声は聞こえないので、「全然ダメだ」って言われているんじゃないかなって、そういう不安もありましたけど(笑)。
――映画に登場する国立公園、実際に行かれたところもあるんでしょうか?
保育園くらいまではアメリカに住んでいました。アメリカで生まれて、日本でいう保育園までアメリカで育ち、幼稚園からは東京に戻ってきました。
国立公園でいうと、大学時代に1年間、日本の大学を休学してボストン大学というところに留学しました。その時に英語の勉強と、結果的には芝居の勉強もそこで初めてしたんです。その時にグランドキャニオンに行きました。
――映画の中で印象に残っている場所、行きたいなと思う場所ってありますか?
この映画でもそうですし、前から行ってみたかったのは「イエローストーン国立公園」とか「ヨセミテ国立公園」ですね。「ヨセミテ」にはセコイアっていう木があるんですよ。樹齢何千年っていう。屋久島の屋久杉みたいな。それは見てみたいなと思いますね。
――作品の中でロッククライミングとかアイスクライミングのシーンがありましたが、小澤さんご自身はそういう体験ってされたことありますか?
「クライマーズ・ハイ」('08年)っていう映画で、ロッククライミングのシーンを撮りました。これが初めてでした。僕は結構こう見えてインドア派なんで(笑)。よく言われるんですけど「キャンプとかすごいやっていそう」とか…全然喫茶店で小説読んでる方が好きなタイプなんです。
その映画でロッククライミングをやった時は、体中筋肉痛になって。最初の訓練で、“オーバーハング(ひさしのようにせり出した岩を登る)”やらされたりとか、ヘトヘトになって。
その時の先生に「皆さんもこういう訓練をされるんですか?」って聞いたら、「するわけないじゃないですか! こんなこといきなり初心者にやらせるわけないじゃないですか! 役者さんって大変ですね、ははは」って言われて。
だから経験はありますけど、映画を見て、あらためて、すごいなと思いました。
――では最後に見どころをお願いします。
この映画の見どころとしては、アメリカの国立公園の大自然の、その圧倒的な素晴らしさももちろん見ていただきたいですし、映画を見ているだけで一つの冒険をしたみたいな気分にさせてもらえる作品だと思います。
やっぱりお子さんに見てほしい。もしかしたらアメリカに行きたいと思ったり、自然に関係する仕事がしたいとか植物が好きだとか、動物に興味を持つとかこの映画を見ることによってそういう興味のきっかけになることができれば一番素晴らしいんじゃないかな。
お子さんがそう思うためにはご両親にそういうところにアンテナを張っていてもらい、幸せの連鎖というか、そういうものの連鎖をつくっていってもらえたら、自分がナレーションして良かったと思えるのではないでしょうか。
5月21日(土)より109シネマズ二子玉川ほかIMAX(R)3D版で公開
【HP】americawildfilm.jp