上白石萌音が初主演を務める連続ドラマ「ホクサイと飯さえあれば」が、毎週火曜夜1:28からTBSで放送中(MBSは毎週日曜夜0:50)。東京・北千住を舞台に、いかに安く、おいしく、幸せを感じながら食べるかという創意工夫の自炊ライフを追求する主人公・ブン(上白石)と、ウサギに似たしゃべる縫いぐるみ(?)・ホクサイの日常を描く、鈴木小波のグルメ漫画を実写化した物語だ。
池田が演じるのは、ブンと同じ大学に通う、おいしいご飯に目がないコミュニケーション能力の高い女子大学生・有川絢子(通称:ジュン)。おいしいご飯を作れるブンを尊敬しており、“ホクサイとおいしいご飯さえあればいい”と思っていたブンと第1話で仲良くなる女の子だ。
そんな池田に、プロデューサーから絶賛されたその役作りの裏側や、上白石との交流、ドラマの魅力などを聞いた。
――出演が決まった時の気持ちを教えてください。
お話をいただいてから作品を見させていただいたんですけど、私がジュンちゃんをやるっていうのが、最初は想像がつかなかったです。
スピード感があり、人を巻き込んでいく勢いのある子なんですけど、私はどちらかというとスローなタイプなので、ジュンちゃんについていくのに必死になっちゃうんだろうなって思って、少し不安でしたね。
――そんな不安な気持ちの中、役作りはどのようにされたのでしょうか?
監督に初めてお会いした時に本読みと衣装合わせもしたんですけど、その日までジュンちゃんを想像しないようにしていて、そこで皆さんの空気感だったり、萌音ちゃんがやるブンちゃんというものを感じ取って、そこから北千住に住んでいる大学生・ジュンちゃんを考えようと思って臨みました。
それで本読みをした後に、ブンちゃんから温かさみたいなものを感じ取り、そういうのも踏まえて、衣装合わせはジュンちゃんの性格などを考えてやらせていただきました。
意外とジュンちゃんは着替えが多いんです。お金はそんなにあるわけじゃないけど、着回しはきっと上手だし、こういう日だからこういう服を着よう!って1日を楽しめるタイプだと思ったので、そういう気持ちで洋服を入念に選ばせていただきました。
そのおかげで本番がすごくやりやすくて、こういう服だから女子っぽいしぐさができるなとか、動きやすい服だから動けるなとか、そういうのが伴ってくるのですごくやりやすかったですね。
――池田さんが思うジュンちゃんとはどんな女の子なんでしょうか?
ブンちゃんと同じで、食に対して貪欲なんです。原動力がそこだからこそ、コミュニケーションが取れるというか…ジュンちゃんはジュンちゃんで繊細なところがあって、前にずんずん進んでいくタイプなので、あまり悩んでいるところを見ている方に重く見せたくはないなと思い演じました。
私の中でちゃんとジュンちゃんに寄り添えるように納得してあげようと思っているんです。ジュンちゃんは誰のことが好きで、どういうものを大切にしていて、どういうものに傷つきやすくて、常に何を考えていてっていうのをすごく考えましたね。でも、結構トリッキーな判断もするんですよ。「なんでぇ!?」みたいな(笑)。
それが本作のコメディーな部分だと思います。でも、コメディーだけど私はジュンちゃんの理解者じゃないといけないので、「こういう判断するよね」「うん、ジュンちゃんだもんね」っていうところにいくまでの作業が大変ではあったんですけど、楽しみながらやることができました。「実はジュンちゃんにもこういうところがあるんだよ!」って思いながら撮影しました。
――森谷雄プロデューサーが上白石さんと池田さんの作中での雰囲気がすごくいいと仰っていたのですが、役作りで話し合いなどされたのでしょうか?
ブンとジュンのことで話し合ったということはなくて、ジュンちゃんとブンちゃんと同じようなスピードで私たちも仲良くなっていきました。彼女たちは食の面で合致してどんどん関係が築かれていくんですけど、私と萌音ちゃんは音楽が好きで、映画が好きで、お芝居が好きでというのが合致して、そういう楽しい時間を過ごせていたのがジュンちゃんとブンちゃんに反映されていたのかなと思います。
根底にある好きなものが合致したっていうのがうそじゃないから、本番中もちゃんと目を見て気持ちを伝えられたというか。お互いに初対面から「初めて会った気がしない」って言っていたんですけど、それからすごく仲良くなり、ありがたいなって思っています。
――現場でも仲良しの雰囲気が出ていたんですね。
ずっと二人でくっついていましたね(笑)。おのおののシーンがあって別になることがあっても、帰ってきたら「お帰り!」って言ってぴとっとくっついているみたいな(笑)。仲間意識というより、寄り添いやすい、寄り添い合える関係性だった気がします。
恥ずかしい真面目な話も、萌音ちゃんになら言える気がして…本気のお芝居の話とかも、二人とも野心家というか、好きでやっているので気付いたらそういう話になっていました。それでお互いのことがまた好きになって、お互いのことをもっと知っていくという感じでしたね。だからずっと一緒にいた気がします。
私は他の撮影もあったので、このドラマの現場に来て「お帰り!」って迎えてくれる感覚がすごく好きでした。
――ジュンちゃんは食べることが好きですが、池田さん自身はプライベートではまっていることなどありますか?
四六時中ごはんのことは考えていますね(笑)。ジュンちゃんと私の似ているところはそういうところだと思います。
それと鳥ですね。最近1羽増えて、今2羽飼っているんですけど、毎日いとおしくて…本当にピュアに愛してくれるので、それにピュアに応えるっていうのが自分をすごく育ててくれているなって感謝しています(笑)。
毎日一緒にテレビを見ていたりもしています。子供番組を見て一緒に歌ったり、踊ったりをよくやっています。
――最後に、作品の見どころを教えてください。
人間関係で前向きになれず悩んでいる方は、ジュンちゃんの前向きさだったり、ブンちゃんの歩み寄ろうとする努力や気持ちの変化が胸に刺さると思うし、ご飯が好きっていう方は、いかにご飯を食べるという行為がありがたくて幸せなことなのかがあらためて再確認できると思います。
人間関係と食が深い関わりを持っていて、胃袋も心も満たされるドラマです。1週間前からレシピが公開されているので、事前に確認していただいて、一緒に食べながら見ていただけるとさらに楽しめると思います!