【試写室】「豆腐プロレス」で寒い冬もアツアツ!
「豆腐プロレス」。それは、豆腐のような白い肌で四角い体つきの男たちが繰り広げるプロレス番組…ではなく、栄養たっぷりの豆腐が大好物で体を鍛えた男たちが展開する熱き青春スポーツ番組…でもない。念のため。
各局で放送されているドラマやバラエティー、アニメなどを事前に完成DVDを見て、独断と偏見とジョークに満ちたレビューで番組の魅力を紹介する、WEBサイト・ザテレビジョン流「試写室」。今回は、AKB48グループ×プロレスの組み合わせが話題を呼んでいる「豆腐プロレス」(テレビ朝日系※一部地域を除く)第2話を取り上げる。
第2話のストーリーは、“白金ジム”オーナー・矢崎英一郎(渡辺いっけい)の挑発を受け、プロレスに挑戦することを決めた宮脇咲良。
しかし咲良たち“錦糸町道場”が、現役女子高校生だけの女子プロレスリーグ“WIP(ワールド・アイドル・プロレスリング)”に登録するためには、選手が6人所属していなければならないという。
現在のメンバーは咲良の他、親友の向井地美音と、亡き父・ウロボロス洋平(菅原大吉)の門下生である横山由依のみ。咲良は美音と共に学校でチラシを配ってメンバーを募集するが、全く集まらない…。
さらに、トレーナーも見つけなければ試合に出ることすらできない。横山によると、かつて洋平とタッグを組んだことのある“アリゲート流司”こと坂巻流司(今野浩喜)が適任ではないかという。咲良たちはプロレス界から身を消している坂巻の行方を探すのだが…というもの。
冒頭で少し触れたが、まず目を引くことのタイトル。通称「まめプロ」ということだが、正直何のこっちゃさっぱりだった。でも、逆に考えるとこれどんな番組なのだろうか、と考えさせられてつい見てしまったということでは、秋元康氏を含め制作サイドの術中にはまっているのかも。
実際身の周りにも「豆腐プロレスって何やねん!」とツッコミながら見た人が多かった。
そして第2話は、いきなり道頓堀白間(白間美瑠)とオクトパス須田(須田亜香里)のプロレスシーンでオープニング。須田の“いじられキャラ”を逆手に取ったかのような、あの“顔芸”(?)は、思わず応援したくなる(相手を)感じの仕上がりで、ファン心をつかみそうだ。
白間の「なんでやねん!」もシンプルな言葉だが、使い方が絶妙なので、ついつい一緒になって「なんでやねん!」と画面の向こうから言ってしまった。
そんな今作はありがちなAKB48グループの青春ラブストーリーでも、常にマジなケンカドラマでもなく、一本筋の通った熱き“スポ根”ドラマのよう。中でもストイックな役どころも相まって、特にプロレスへの意気込みが際立って見える松井珠理奈の演技は、ガチのプロレスファンにも一度見てほしい。
ついジュリナ姐さん!って呼びたくなる。衣装のセクシーさももちろん必見だが、真剣そのもののトレーニング風景は、アイドルのドラマだと思ってナメていたら思わず涙腺にドロップキックを食らいそうだ。
そして、主人公の宮脇。AKB48グループが中心のドラマではここのところ毎回のように主人公クラスのポジションに据えられているが、今回のキャラクターは珍しくスタンダードな女子高校生の雰囲気。
父に反発していて、豆腐も嫌いだったのに、父が亡くなってからは道場を守るために奮闘し、必死にメンバーを勧誘する…。とても応援したくなる王道の役どころで、これからプロレスに本格的に挑戦していくと思うと、楽しみな反面ついつい親心で「大丈夫かな」と心配になってしまう。
それはさておき、ある女子生徒たちを勧誘するときに見せた「うっせー●ー●」発言は、いきなりどうした!?ってくらい突然入れ込んできたので、カウンターを食らった気分で笑ってしまい、湯豆腐をPCにこぼしてしまった。
だからちょっとこの記事のクオリティーが下がっていても、それはご愛嬌で。ええ、中身には関係ないですよ。
回想シーンの菅原大吉と今作の肝ともいえる存在の渡辺いっけいとの意外な過去、アリゲート流司というなかなかのネーミングで登場する、最近役者業が絶好調の今野浩喜、個人的に気になる道頓堀白間…など、30分という短い尺には収まり切れないくらいほど見どころ十分。
「泣きべそより汗をかけ!」という名(迷)言が出てくるが、この年になると涙もろくなってしまって、ドラマなのに宮脇の必死な姿にうっかり涙がポロリとしてしまいそうになる。でも、むしろこの作品をたくさんの人に見てもらうように汗をかけってことですよね。
いつ宮脇から勧誘があるか分からないので、いつでも役立てるようにとりあえずバックドロップの練習しておこう。
え? 女子高校生限定? せっかく豆腐のように白くて四角いボディーが見せられるかと思ったのに。残念。
毎週土曜夜0:35-1:00
テレビ朝日系で放送
※一部地域を除く