道下和彦のSNS
-
How to Compose 14「作曲法まとめ」〜ダイジェスト
このブログは洗足音楽大学の授業How to Composeの予習復習用に書いております。履修学生の方に特化した内容です…
アメブロ 『道』Blog
-
How to Compose13 「コンテンポラリー入門」
すすこのブログは洗足音楽大学の授業How to Composeの予習復習用に書いております。履修学生の方に特化した内容…
アメブロ 『道』Blog
-
質問コーナー 「シンメトリック・オーギュメント・スケール」
前回のHow To Composeで話せなかった、シンメトリック・オーギュメント・スケールの説明をします。 音程が等…
アメブロ 『道』Blog
-
How to Compose12 「マルチなコード進行」
このブログは洗足音楽大学の授業How to Composeの予習復習用に書いております。履修学生の方に特化した内容です…
アメブロ 『道』Blog
-
How to Compose 11「モチーフとは何か?」
このブログは洗足音楽大学の授業How to Composeの予習復習用に書いております。履修学生の方に特化した内容です…
アメブロ 『道』Blog
-
How to Compose 悩みの相談「モチーフの作り方がわからない・・・」
「モチーフの作り方がわからない・・・」 How To Compose 履修の学生さんからの「悩みの相談」です 非常にダ…
アメブロ 『道』Blog
-
How to Compose 10「How to Study Music 」
みなさ〜〜ん課題発表、いかがでしたか〜? このクラスの履修者の皆さんが楽しく作曲ができるきっかけになれば幸いです。 2…
アメブロ 『道』Blog
-
How to Compose 9「ABACの書き方〜課題説明」
このブログは洗足音楽大学の授業How to Composeの予習復習用に書いております。履修学生の方に特化した話題が主…
アメブロ 『道』Blog
-
How to Compose 8「続コード進行の集め方〜メロディとコードの関係」
このブログは洗足音楽大学の授業How to Composeの予習復習用に書いております。 履修学生の方に特化した話題が…
アメブロ 『道』Blog
-
How to Compose 7「コード進行の集め方」
「コード進行は作る物ではなく、集める物である…」by Kazuhiko Michishita というお話を。 皆…
アメブロ 『道』Blog
- 1
このブログは洗足音楽大学の授業How to Composeの予習復習用に書いております。
履修学生の方に特化した内容ですので、御理解の上お楽しみください。
⃞
1月6日 は15回目、最後の授業です。
みんなの曲を聴きながら楽しくおわりましょう!
今回はこの授業で行った作曲法をダイジェストでご紹介致します。
なお、授業内では作曲家の楽譜等、資料を見ながらお話しいたします。
いきなりですが…
今私達が勉強している西洋音楽は、14〜15世紀頃から楽譜によって記録されてきたものに基づいています。
結構長い間、楽譜を使ってきたのです。
「いやいや、その前の方が長いし!」
その通り!音楽はめちゃ太古からありました。
手振り身振り口振りで受け継がれた民族音楽はどの地域でも存在します。
この授業の最初に「主に楽譜に書ける曲についての解説をする授業」と言うお話しました。
何故か?
その方が説明しやすいから…
作曲法が、楽譜を使って発展してきたから…
先人の記録が残っているから…
私がそうやって学んだから…
残ってきただけあって、楽譜はとても便利な道具です。
しかし、人間とは賢い生き物=ホモ・サピエンスと言うくらいですから、なんやかんやと発明いたします。
皆さんがお持ちのスマホ、又はパソコンがあれば楽譜が無くても音を記録して残せる。
そしてそれを伝える事が出来る今になりました。
何故楽譜を使って作曲するか?先程、からから言いながらお話ししましたが、一つ重要な事をいい忘れました。
先人達は何故楽譜を使ったか?
「それ」しかなかったからです
「モーツァルトはYouTubeを見るか?」と言う問題?があります・・・
みなさんはどう思いますか?
私はこう思います・・・
もし18世紀にYouTube があればモーツァルトは狂ったようにフィガロの動画をあげまくるに違いありません。
ソクラテスはTwitter で無知無知〜と言って他人に絡みまくるでしょう。
エジソンは昨日発明した録音機をインスタにアップして「時代遅れ〜」と炎上してたに違いありません!
そうです、いつの時代も「それ」を使ってやるしかないのです。
「じゃあ今はもう楽譜要らんのと違う〜?」
「なんで、めんどくさい楽典とか理論をやらなあかんの〜?」
「そんなんで成績つけられて嫌なんですけど〜」
あい、すいません…
その通りです、私もそう思います。
もはや、楽譜は音楽のツールとしては時代遅れです。
なので最終的にはあなたのツールを探してください。
最近は又カセットテープやレコードが流行ってる?とか・・・?
「楽譜ってかっこいい〜」と歩き楽譜なんていう時代も(絶対に来るわけないけど・・・)
ところでみなさんは
民族音楽は、遅れた文化?理論的では無い、野蛮な音楽だと思いますか?
クラシックやジャズは理論的に優れていて、正しい音楽だと思いますか?
私見ですが・・・
民族音楽、は楽譜では到底表現出来ない域に達しています。
何処かの誰かが歌った歌が、記憶だけで残ってきたパワーは、理屈では説明出来ないのです。
そう言った意味では、伝承音楽は、パワーのみで残されたホンマモンの芸術なのかもしれません・・・
楽譜や理論、はたまた学校なんて無くても地球には音楽が溢れていたのです
現代の私達は音楽教育をすっ飛ばして作曲できるツールがいっぱいあります!
私達が手にしている数々の道具はパワー直結型のTool なんです。
音楽の原点回帰とも言えるのです。
音楽はパワーです!!!爆発だ!!!!
みなさんも一刻も早く曲を作りましょう〜そしてそれを皆に聞かせましょう。
と、言う事で、最後の課題は、
「自由曲」
How to Compose 1 「授業概要 と モチーフ」
音楽形式を小紹介しました。
「小楽節 =(フレーズ、モチーフの展開)」4小節
「大楽節 =(メロディ、バース、コーラス)」8小節
形式を使って作曲する、完成させる事を目的した作曲法のお話です。
AABA形式を使ってワルツを作りました。
形式→メロディ→コード進行と言う順で作りました。
コンスタント・ストラクチャーでコードを付ける方法を説明しました。
How To Compose 4「コード進行の付け方〜課題の説明」
AABA形式の曲の作り方を説明しました。
メロディの卵の説明をしました。
本クラスの目的は『作曲の入り口の為の作曲法』というお話をしました。
コード進行は作る物ではなく、集める物である…というお話をしました。
リレイティッド2マイナー(Related Ⅱm) とサブ5(SUBⅤ)のお話をしました。
ABAC形式を使って曲を書こう!というお話をしました。
古典のすすめ・・・というお話をしました。
メロディの素についてお話をしました。
音楽は数学の仲間なんです・・・というお話をしました。
コンテンポラリー・ジャズの初期「ブルースの拡大解釈」というお話をしました。
と、いうわけで皆さん最後の課題を忘れない様に出してください。
期限は、12月18日(月曜日)です。
私のGoogle Classに楽譜または音源で提出してください。
AABA
ABAC
も出していない方は必ず提出してください。
3つの課題が提出されていれば(出席が悪くても)成績は必ず付けます。
すすこのブログは洗足音楽大学の授業How to Composeの予習復習用に書いております。履修学生の方に特化した内容ですので、御理解の上お楽しみください。
「せんせ〜!」
「ハイ、なんでしょう?」
「コンテンポラリーってなんか難しくって嫌なんですけど…」(実話)
このクラスはかれこれ20年以上やってますが、アドリブや作曲に対するハードルを下げて皆さんが楽しめるよう工夫してきました。
毎年
Thelonious Monk
John Coltrane
Wayne Shorter
Herbie Hancock
Chick Corea
Keith Jarrett
Pat Metheny
etc....
等の作曲家を取り上げて皆で楽しくセッションをやってきました。
アナライズ等をやるよりも実際に演奏するとその曲がわかります。
作曲のコツは演奏!と言う事です。
音楽は共同作業です。
美術の様に作品自体が残るのではなく、
誰かの作品を、誰かが演じないと残らないのです。(YouTube がなかった時代)
その進化の過程を1人づつが体験して初めて音楽が生まれてきます。
最近の研究では、原始の歌声はポリフォニー(合唱)だったそうです
音楽はアンサンブルから始まった!んですね・・・
作曲家がいて演奏者がいる・・・
そうやって共同作業で残されて来た様々なサウンドが皆さんの周りに残っているのです。
昨今、いろんなToolsが出来て一人で制作が完結する・・・そんな時代になりました。
なのに、やっぱりローリング・ストーンズを聞いてホンキートンク・ウイメンが弾きたくなるのであります(いつも例が古くてごめんな)
ボブ・ディラン、ビートルズ、スティーヴィー・ワンダー等これからも風雪に耐えスタンダード化し、音楽は残っていくでしょう。
それらは全て人の手(耳)によって受け継がれていくのです。
それが文化と言うもの
最近の近未来映画に懐かしのロックアンドポップが挿入曲として採用されるのも何か、解る様な気がします…
すいませんノスタルジーに浸ってしまいました。
音楽を勉強する一番手っ取り早い方法!それは演奏、弾く(歌う)事です。
あなたが手に入れたいサウンドを弾く(歌う)のです。
プロコフィエフのサウンドが欲しかったらピアノ・コンチェルトを弾くのです。
ローリング・ストーンズのサウンドが欲しかったらギミー・シェルターを弾く(歌う)のです!
それより早い勉強方法は絶対にありません!(以上!)
となれば話は速いのですが、少しでも皆さんが払っている法外な授○料に1パーセントでも答えようと説明を進めます。
私がバークリーの頃教わったの「Duke Writing」というおもしろい授業があります。
ハーブ・ポメロイ先生です。
デューク・エリントンの作編曲を分析して、それを元に曲を書くと言う授業です。
作曲の先生は曲そのものです。
アナライズの方法さえ学べばこの世に存在する無数の先生(曲)のレッスンを受ければいいのです。という当たり前の事をハーブ・ポメロイから教わりました。(アナライズ方法を統一すれば様々な曲を比較して学べます)
と、いうことで、今回はコンテンポラリーの元祖達の曲を少し分析してみましょう・・・
コンテンポラリー・ジャズという言葉は以前はありませんでした。
ビバップ、モダン・ジャズ、モード・ジャズ、ハード・バップ、クロス・オーバー、フュージョン・・・等も、
新しい宣伝文句の為に作られた言葉だと思います。
コンテンポラリーの意味は
「時代を共にする=現代的」という意味だそうですが、そう言う意味では、星野も米津も髭男もKing Gnu もミクもレンもリンもルカも、みんなコンテンポラリーです。
ジャズ界のコンテンポラリーの定義は割と狭くて「賢そうなサウンド?」という意味で使われているようです。
何をもって賢そうなのか?
今回はそれをお話いたします。
コンテンポラリーの起源?なんて大袈裟ですが、マイルス、コルトレーン、ショーター、ハンコック、マッコイ、ヘンダーソン等、ブルーノートレーベルの60年代辺りから現在に通づる怪しげなサウンドの芽が吹き出し始めました。
それが、
ブルースの拡大(自由な)解釈です。
ブルースはクラシックと結婚してジャズになった?というのは以前お話ししましたが、
ブルースは浮気物・・・
いろんな人(音楽)と恋(フュージョン)をするのです。
マイルスのブルース
コンテンポラリー・サウンドはよく「コードが難しい」と言われるのですが、コード・ネームで考えるのでは無く、モードとインターバルで考えた方が腑に落ちる所もあります。
以下の譜例はp4thを使ってペンタ・トニック・スケールを3声にしたものです。
A Minor Penta Tonic Scale with p4th
ペンタ・トニック以外の音も含まれますが、トップ・ノートはペンタなのでキャラはペンタ・サウンドです。(絶対弾いてね)
ペンタトニックはメロディを作るために力を発揮するナイスな奴ですが、そのキャラを利用して、いろんなトリック?を作り出す事が出来ます。
A Minor Penta Tonicのトップ・ノートをキープしたまま下の2声を自由な解釈で弾いちゃいます(クラス内で視聴します)
上の譜例はマイルスがキーボードの伴奏時に使うコードです。
コード・ネームはありません。強いて言うならAマイナー・マイルス・コードというべきか・・・
マイルスはベタなサウンドが嫌いでした。
ハンコックに「Don’t Play Butter Note!」といって怒ったそうです。
マイルスの後期1981年『ザ・マン・ウィズ・ザ・ホーン』以降、このような独特のブルージー・アウト・サウンドを使っていろんな作品を残しています。
トップノートはインサイド、ヴォイシングはアウト・サイドのインターバル・ヴォイシングを使ってメロディを異様な緊張感で表現する手法を使います。
音の帰納と演繹
結局、「ああすればこうなる」という結論が得られている物は全て理に叶っていると言っていいのです。
特殊なサウンドを使う時に「これは理論的に正しいのであろうか?」というご心配は無用・・・
普遍的命題から特殊命題を導き出す、ハーモニー演繹法は5対5にしておくのがちょうどいい、・・・とマイルスは(かく語りき?)
参考作品
是非聞いてみてください。
ハンコックのブルース
Herbie Hancockの人気曲、
Tell Me A Bedtime Story から、リハモを学ぼう!
この曲はR&Bやネオ・ソウル等の
コード進行に影響を与えた(かもしれない?)
リハモ=(メロディに対してどうやってコードをつけるか?)を学べるGood Example!なんですよ~~
Tell Me A Bedtime Story by Herbie Hancock(楽譜はクラス内で提示)
この曲は以下のスケールで出来ています。
F#m Penta Tonic Scale(with blue note=♭5)
「ん?これってブルースで使う例のペンタトニックスケールだよね?」
そう、この曲はブルースなんです。
ブルースについては前期のHow To Improvise 「AAB Blues」でお話しましたので、詳しくはこちらへ。
ブルースは通常AABという形式で出来ています。
実はTell Me A Bedtime StoryもAABです。
え〜?でも全然ブルースっぽくないよね〜」
「ネオ・ソウルって感じかな〜」
そのとおり!
メロディはブルース、ハーモニーはジャズ!その名は「R&B!」
ペンタ・トニック・スケールは、メロディが作りやすいだけではなく「リハモしやすい」スケールなのです。
試しにTell Me A Bedtime Storyをブルース進行に戻してみましょう。
ね?べたべたでしょ?
ペンタトニックで作ったあなたのメロディにいろんなコードを付ける練習をして見てください。
STANLEY TURRENTINE “SUGAR” 等も同様の手法「ペンタのお洒落リハモ」で出来ています。
是非参考にしてください。
という感じでブルースをお洒落にリハモしてみよう〜のコーナー!
ブルース進行はⅠ Ⅳ Ⅴが基本ですが、別にメロディの邪魔さえしなければ何をつけても良いのです。
バグス・グルーブ風ブルース(Am penta tonic)基本進行
リハモ・ヴァージョン!(R&B風)
先ほどのTell Me A Bedtime Storyはどんなリハモをしてるのか?匠の技をアナライズしてみてください〜(楽譜はクラス内で提示)
Herbie Hancockはピアニストとしての特権をフルに活用した和声的なアウト・サウンドが魅力ですが、実にPopなセンスも持ち合わせているミュージシャンです。
ブルーノート時代には伴奏者としても大活躍でしたが、CTIレーベルでのポップ&変態サウンドは今聴いてもたまりませんよ。
サービスで乗っけておきますね〜
ショーターのブルース
Wayne Shorterは今回のコンテンポラリー入門のメインゲストです。
この人は変態を地で行くホンマモンのヤバい人です。(言い切ってしまいました)
彼のサウンドが後のフュージョン~コンテンポラリーに与えた影響は半端ないと思います。
彼がJoe Zawinulと共に結成したWether Reportが無かったら、この世に存在しなかった音楽はめちゃたくさんあります。
私も今頃・・・何をしてたかわからないです。
Wayne Shorter代表曲(いっぱいあるけど)を見てみよう!(楽譜はクラス内で提示)
Herbie Hancockとの共通点が見られます。
シンプルなダイアトニック・メロディに対して、ノン・ダイアトニック・コードを配してメロディの性格をよりアウトな(ハイブリッド)な物に変えています。
メロディの構成音はダイアトニックペンタトニックに9thを加えた物
Wayne Shorterのノン・ダイアトニック・コードのリハモ(なるべくメロディがテンションになる様に配置)
おもしろいコード付けるでしょ?
Wayne Shorterさんはとてつもなくユニークなミュージシャン(作曲家)で、彼のオリジナル作品はモダンジャズやコンテンポラリーという範疇を超えて、もはや「ウエインズ・ワールド」と言うべきでしょうか?
*難解なコード進行と覚え易いメロディ?
*モチーフがめちゃキャッチー
*和声の制約から解き放たれた自由なインプロビゼイション・・・
と思いきや、めちゃ理論的な裏付けと几帳面な音使い。
*絶対真似出来ないリズム感!?
*エレクトリックと何故か相性の良い音色・・・?
*書いてあるのか即興なのかわからないアレンジ
*コードネームが付けられないコード(マイルスコードとの共通点)
*良い曲だらけ
Infant Eyes
Virgo
Witch Hunt
Children of the Night
E.S.P.
Footprints
Juju
Mahjong
Nefertiti
Night Dreamer
Speak No Evil
Witch Hunt
Yes and No
Miyako
Wild Flower
Adam's Apple
Fee-Fi-Fo-Fum
Night Dreamer
Black Nile
Children of the Night
This Is for Albert
El Gaucho
・・・・・
(楽譜はクラス内で提示)
謎に包まれたWayne Shorterの参考作品はこちら・・・
と、いうわけで、今回はコンテンポラリー入門として
Miles Davis
Herbie Hancock
Wayne Shorter
レジェンド達の匠の技をのぞいてみました。
See You~
前回のHow To Composeで話せなかった、シンメトリック・オーギュメント・スケールの説明をします。
音程が等しく並んでいるスケールをシンメトリック・スケールと言います。
音楽を聴く時、メロディに使われている音程なんて気にしていませんが、音程こそが音楽のキャラクターを作っていると言っても過言ではありません。
音程間隔がいびつに並んでるメロディと均等な物とは印象が違うのです。
それを作曲やアドリブや作編曲に利用して、この世の数多のサウンドは出来ています。
もし貴方が「あれ?」っと思うサウンドがあれば音程を調べて見れば「あれ?」の原因が見つかるかもしれません。
音程が等しく並んでいるメリット?
ディミニッシュやホールトーン等、音程が等しく並んでいるスケールはパターンが作りやすい(特にギター、ヴァイオリンなどの弦楽器)のですが、その理由として、ホリゾンタル(横方向)に移動するだけでシーケンス(繰り返し)が出来てしまうという楽器の特典?からなるものです。
ピアノやサックスは難しいフレーズでもキーを変えると弾きやすくなる事があります。その代わり簡単なフレーズのキーを変えると難しい運指になってしまう事もあります(移調が難しいという事)
それに対して、弦楽器は弾けない物はキーを変えても弾きにくいですが、弾けるフレーズはキーを変えて同じ運指で移動できてしまいます。
シンメトリック・スケールはそういう弦楽器の利点を生かす事が出来るスケールと言えるでしょう。
シンメトリック・スケールの構造
サイクルオブ5th(4th)の表を使うとシンメトリックの特徴がよくわかります。
12個の音を均等に割ると2.3.4.6.と言う数字になります。
オクターブを2で割る(+4)トライ・トーン
オクターブを3で割るオーギュメント・トライアド
オクターブを4で割るディミニッシュ7th
オクターブを6で割るホール・トーン・スケール
シンメトリック・オーギュメント・スケールを図でみるとこうなります。
C+トライアドとB+トライアド
3+3=6音スケールです
シンメトリック・オーギュメントは次の様に見ると解り易くなります。
譜例1)Cシンメトリック・オーギュメントをBから並べてみる
B+がC+の為のアプローチノートになっています。
この要素を利用するとシークエンス・パターンを作りやすくなるのです。
スケール内の音程は次の様になっています。
譜例2)音程が均一(-2,-3)
シンメトリック・オーギュメント・スケールはヘキサトニック・スケールでもあります。
ヘキサ(6音)トニック・スケールは2つのトライアド(3音)を並べる事によって作られます。
譜例3)C+とB+、2つのトライアドを足したヘキサトニック・スケール
シンメトリック・オーギュメント・スケールの中には3つのメジャー・トライアドがあります。
そしてこれは3トニックの関係にあります。
譜例4)
シンメトリック・オーギュメント・スケールの中には3つのマイナー・トライアドがあります。
そしてこれは3トニックの関係にあります。
譜例5)
Giant Steps(John Coltrane)は3つのトニックを持つマルチ・トニックの曲です。
C A♭E(原曲はB G E♭)のトライアドにドミナント7thコードを付けた循環コードに対してシンメトリック・オーギュメント・スケールをアプライする事が出来ます。
譜例6)シンメトリック・オーギュメント・スケールを使った3トニックエキササイズ
その他スケール内のダイアトニック・コードを利用した様々なエキササイズを創る事が出来ます。
譜例7)シンメトリック・オーギュメント・スケールを使ったダイアトニック・トライアド・エキササイズ
譜例8)シンメトリック・オーギュメント・スケールを使ったダイアトニック・7thコード・エキササイズ
Cオーギュメント・スケールは次の様なコード進行の上で機能します。
||: C+ B+ :||
||: B+ C+ :||
||: C A♭E :||
||: C E A♭ :||
||: CM7 A♭M7 EM7 :||
||: CM7 EM7 A♭M7 :||
||: CM7(#5) A♭M7(#5) EM7(#5) :||
||: CM7(#5) EM7(#5) A♭M7(#5) :||
||: Cm A♭m Em :||
||: Cm Em A♭m :||
||: CmM7 A♭mM7 EmM7 :||
||: CmM7 EmM7 A♭mM7 :||
実際にいろんなシークエンス・パターンを創って、シンメトリック・オーギュメントのキャラクターを味わって見てください。(上記のコード進行を伴奏に使ってみてください)
譜例9)シンメトリック・オーギュメント・スケールを使ったシークエンス・パターン1
譜例10)シンメトリック・オーギュメント・スケールを使ったシークエンス・パターン2
譜例11)シンメトリック・オーギュメント・スケールを使ったシークエンス・パターン3
譜例12)シンメトリック・オーギュメント・スケールを使ったシークエンス・パターン4
譜例13)シンメトリック・オーギュメント・スケールを使ったシークエンス・パターン5
譜例14)シンメトリック・オーギュメント・スケールを使ったシークエンス・パターン6
譜例15)シンメトリック・オーギュメント・スケールを使ったシークエンス・パターン7
譜例16)シンメトリック・オーギュメント・スケールを使ったシークエンス・パターン8
このブログは洗足音楽大学の授業How to Composeの予習復習用に書いております。履修学生の方に特化した内容ですので、御理解の上お楽しみください。
リベラル・アーツという言葉をご存知ですか?
リベラル・アーツとは・・・
「人が持つ必要がある技芸(実践的な知識・学問)の基本」と見なされた自由七科のことである。
だそうです。
ギリシャとか、ローマとか、プラトンとか?なんかその辺の頃から西洋の方々がやってた、お勉強だそうで7科目もあるそうです。
言語系3学トリウィウム(文法・論理・修辞)
数学系4学クワドリウィウム(算術・幾何・天文・音楽)
だ、そうです。
音楽は数学の仲間なんです。
たしかに、作曲法は数学と似ているとこがあります。
対位法を勉強するときは、は鍵盤押さえてるよりゆびで数えてた時間の方が長かったかもしれません。
作者が数学を意識して作ろうが作ろまいが、数の支配を受けている音楽が、楽しくなったり悲しくなったり・・・人の感情を動かすのは不思議な事です。
以前にもお話しましたが、数を使って作曲するのは、そんなに珍しい話でもないし難しい事でもありません。
むしろ、ハードルを下げる為に、使っていただきたい手法の数々ですが・・・
今回は前期のHow To Improviseでお話ししました、シンメトリックの理屈を使ってできる、コード進行の作り方を、お話しします。
ジャズ界の1のでかい足? John Coltraneさんの大好きだったマルチ・トニック・システム
マルチ・トニック・システムとは、John Coltraneの有名曲「Giant Steps」のコード進行で使われている手法で、一つの曲の中に複数のトニックを使う作曲法です。
と、ここで先ほどのリベラル・アーツ=数学、が登場〜
西洋音楽は12の調・・・ですがほんとは、(調は全部で30あります)
それを表した物が下記の表です。
Cycle of 5th(4th)
#方向に5度ずつ、
♭方向に4度ずつ
調が変わっていく表です。
この表は楽典として皆さんは触れると思います、が、じつはこの表(システム)を利用して音楽を作っている方はたくさんいらっしゃいます。
Thelonious Monk
Bud Powell
Oliver Nelson
Oz Noy
等の楽曲を参考にして下さい。
Thelonious Monk(1917年10月10日 - 1982年2月17日)
ユニーク度合いが半端じゃない彼の作品は、ロジカルな部分が前面に出てこないのですが(そこがすごい)非常にストイックな理論派なんです。
解釈が曖昧な進行やメロディが全く無い、完全無血楽曲ばかりのモンクですが、彼の4度進行の使い方にはユニークな特徴があります。
このコード進行はリズムチェンジと呼ばれている進行です。アイ・ガット・リズムがネタもとですが、
モンクの手にかかるとこうなります(楽譜はクラス内で提示)
"Humph" by.Thelonious Monk
F#からスタートしてトニックまで4度進行で直滑降です。
アイ・ガット・リズムのサビも4度進行ですね・・・
その他4度進行利用した曲は(楽譜はクラス内で提示)
"Skippy" by.Thelonious Monk
"Bemsha Swing"by.Thelonious Monk
"Bright Mississippi"(Sweet Georgea Brown) by.Thelonious Monk
"Jordu" by.Duke Jordan
"Yesterdays"Jrome Kern
7thコードが4度進行でどんどんつながっていく進行はエクステンディッド・ドミナント(Extended Dominant)という言い方でジャズ・ハーモニーの中で登場します。
以後お見知り置きのほど・・・
"patterns for jazz"等の本にもたくさんのExampleが載っていて楽しい?練習法ですので、自分でも作ってみてください。
ここまでは4度進行Cycle of 4thのお話でした。
はい、ここからマルチ・トニックに突入〜
マルチ・トニックとは複数のトニックを使って
作曲(主にコード進行を作る)法です。
複数のトニックを使う時にはそのトニック通しがCycle of 4thの表の中で均等な音程関係にある物を選ぶのが、基本的なやり方です。
先ずは2トニック
対角線上のCとG♭は-5th(+4th)ですので、均等(シンメトリック)な関係です。
従って互いの持っている機能的なコード(Fanctional Chord)を使っていろんな進行を作る事が出来ます。
トニック同士
||: C G♭ :||
ドミナント導入
||: C D♭7 | G♭ G7 :||
リレイテッド2マイナー導入
||: C | A♭m7 D♭7 | G♭ |Dm7G7 :||
セカンダリー・ドミナント、サブ5その他・・・
||: C E♭7| A♭m7 D♭7 | G♭ A7 |Dm7G7 :||
||: C A7 | A♭m7 D♭7 | G♭ E♭7 |Dm7G7 :||
||: C F7 |Em7 A7 |A♭m7 D♭7 | G♭ B7 |B♭m7 E♭7 |Dm7G7 :||
||: C B7 |Em7 E♭7 |A♭m7 D♭7 | G♭ F7 |B♭m7 A7 |Dm7G7 :||
etc……
という具合に、Fanctional Chord達を駆使して+5thの関係にある互いのキーを行き来します。
例えば・・・
||: CMaj7 F#m7(♭5) B7 |Em7 Bbm7 E♭7 | Dm7 G7|A♭m7 D♭7 |
|G♭Maj7 Cm7(♭5) F7 |B♭m7 Em7 A7 | A♭m7 D♭7| Dm7 G7 :||
この進行を基にメロディを付けてみると・・・
ここまで、の説明でおそらく「ん?要するに転調してるんでしょ?」っと思われた方もいると思いますが、マルチ・トニックの旨味?は通常の転調(バラードのサビに違うキーに行く)とは違い、めまぐるしくキーを行き来するということと、どのキーも同等に扱うということが特徴です。
と、言う事は一定のサイクルでコードが戻って来る循環コード進行の作り方?とも言えるでしょう。
代表的なマルチトニック進行は、
2トニック
3トニック
4トニック
があります。
6トニックもシンメトリックな音程で調が並びますが、その様な曲はあまり見た事がありません。
それではいよいよ
3トニックを紹介します。
C→A♭→EはそれぞれM3rdずつの均等な音程関係にあります。
3つのトニックそれぞれが持っている機能的なコード(Fanctional Chord)を使っていろんな進行を作る事が出来ます。
トニック同士
||: C | E |A♭ :||
トニック同士
||: C | A♭ |E :||
ドミナント導入
||: C B7 | E E♭7 | A♭ G7:||
ドミナント導入
Coltrane change!(Giant Steps)
||: C E♭7 | A♭ B7 | E G7:||
リレイテッド2マイナー導入
||: C |F#m7 B7 | E |B♭m7 E♭7 | A♭ |Dm7 G7 :||
リレイテッド2マイナー導入
||: C |B♭m7 E♭7 | A♭ | F#m7 B7 | E |Dm7 G7 :||
サブ5&リレイテッド2マイナー導入
||: C |Cm7 F7 | E |Em7 A7 | A♭ |A♭m7 D♭7 :||
||: C F7 |Em7 A7 | A♭D♭7 |Cm7 F7 | E A7 |A♭m7 D♭7 :||
etc……
例えばこんな風に作曲出来ます・・・(弾いてみてください)
作曲はもちろん、アドリブにも応用できます。
ここでコルトレーン・チェンジの説明を少し詳しく致します
コルトレーン・チェンジとは3トニックを使ってできる様々なコード進行の中で、特にJohn Coltraneが好んで使用した、3小節で循環するコード進行の事です。
俗に言う循環コードというのは必ず元(のコード)に戻る進行です。
例えばC A7 Dm7 G7(1.6.2.5)は循環コード進行です。
John Coltraneはこの循環する進行を使用して「アウト」なサウンドを作り出す事に成功しました。
例えばCからスタートする3トニック進行は
必ずCに戻りますが、A♭,Eのコードを通過している間はCのキーから外れ(アウト)てしまいます。
アウトしている間は非常に不安定なサウンドになりますがまた Cに戻って来た時に「あぁ〜良かった〜」と、なって快感を得る・・・
という至って変態的な行為をジャズ・ミュージシャン達は夜な夜なやっているのであります。
(なんていやらしい〜)
更に・・・
John Coltraneという人物は
このアウトサウンドを、普通の、一般の、進行を持つ、スタンダードナンバーに適応し、美しいサウンドをあえて破壊する行為に及んでいたのでありま〜〜〜す!
下記の曲達は破壊行為の被害者達です・・・
()内はColtrane のタイトル
“Summertime”
“But Not For Me”
“Body And Soul”
“Fifth House”
“How High The Moon”(Satellite)
“Tune Up”(Countdown)
“Confirmation”(26-2)
“Giant Steps”(これはオリジナルですが…)
2-5-1に対するコルトレーン・チェンジのリハモは次の通りです
このサウンドは慣れない人が聞くと、相当な違和感があると思います、が、これにはまると抜け出せないのですね〜
この手法、そしてサウンドが多数のフォロワーを生み出し、この後のジャズのサウンドが圧倒的に変化していく事になります。
故にジャズはどんどんマニアの音楽になっていった・・・のであーる!
それでは最後に4トニックです
4トニックはm3rdの均等音程で出来ています。
隣同士と対角線で事実上2つの音程(m3rd & +4)を使用できますので、並べ方のヴァリエーションがたくさん出来ます。
並べ方色々・・・
トニック同士
||: C |E♭ | A | G♭ :||
||: C |E♭ | G♭ | A :||
||: C |A | G♭ | E♭ :||
||: C | A | E♭| G♭ :||
||: C | G♭ |A | E♭ :||
||: C | G♭ | E♭ |A :||
(同じ並びでスタートのコードを変える事ももちろん出来ます)
ドミナント導入
||: C B♭7|E♭E7 | A D♭7 | G♭G7 :||
||: C B♭7|E♭ D♭7 | G♭E7 | A G7:||
||: C E7|A D♭7 | G♭B♭7 | E♭G7 :||
||: C E7| A B♭7| E♭D♭7 |G♭G7 :||
||: C D♭7 |G♭E7 |A B♭7 | E♭G7 :||
||: C D♭7 |G♭B♭7 | E♭E7 |A G7 :||
その他諸々
||: C Fm7 B♭7|E♭Bm7 E7 | A A♭m7 D♭7 | G♭Dm7 G7 :||
||: C Fm7 B♭7|E♭ A♭m7 D♭7 | G♭Bm7 E7 | A Dm7 G7:||
||: C Bm7 E7|A A♭m7 D♭7 |G♭ Fm7 B♭7 |E♭ Dm7 G7 :||
||: C Bm7 E7|A Fm7 B♭7|E♭ A♭m7 D♭7 |G♭ Dm7 G7 :||
||: C A♭m7 D♭7 |G♭ Bm7 E7 |A Fm7 B♭7 |E♭ Dm7 G7 :||
||: C A♭m7 D♭7 |G♭ Fm7 B♭7 |E♭ Bm7 E7 |A Dm7 G7 :||
etc….
例えばこんな風に作曲出来ます・・・(弾いてみてください)
はい!
それでは
マルチトニックシステムを使っている曲を最後に紹介して終わりますね。(クラス内で視聴します)
2トニックといえばこれ〜
Ladies In Mercedes by Steve Swallow
3トニックといえばこれ〜
Giant Steps by John Coltrane
Satellite by John Coltrane
26-2 by John Coltrane
Fifth House by John Coltrane
と言う訳で、私の本の宣伝ですが、今年出た最新の無窮動トレーニング〜コンテンポラリー・アプローチ、には、3トニックシステムの練習曲が沢山載っています。
もし変態の道にはまりたい方は是非お求めくださいませ。
それではミュージシャンのみなさん、冷えは万病の基!腱鞘炎と風邪にはくれぐれも気をつけて、お過ごしくださいませ〜
ジャーニー
このブログは洗足音楽大学の授業How to Composeの予習復習用に書いております。履修学生の方に特化した内容ですので、御理解の上お楽しみください。
今までこの授業は、
AABA
ABAC
と、形式を中心にお話をしました。
そして
メロディにコードを付ける
コードにメロディを付ける
というお話もしました。
それから
モチーフ、小楽節、大楽節というお話もしました・・・
どうでしょう?
なんとなく作曲について、
ぼんや〜〜りとでも見えてきましたか?
後半戦、残り4回は
自由曲の課題に向かって、コンテンポラリー・サウンドのお話も混ぜながら、
作曲のきっかけを掴む為のいろんなお話をしていきたいと思います。
今回は素晴らしいバラード曲「愚かなり我が心」My Foolish Heartを使って
「モチーフとは何か」について勉強してみましょう。
作曲者のヴィクター・ヤング
(Victor Young, 1899年8月8日 - 1956年11月10日)はみんな大好き!Stella by Starlight の作曲者です。
その他、多数の名曲を生み出して、なんと、アカデミー賞に22回ノミネートされたのに、一回も受賞することはできず、死後に『八十日間世界一周』(1956年)でアカデミー作曲賞を受賞した、という経歴?をお持ちの方です・・・
下記の2つの音階パターンは
My Foolish Heartのメロディの素になったパターンです。
は?
なんのこっちゃ〜???
・・・ですよね?
メロディの素になった とは、どういう意味でしょうか?
もう一度詳しく見てみましょう
お分かりですか?
ダイアトニックのアルペジオ・パターン(赤線内)がこの曲のメロディの素になっています。
それ以外の音は装飾音符です。
後半(B)も見てみましょう。
Bセクションは音階パターンに装飾音符が多数含まれていますが、メロディの素のパターンを中心にメロディがつくられています。
このように、メロディが持つリズムや装飾音符等の音楽的要素を排して、音程によるパターンを抽出した物が「メロディの素」です。
言い換えればメロディの中に存在する法則の事です。
作曲者が意図してそれを作曲してるかどうかケースバイケースですが、メロディの特徴を裏付ける物として、ある種の法則が存在している事は確かです。
余談ですが、私はこのメロディの素を学生の頃 ギターの運指を覚える為に利用 していました。
いろんな曲のメロディを覚える時にまずは音の場所をフレット(ギター指板)の上で確認するのですね。その時に弾き易い場所や覚え易い形を工夫するのですが、それをやっているうちに メロディが持つ音程の法則 のような物があるな…と。
ピアノと違い複数の場所に同じ音が点在するギターは、いい加減な運指でメロディを練習するとすぐに忘れてしまう、というジレンマがあったのです。
例えば、下記の音階パターンは「Autumn Leaves」のメロディの素です
ギターの運指みてみましょう〜〜〜
⃞
同一弦(123弦)で弾ける一定の法則が出来上がります。
そして、覚え易くなります。
メロディを覚える為にフレット・ボード上に視覚的な法則を探しているうちにこれを使って作曲もやってみよう!という事で、メロディの素を探すようになりました。
例えばこの曲・・・
弾けばわかりますが、これは
・・・(Fly Me To The Moon)です。
なんじゃこの味気なさは・・・
しかし覚え易い・・・
例えばこの曲なにかわかりますか?
ちょっと考えてください。
(Blue Bossa)です。
スケールが順番に下がっているだけです。
これにリズムとコードが付いたら、あら不思議・・・
かっちょいい〜〜〜
そうです、メロディは以外とシンプルなメロディの素(法則)で出来ているのです。
Satin Dall
The Girl From Ipanema
⃞
Someday My Prince Will Come
All The Thigs You Are
Bewitched
But Beautifl
How High The Moon
Frank Loesserの有名なスタンダードナンバーであるこの曲は、明らかに作者の意図を感じます。
メロディの素(法則)を使って作曲しています。
I’ve Never Been In Love Before
ここまでのお話を聞いて、お利口さんの皆さんは、「あ、なるほど、それじゃあメロディの素をパクって自分のオリジナルを作れるかもしれない!」
と思うでしょ?
それでいいのだ〜
と、言うわけで、
メロディの素をパクってオリジナルを創ってみよう〜〜〜
の、コーナ〜〜〜
使う曲はこちら・・・
“Litha”
by.Chick Corea
(リードシートはクラス内で提示)
「びっくらこいた〜!(方言)」
「いきなり曲のレベル上がってません?」
いやいや皆さん、今回は11回目の授業、もうぼちぼち、コンテンポラリーものぞきたくなる頃じゃありませんか?
フライミーなんとかや、オールオブなんとかはもう飽きたでしょう?(暴言すいません!)
コンテンポラリー・ジャズとは!
インターバル、モード、アッパー・ストラクチャー、ペンタトニックのユニークな使用法やシンメトリックなサウンド、その他、リディアン・クロマチックなんとか?やネガティブなんとか?等、聞くだけでちびまる子ちゃんの縦線が入るような言葉が入り乱れております。
が、そんなことはさておき、とりあえずやってみよう〜精神を持って、少し不思議なサウンドに首を突っ込んでみましょうよ・・・
チック・コリアという方はインターバルやスケールの特性を生かした曲作りでとてもロジック(理論的)な作品が多い方です。
もう一方では、ラテンのリズムと哀愁のメロディを取り入れたポップな感覚が素晴らしいジャズ界の大大ヒット・メーカーです。
チックの作品はとても勉強になる物が多く私もかつてはお勉強させていただきました。
チックコリアのLithaは1968年発表のアルバムTones for Joan's Bonesに収録された曲です。
参加ミュージシャンは
チック・コリア - ピアノ
ウディ・ショウ - トランペット
ジョー・ファレル - テナー・サクソフォーン、フルート
スティーヴ・スワロウ - ダブル・ベース
ジョー・チェンバース - ドラムス
です。
せっかくですからこの曲のメロディの素(法則)を使ってオリジナル曲を作ってみましょう。
Lithaのメロディの素を探そう〜
このメロディの中に音階、音程、何らかの法則はあるでしょうか?
しばらくじーっと見つめてメロディの素を探してください
音程を書き出してみよう
ん?よく見たら、同じ音程の並びを持った6つの音の固まりになってるぞ!
ワトソン君・・・
lithaで使われている音程法則・・・
「ホームズ!メロディの素が見つかりました!これでモチーフを作りましょう〜」
「よし!わかった!作るズら〜〜〜」
6つの音(メロディの素)を使ってモチーフを作り、小楽節(4小節)を作ってみた…
これを素に大楽節(8小節)を作りましょう。
AもBも同じ音程を持った6つの音です。
メロディの素の音程が保持されていますね。
続いて別のセクションサビを作ってみましょう
サビは5拍子にしてみました。
と、言う具合にリズムでモチーフを展開していきます。使う音はメロディの素をそのまま使っていますので、リズミック・ヴァリエーションを考えるだけでいいのです。
メロディ出来ました〜メロディの素は完璧に保持しています。
音程をチェックしてみてください
コードを付けて完成です。(タイトルもつけてみました)弾いてみましょう〜
はい!
ここまでのお話はいかがですか?
ちょいとばかり難しい?
いやいや、やっている事は今までと同じ・・・
モチーフを作って発展させるだけです。
違いはモチーフに使う音が最初から決まっていると言う事です。
チック・コリア等のコンテンポラリーな作家だけではなく、リチャード・ロジャースやジェロームカーン等のスタンダードな作家さん達もメロディの素と言える音程法則が存在する曲があります。
今回のメロディの素のお話は、シェーン・ベルクの12音技法と呼ばれる作曲法のヴァリエーションとも言える物です。
セリエル音楽またはセリー音楽と言われています。
12音全部使ってメロディの素を作ったらあとはその音を順番に好きな方法(リズムを加える、和音にする、対位法にする等・・・)で作曲するのです。
聞いてる人には関係のない事ですが、一貫した法則が曲の裏に密かに流れているのが(作者的には)味噌なのです。
特にビル・エバンス(ピアノ)は法則大好き人間で、彼の作品の殆ど?は曲の中に隠しコマンドの様に法則が存在します。
みなさんも自分で探してみてくださいね。
ここからは、発展形
メロディの素も自分で作っちゃえば?のコーナ〜
要するにスケールや音程コードトーン等のパターンを自分で作って、それを使って曲書いチャオ〜
と、いう事です。
パターンなんていくつでも作れますよね!
こんなのも作れます(ノンダイアトニック)
M3-m2
p4-M2
p4-m3
例えばこれをメロディの素にして
曲を考えてみよう・・・
p4 M2の音程にリズムを加える・・・
リズムを使ってモチーフを作ります。
p4 M2の音程は必ずキープしています。
音程をチェックしてみてください。
AとBは同じメロディでコードを変えてサビを作りました。
音源はクラス内で視聴します。
と、言うわけで今回の授業はメロディの素を紹介しました。
モチーフについてはもう一つ「モチーフの作り方」というページがありますのでそちらも参考にしてください。
作曲と言うものは面白いもので、ある意味、秘密事が多い「いやらしい行為」なのです。
作品をたのしんで頂いている皆さんにとっては裏に隠された、秘密の、いやらしい?事はなんの関係もありません。
ただ、気持ちいい〜だけです。
が、しかし、作曲家達は自分だけの秘事をこっそりと曲に忍ばせて「ふむふむ、聴いとる聴いとる〜何も知らんと…いひひひ〜」
と、今日も何処かでほくそ笑んでおるのです…
最後の課題は自由曲です。
どんなフォームでも構いません。
どんなスタイルでも構いません。
ただし、2小節の曲とかはやめてね!
ある程度の常識ある課題をお待ちしております。
ラスト課題の事は又いずれ詳しくお話し致します。
それでは、又ね〜
「モチーフの作り方がわからない・・・」
How To Compose 履修の学生さんからの「悩みの相談」です
非常にダイレクトなGood Questionarigatone!
モチーフとはリズムと音程で出来ているメロディの最小単位のことです。
通常2小節で出来ています。
曲の性格を決定付けるほどにモチーフは重要な要素ですが、モチーフがあなたの作曲を邪魔する時も有るかもしれません。(自分ルールに縛られて動けなくなる中2病・・・)
私がいろんな学生の課題を見ていて目に付く問題は、音程よりもリズムのモチーフの扱い方で迷走しているパターンが以外にも多いということです。
リズムだけでモチーフを作ってみる
楽曲は小さい単位から
モチーフ(2小節)
小楽節(4小節)
大楽節(8小節)
という風に成長していくわけですが、8小節できれば一応曲として成立するので、大楽節をまとめるつもりで先ずは作ればいいと思います。
問題は大楽節(8小節)の中にどうやってモチーフを配置するか?ですが・・・
モチーフが2小節で出来ているというところに注目してみましょう。
これらは有名なスタンダードナンバーのモチーフ(2小節)です。
1小節目と2小節目は違うリズムで出来ています。モチーフとは2つの異なったリズムで出来ている(ほうが望ましい)のです。
2小節を構成するそれぞれの小節はスモール・モチーフ(小動機)と言います。
じつはこれが、今後の展開を作る為にとても大切な要素になります。
例えば、Satin Dallのスモール・モチーフはこんな風に並んでいます。(リズムのみ)
ABC3つの要素です。
Softly~も見てみましょう。
これも3つ(ABC)ですね。
Over the~も見てみましょう。
これも3つ(ABC)です。
他にも似通った構成を持った曲はたくさんあります(探してみよう〜)
3つのキャラを使おう〜
3つのスモール・モチーフは、大楽節(8小節)を作る時に便利な数なのです。
多くのスタンダードナンバーが3つのスモール・モチーフを上手く使って配置されてますので是非自分でもその方向でメロディをアナライズしてみてください。
作曲のアドバイス
*既成曲の3つのスモール・モチーフ(リズム)を使ってオリジナル・メロディを作ってみる。
*既成曲の3つのスモール・モチーフ(リズム)の順番を変えてオリジナルメロディを作ってみる。
*とりあえず自作の3つのスモール・モチーフ(リズム)を作ってみて並べる・・・
ABCの3つのスモール・モチーフを並べるにはいろんな順番がつくれます。
例えばSatin Dallのスモール・モチーフ順番を変えてこんな風にならべてもいいんです。
そして音をあてはめて大楽節の出来上がりです。
モチーフは曲のきっかけです。
ところがきっかけで転けると先になかなか進まなくなってしまいがちですね。
「モチーフをなんとかキープしなきゃ〜先生にしかられる〜」と、中2病もありがちです。
しっかりと手綱を握ってモチーフが勝手な事をしない様に、あなたの手札も用意しなくてはなりません。
その意味ではいろんな方向にモチーフを導けるよう、逃げ道を探しておくのですね。
逃げ道を用意するのは生き抜く為の知恵です(人生的にも・・・)
「逃げるは恥だが役に立つ・・・」
お後がよろしいようで?
みなさ〜〜ん
課題発表、いかがでしたか〜?
このクラスの履修者の皆さんが楽しく作曲ができるきっかけになれば幸いです。
2小節しか、4小節しか、はたまた4.5小節しか出来なかったいままでの自分から、とにかく32小節まではたどり着いつくとこまではできるようになった^_^
そこからがスタートですね。
私達の大先輩、ジェローム何とかさんやコール何とかさんやポール何とかレノンさんも、その道を通って高い高い山に辿り着いたのです。
曲は出来た時が一番うれしいです。
やった〜出来た!ほな寝よ!
…次の日
ん?なんか違うな…
こっちの方がいいかな?
う〜ん、困ったぞ〜
と、なるのも想定内、自分の思う形が出来るまで、何回でもトライ&エラーを繰り返して下さい。
人間は想像(頭の中)を創造(具現化)するのが大好き
このクラスに限らず、作編曲に関する勉強、例えば、ジャズ・ハーモニー、アレンジ、和声法、対位法、等、少しでもかじった人は分かると思いますが「あれはやってはいけない」「これはいい」「それはなるべくやらないほうがいい」とか…いちいちうるせ〜なー…と思いませんか?
実は、曲を作るという事と、作曲の勉強は全く別の物なんです…作曲法を学んだら曲がじゃんじゃん書ける!と思った方には申し訳ありませんが、それは違いますと言わざるを得ません。
作曲法はあくまで道具です。「金槌買ったから家作ろう!」では順番が逆です。作曲法の為に曲を作るのは本末転倒。究極、道具なんて無くても家は作れる訳ですから…勉強しなくても曲は作れるのです。
「じゃあどうすりゃあいいンダヨ〜」
洞窟の中で絵の具も何も無いのに壁画を書いた人はどうやって想像を創造したのか?思いを馳せて下さい。その人達と私達は同じなんです。
やりたい事と、その方法が見つかればそれで良いのです。
バッハにはバッハの
ディランにはディランの
モーツァルトにはモーツァルトの
レノンにはジョンの…
B.Bにはキングの…
あなたにはあなたの…
オリジナルがあるのです。
How to が元々あったから今の世の中があるわけではありません。How to は必ず後追いです。
それに、How to は個人的な物ですし、一人一人が全然違うHow to を持っているのです。
色んな人が発信しているHow to はその一例にしかすぎず、他人のHow to をそのまま再現出来る人はいません。
何回もHow to 言ってすいません…
How to と言う情報
今の世の中は「情報」と言う得体の知れない物で満ち溢れています。
テレビ、新聞、SNS…
人間には想像力があるので、見た事も無い、触った事も無い物でも、それに価値観を見いだしてしまいます。
私達は情報にすこぶる弱い「情報ゴロニャーン星人」なんです。
確かに情報は人間にとって大切でした。
「この川にワニがいる」
と言う情報を知っている人は川に近づかないです。情報を知らない人は食べられます。
情報によって助かった人の子孫である我々は情報ゴロニャン遺伝子を受け継いだのです。
しかし情報ゴロニャンは騙されたり、時間を無駄にしたり、情報を集める事が目的になったり、本末転倒になる危険もあるのです。
またたびを…いや、旅行のパンフレットをいくら見つめても、その場所の事はわかりません。パンフレットを読んでる時間が旅行時間から引かれるだけです。
他人が言ってることをふむふむ・・・と聞いてるだけで創作がどんどん捗るということは考え難いですね。
YouTubeもTwitterもこのブログもただの情報・・・
情報の接種時間があなたの創作時間を奪っているだけなのです。
ぶっちゃけ、やった方が早い!
セッションやっちゃう、作曲しちゃう、バンドやっちゃう、打ち込みしちゃう、録音しちゃう、YouTube/Instagram に上げちゃう!!!!!
数打って、当たらなくても、情報集めよりはるかに意義のある時間です(すくなくとも練習になってます)
頭の中にあるものをどんどん形にしましょう〜!作るとスッキリします!
音楽の実態
結局、あなたの邪魔をしてるのは余計な情報と言う事なんですが・・・
それでも意味のある?「情報」が欲しい〜と言う方の為に・・・
わたしが思う大切な情報とは・・・
第一に、あなたが大好きな音楽。
それは他人に何と言われようが、My Favorite Musicというあなただけのジャンルです。
そして、あなたのオリジナル曲はそれらのフィルターを通ったミクスチャーなんです。
こんな曲が書きたい!の「こんな」をしっかり、どっぷり、じっくりと味わって、研究してください。そこにはあなただけの栄養がたっぷりと詰まってます
好きな物を食べるのが一番幸せなんです・・・健康のため・・・なんじゃそれ!!!
そして・・・
もうひとつ意味のある情報があるとしたら
「スタンダード」そして「クラシック」と言われる曲達を聴いて、読譜して、研究してみてください。
「古いものを聞け!と言うおじさんマウント!」と、言わないで、ちょいと聞いてくださいな…
少し寄り道を…
音楽という芸術の歴史を遡った場合・・・
解読可能な音楽は9〜11世紀頃中世のネウマ譜になるそうです。
それ以前の民族音楽やネアンデルタール人の Top40はわかりません。
(紀元前20世紀頃の楽譜らしき断片はあるそうですが・・・)
ネウマ譜
11世紀頃の教会音楽を記録したこの譜面を解読して、再現可能な物として今も演奏されています。
でもね・・・ホンマはどうやったかわからんとです(トホ・・・)
バッハも・・・ホンマはどうやったかわからんとです(トホホ・・・)
それどころかモーツァルトもベートーベンもホンマはどうやったかわからんとです(トホホホホホ・・・)
CD無かったんです(いやレコードもカセットも、iPhoneも・・・)
誰も実物を聴いた事が無いのです。
どんな音だったか、テンポも、タッチも、テクニックも、ホンマはどうやったか、わかりまへん。
「そんなん当たり前や〜ん」
「お前に言われんでも知ってるわ〜〜」
「だから譜面が残っとんねん!」
「本人の直筆も残っとるぞ〜〜〜」
J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第1番第1楽章の「自筆譜」
はいはい・・・
そのとおり、でもね、音は残ってないでしょ?
音楽の実態は「音」です…よね?
それと比べて美術はどうでしょう?
「・・・」
メソポタミア文明、シュメール文明等、我々は紀元前3500年前の作品を実物で見る事が出来ます。
それどころか、2万年前のクロマニヨン人の「誰か」が描いた絵もそのまま見る事が出来ます。
ラスコー壁画
何が言いたいか判りますか?
羨ましいんです、美術家が・・・
美術を学ぶ人たちはヒエロニムス・ボス(1450~1516)が描いた実物を今もプラド美術館で見る事が出来ます。ダ・ヴィンチ(1452~1519)もミケランジェロ(1475~1564)もブリューゲル(1525~1569)もルーベンス(1577~1640)もフェルメール(1632~1675)も・・・実物から情報を得て、研究できるのです。
それに対して音楽を学ぶ人たちは、どっかのおっさん(失礼)が弾いたバッハやスカルラッティを聴いて、その作品を知るしかなかったのです。(バッハ本人のやつ聴いてみたかった…)
我ら音楽家が音を残せる様になるのは、1887年のエジソンおじさんまで待たなくてはなりません(トホホ・・・)
直筆譜→印刷譜→どっかのおっさん→実演(コンサート等)
すなわち、トリプル間接キッスです(嫌やわ〜!)
音楽の情報はかなりの不純物?(解釈)が混じって伝わって来たのです。一人一人の手を渡ってるうちに、オリジナルがどうだったかはもはや解りません。
(グレン・グールドなんかはかなり特殊なおっさんだと思います)
だから音楽の先生は、人によって全然違う事を言うのです。
しょうがないのです!
即ち音楽は全てその人の解釈で出来ているのです
風雪に耐える芸術
現在、インターネット(YouTube)がある世の中に生きている我々は、楽譜だけが伝達方法だった頃と全く違う状況で音楽に接しているのがお分かりだと思います。
音楽(特に西洋音楽)は人間が残した文化の中で、かなり特殊な物の一つです。
記録媒体(楽譜)を再現装置(人)によってやっとこさ、人々に伝える事が出来る、と言うめんどくさい芸術なんです。しかも再現装置達は長年かかって再現能力を訓練しなくてはならない。おまけに再現装置によって違う?って言う…
よくまぁ根気よく続けて来たもんですわ〜
よっぽど、人々が望んだ物が残ってきたのでは?…と思いませんか?
「どっかのおっさっんでもイイ〜」
「聴きたいのだ〜」
「それでいいのだ〜」
と、いうわけで「古典」なんです。
これは音楽に限ったことではありません。
哲学者ショーペン・ハウエルの「読書について」と言う本に「古典から学べ」と言うお言葉があります。彼の言う古典とはギリシャ哲学の事です。ソクラテスなんて紀元前300年頃の人ですから、イエス・キリストよりも前の書物が、今も読み継がれているのですね…
もしバッハやモーツァルトやベートーベンの作品にになんのパワーも無ければ、誰が苦労してやると思いますか?
故に「古典」は意味の有る情報なのです。
もし何をやったら良いかわからない〜なんて言う現象に見舞われたとき、一度騙されたと思って風雪に耐えて来た作品をマジで聴いてみてください。
クラシック音楽の歴史は・・・中世、ルネッサンス、バロック、古典、ロマン、印象、近現代・・・等いろんなジャンル?又は時代にまとめられていますが、クラシックの本当の意味は「古典」ですから、その頃がホンマのクラシックか?といえばそうではありません。
なにから聴いていいからわからないという人は、とりあえずロマン派と言われている作曲家の誰か?を押してみればいいのでは?と思います(クラス内でもう少し詳しく話します)
ポピュラー(大衆音楽)界では古典の事を「スタンダード」と言います。
スタンダード・ナンバーの殆どは1920〜50年頃のミュージカルや映画の挿入歌です。
ロマン派、印象派の和声はスタンダード曲に受け継がれていきます。
録音物は残っていますので聞けます(ご安心を)
スタンダードを知りたかったらとりあえずこれを見ろ!!!
それらの作品は数多のミュージシャンの手によってカヴァーされてきました。
一体どのくらいのカヴァーがあるのか?検討もつきません。
古典落語もカヴァー?がたくさんあります(だから古典なのです)演者に寄って様々な解釈があって色々楽しめますよね。
作曲の勉強をする為の「良質な情報」があるとしたら、それらの風雪に耐えた大衆音楽(スタンダード)風雪に耐えた芸術音楽(クラシック)の、「風雪に耐え具合?」を研究するのも、How to のひとつです。
とにかく先ずは触れるとこから始めてください。
あなたに与えられた時間を意味のある物に使えれば、人生の残り時間も、いろんな味わいがあるかもしれませんよ…?
少し長くなりましたが、今回は音楽を勉強する方達への私が思うアドバイスをさせていただきました・・・
古典に触れる機会が少なくなると物事の表面しか見れなくなりがちです。それは今の世の中を見ればよくわかるのでは?
「インフォ禍」に惑わされないように・・・
心健やかにお過ごしください。
スタンダードナンバーを残してくれた作家達
George Gershwin
1898年9月26日 - 1937年7月11日
Jerome Kern
1885年1月27日 - 1945年11月11日
Irving Berlin
1888年5月11日 - 1989年9月22日
Richard Rodgers
1902年6月28日 - 1979年12月30日
Harold Arlen
1905年2月15日 - 1986年4月23日
Cole Porter
1891年6月9日 - 1964年10月15日
Jimmy Van Heusen
1913年1月26日 - 1990年2月6日
Sigmund Romberg
1887年7月29日 - 1951年11月9日
Kurt Weill
1900年3月2日 - 1950年4月3日
Jule Styne
1905年12月31日 - 1994年9月20日
Sammy Fain
1902年6月17日 - 1989年12月6日
Frank Loesser
1910年6月29日 - 1969年7月28
Arthur Schwartz
1900年11月25日~1984年9月3日
Vernon Duke
1903年10月10日 - 1969年1月16日
Victor Young
1899年8月8日 - 1956年11月10日
Henry Mancini
1924年4月16日 - 1994年6月14日
Burt Bacharach
1928年5月12日
Michel Legrand
1932年2月24日 - 2019年1月26日
Ennio Morricone
1928年11月10日 - 2020年7月6日
Duke Ellington
1899年4月29日 - 1974年5月24日
Billy Strayhorn
1915年11月29日 - 1967年5月31日
Glenn Miller
1904年3月1日 - 1944年12月15日?
Thelonious Monk
1917年10月10日 - 1982年2月17日
etc...
私の本もよろしく〜
このブログは洗足音楽大学の授業How to Composeの予習復習用に書いております。履修学生の方に特化した話題が主な内容ですので、御理解の上お楽しみください。
11/18 月曜日 は課題発表です。
提出はPDF楽譜、音源はmp3でお願い致します。
今回は
ABAC形式の説明
作曲アイデア
実際例
課題の説明
のお話をしたいと思います。
ABAC形式の説明
ABAC形式はAABAと違う点があります。
譜例1
譜例2
大楽節が1つ多いですね・・・
各大楽節も、終止の部分で違いが見られます。
例えばAABAのこの曲
譜例3I Got Rhythm George Gershwin
各楽節が独立した形になっています。別の大楽節が2つ(AとB)といったかんじですね。
それに対してみなさんご存知ABACのこの曲
譜例4
この曲はモチーフ的にもAとBはリズムに共通点があります。
AとBは継続した1つの楽節といった感じです。
それに対してCはAともBとも似てない、新しいモチーフで出来ています。
典型的なABACフォームです。
ABACは、ジャズの即興演奏において頻繁に使用される形式です。
演奏者は8小節を感じながら演奏しているので完結した8小節が繰り返されるAABAよりも複雑なABACは、ぼーっとしてると、ロスト(どこやってるかわからない)してしまいます。
ジャズの即興演奏はコード進行を追っかけてるだけではなく、楽曲の形式にも影響を受けて進んでいるので、ABとACをしっかりと捉え無くては輪郭がぼやけたソロになりがちです。
ABACは複雑が故に「ドラマチック」ともいえますので、世にある名作たちをお手本に、作曲の案を練ってくださいね。
ABACのアドバイスですが、AからBに行く時、完全終始にならないようにすると、スムーズにABAまで作れます。最後のCセクションのコツさえわかれば以外とすんなり作れると思います。
AABAは8小節ずつ区切りがあるというイメージに対して、
ABACはず〜っと続く曲・・・というイメージです。
図で見るとわかりますが、最後のCがクライマックスです。1番盛り上がると言うか、メロディの1番高い音が出てくると言うか…先程のAll of meもそうですが、ヘンリーマンシーニの酒バラ=The day of wine and roses は典型的なハイポイントの例です。
ハイポイント=1番の盛り上がり
既成の曲を研究してそれらの構造的な要素を「パクる」というのが勉強になると思います。
(クラス内では実際のABAC形式のスタンダード・ナンバーをいくつか紹介します)
作曲のアイデア
モチーフについてもう一度吟味しましょう〜
モチーフは曲を作る為に大変重要な要素です。
言い換えれば曲に聞こえるようにする為にモチーフがある、ともいえるでしょう。
モチーフの二大要素は「リズム」と「音程」です。
譜例5
たった2つの音(短3度)が動き出したら止まらない〜。
ものの見事にクライマックスまで走り続けます。
あなたが作った小さなモチーフ、それをじーっと見つめてください。
どうですか?動き出しましたか?
次の展開が、見えて来ましたか?
モチーフの持つ「個性=リズム&音程」を如何に使って物語を作るか?
ワクワクがドキドキするでしょう〜〜?
実際例その1
それではコード進行を基にどうやってモチーフを創るか?
先ずは卵(ターゲット・ノート)を用意します
(各コードに対して1音選ぶだけ)
譜例7
コード進行のルートモーションは6度4度で動きます。
2度進行(CMaj7 Dm7 Em7 〜)にセカンダリー・ドミナントを加えたもの、とも言えますね。
あなた自身の解釈でコード進行を用意してください。
この卵(譜例7)を使ってまずはモチーフを作りましょう〜〜
一つだけではなく複数創りましょう。
譜例8
自分でも色々と作ってくださいね〜
モチーフは物語のきっかけです
モチーフが持つリズムと音程という個性を生かしながら次の小節(小楽節)を作っていくのです。
譜例9
赤数字はコードに対する卵の音程です
それらをキープしながらリズムやその他の音程を作っていく・・・
卵(ターゲット・ノート)に解決すれば良いわけです・・・
簡単でしょ?
モチーフ1を使って作ったABAC形式
譜例10
注)BとCは似たメロディ(同じモチーフのバリエーション)の例
モチーフ2を使って作ったABAC形式
譜例11
⃞
注)BとCは全く違うモチーフの例
注)CはAのモチーフを使用
モチーフ3を使って作ったABAC形式
譜例12
注)BとCが似たメロディの例
注)ABAB'とも言える
上記の3例は同じ卵から2小節のモチーフ作りそれらを発展させて出来ています。
どのように発展させているかそれぞれの曲の類似点、相違点等を観察してみてください。
1.2.3共、卵になるべく忠実に作りましたが、そんなもんは途中で無視して、突拍子もないアイデアが出て来るかもしれません。その時は自分の道を進んでください・・・
何回も繰り返していくと作曲があなたにとって日常の行いになっていくのでしょう・・・
実際例その2(音程のマトリクスを使う)
前回取り上げた、音程のマトリクスを使ってコード進行と卵を作ってみましょう〜
譜例13
⃞
黒数字はコード進行のルートモーション
赤数字はコードとメロディ卵の関係
上記の(譜例13)を使って作ったABAC形式
譜例14
形式はあらかじめABACに決めていますので…
1.形式
2.コード進行(マトリクスを使ってみる)
3.メロディの卵(各コードのターゲット音)
4.卵を基にしてモチーフ(リズムと音程)を作る
5.発展させて大楽節を作っていく
という順番で作つくりました。
慣れという物は恐ろしい物で、何回も「作曲の練習」をする事によって、モチーフを頭に描くと共に、形式に当てはめた場合のだいたいの曲の輪郭が見えてくる様になると思います。
課題説明
さて!
11/18課題発表ですが、ABAC形式を作ってください。
pdf&mp3でお願い致します。
サービスに・・・作曲法を一つだけ紹介します。
どうしても困った時はこれを参考にして乗り切ってください。
名付けて
実際例その3「Like a Bird」
皆さんご存知、チャーリー・パーカー=Bird は「パクリの天才」です(失礼)
彼の曲(と、言われている)
Anthropology
Confirmation
Moose the Mooch
Ornithology
Scrapple from the Apple
Dewey Squar
Dexterity
Donna Lee
Ko Ko
etc・・・
(ブルースもあるでよ〜)
等の曲のコード進行は他の曲からパクリンコ(失礼)なんです。
「え〜〜〜!?そんなことやっていいの〜?」
はい!いいです。(ハキハキ)
コード進行に著作権はありません
あなたはこれから一生、曲の半分(コード進行)は作らなくても作曲が出来るという事が判明致しました。
おめでとうございます
ビバップという音楽の時代背景がチャーリーさんのオリジナルを生んだ原因の一つなのですが、その話は又今度・・・
コード進行をパクってオリジナルを作ってみましょう〜〜〜
前述の譜例4"All of Me"のコード進行を使ってやってみます。
譜例15)先ずはコードを書き出します。
卵(ターゲット・ノート)を作ります
譜例16)1つのコードに対して2個の卵(ターゲット・ノート)を設定
譜例17)ワルツにして、装飾音を加えて仕上げます。
This is a tune made bay canges from[all of me] ,Like a Bird! ってこと・・・
「Like a Bird」はグレーゾーンを狙うインチキ詐欺師みたいですが(失礼)
実はとても勉強になるのです。
既成曲のコード進行を使って新たなメロディを作る作業は、曲の構造のどの部分を使うか、曲をしっかり観察しなくてはならないので、数々の新たな発見があり、しかもアドリブの練習にもなる!
面白いリフォームを考えて下さいね♪
・・・と、いうわけで、もう一度念押しで〜
課題はABAC形式を使って曲を書いてください。
提出は紙の楽譜、音源の場合はmp3でお願い致します。
発表11月18日(月曜日)
提出11月17日(日曜日)23:59まで
*名前&学籍番号pdf,mp3に直接書いてください
*タイトル
*テンポ&フィール
も忘れずに書いてください。
これをプリントアウトして使ってもいいです
ジャーに〜
このブログは洗足音楽大学の授業How to Composeの予習復習用に書いております。
履修学生の方に特化した話題が主な内容ですので、御理解の上お楽しみください。
前回は、数を使ってコード進行を集めよう!と言う授業でしたけど皆さんいかがでしょう?
数学もジャズ理論も嫌いな考える事が苦手な方には拷問ですな・・・
音楽 =「音が苦」にならない様に心がけて日々お過ごしください。
セカンダリー・ドミナント
(Secondary Dominant)
リレイティッド2マイナー
(Related Ⅱm)
サブ・ファイブ
(SUBⅤ)
を使ってコード進行を集め集め方を勉強します!
「覚えるのやだ〜」
「楽して、いい曲創りたい〜」
おい、そこの君たち!言葉が2つ増えただけでやいのやいの言いなさんな!
今まで勉強した言葉は
ダイアトニック
セカンダリー・ドミナント
モーダル・インターチェンジ
本日追加の
ダイアトニック・コードは7つ
セカンダリー・ドミナント(相方)も7つ
Related、とは?
関係のある、
関連した、(…と)関連して、
親類の、同族の、(…と)
親族関係にあって、同族で・・・
「関係のあるⅡマイナー・・・?ってなんのこっちゃ?」
ドミナント・コードは自己主張が強い頑固者・・・
次のコードに解決したくてうずうず・・・しかし、個性が強すぎて野暮ったいのが玉に傷・・・?
そこで、親類の?リレイテッド2マイナーとパートナーになってソフト・ランディング(解決)を演出!
あら不思議!お洒落な解決感に変身〜〜〜って!
よけわからんわ〜〜〜〜٩(๑`ȏ´๑)۶
ドミナント・コードは解決が目的なので、サウンドキャラクターの緊張感が高く、長く留まると他のコードと比べて浮いてしまうのです・・・
しかし、マイナー7thと連結するとルートの動きが新たに生まれて、ドミナントの強い個性を緩和し、流れが良くなる(と、習いました・・・知らんけど)
シンプルなコード進行のをちょこっとお洒落にする時に持ってこい〜
譜例「鳩ぽっぽ」
を、ちょっとお洒落?に・・・
譜例「聖者の行進」
を、ちょっとお洒落?に・・・
ね? Ⅱ-Ⅴ ってええやろ?!
Like Someone in love || C E7/B | Am Am7/G | F#m7(b5) B7 | Em7 A7 | Dm7 | F#m7 B7 | Em7 | Gm7 C7 | FM7 |・・・
今回の大切な事は、コードは数字(音程)を使って「足す」ことができる、ということです。これらコードを足す手法は、リハモナイズと呼ばれていて、ジャズ・サウンドの大切なテクニックの一つなのです。
リハモナイズのもう一つの隠れキャラを紹介しましょう〜
SUBⅤ
SUBⅤ(サブファイブ)とは、代理コードと呼ばれるコードのです。
代理コードとは代わりになるコードということですから・・・
例えば・・・G7の代理コードはD♭7
⃞
セカンダリー・ドミナントは1920〜50年代のミュージカルや映画音楽の楽曲に多用されたコード進行です。
前回紹介した2つの音程のマトリクスを使えばさらに鬼の様にたくさんのコード進行が目の前に現れます。
「たくさんありすぎてわからな〜〜い!(⋟﹏⋞)」
「もっと美味しいコード進行だけ教えて〜〜(ʘдʘ╬)」
何を言ってるんだそこの君たち!
そんな事言っちゃいけまへんლಠ益ಠ)ლ
でも、わかる〜〜〜
何でも構いません。気になるになる曲を片っ端から・・・コード進行を弾くのですよ〜〜〜
既成の曲の進行を練習する時にはルートモーションの音程をアナライズしてみましょう(なるほど〜ってなるよ)
○ey Joe=○imi Hendrix
○otel California=○agles
ヴォイス・リーディングとは、内声の動きをなるべくスムーズにする事です
コード進行とメロディの関係・・・
来週は課題の説明ですがその前に少しだけメロディについてお話いたします。
これまでは、コード進行について駆け足で説明してきましたが、既にあるコード進行にメロディを付ける時はどのようにするのでしょう?
コードに対してどのような音程関係にあるか?
メロディの横のつながりは?やっぱり音程です…
そもそもモチーフとは音程とリズムで出来ているわけですからそれらをどのようにメロディに反映させるか?音達は、音程の影響を受けながら進んでいくのです。(あなたが意識するしないに関わらず・・・)
以前紹介したメロディの卵(各コードに対して1音のみでメロディのターゲットを設定する)を利用します。
コード進行とシンクロしないで独自の動きの卵も作れます
メロディの卵がコードにとって、どんな音程になっているかアナライズしてみましょう
・・・というお話でした
このクラスでは、なるべく他の授業とかぶらない様にニッチな話題を見繕っているつもりですが、
コード進行はどうしても、理論的制約を受けがちですね。
理論とは言葉です。説明の為に発明された、いわば道具なのです。
コード進行についての3シリーズではなるべく言葉に頼らずコード進行についての広い知見が得られる様にマトリクス(数)を使いました。
使う使わないはあなた次第です。
たくさんの曲を聴いてコード進行を集めてくださいね。
ほなさいなら〜
「コード進行は作る物ではなく、集める物である…」by Kazuhiko Michishita
というお話を。
皆さんにはコード進行コレクターになってもらいます。
コード進行の「進行」というのは音程が移動するという事です。
音程を使ってヴァリエーションを作れば至ってシンプルなシステムなんです。
後は好き嫌いです。あなたの好きな進行を集めてください。
音程は数字です。
順列組み合わせを使えば音楽にいろんなヴァリエーションを与える事が出来ます。
数学と音楽の関係はとても深く、数を使って作曲をしている人たちも数多くいます。
西洋音楽、というか西洋の方達は数学が大好きです。建築物や家具、工芸品、美術品などシンメトリーな物が殆どです・・・。日本の文化、例えば京都龍安寺の石庭みたいなもんとは真逆ですよね?ドレミファソラシドを作ってくれたピタゴラスなんて紀元前6世紀の人ですから・・・そんな前から「万物は数なり〜」とか言って三角形を測ってたんでしょうね〜、いずれにしても数学を使って素晴らしい文化を残して来た先人達には頭が下がります・・・
さて…
今回はダイアトニック・コードを使ったコード進行の集め方を説明致します。
「コード進行のマトリクス」
マトリクスとは、「母体・基盤」のこと、又は「数学の行列」のことです。
音程は6つあります。
2度進行(2nd)
3度進行(3rd)
4度進行(4th)
5度進行(5th)
6度進行(6th)
7度進行(7th)
です。
1度進行は?
ありません。
上記の6種類の音程でコード進行を作れば良いのです。
ダイアトニックコードによる6つのサイクル
Ex1
上記の表は6種類の音程でCmajor Scaleのダイアトニック7thコードを並べた物です。ルートの動きでコード進行のキャラが変わります。どれがお気に入りですか?
因に、どのコードから初めても良いのです。
例えば4th(4度進行)のAmから始めたら、こうなります。
EX2
||Am7|Dm7|G7|CMaj7|FMaj7|Bm7(b5)|Em7||
どこかで見た感じの・・・ですよね?
例えば7th(7度進行)のFMaj7から始めたら、こうなります。
EX3
||FMaj7|Em7|Dm7|CMaj7|Bm7(b5)|Am7|G7||
ナイスですね〜
6th(6度進行)の2番目から
EX4
||Am7|FMaj7|Dm7|Bm7(b5)|G7|Em7|CMaj7||
ルートの動きを順列組み合わせで並べて、自分が思いつかないコード進行を作って弾いてみましょう。色々出来ておもしろいよ〜。
コード進行をコレクション・・・ってどういう意味?
コード進行は既にこの世にあります。ルートの動きも、内声の動きも、あなたがわざわざ作らなくても、もう既にあるのです。その中であなたはどれが好きですか?と、いうことです。
ちなみにジャズ・ハーモニー等に出てくる言葉、「トニック」「ドミナント」「サブドミナント」等は考えなくていいです。これらの言葉がジャズ&ポピュラー理論の話をややこしくしているのです。そんなの気にして臆病になるより、ヘンテコでもいいからしらみつぶしにコード進行を集めて、それらを弾いて(聴いて)みて「あなたの好きな進行」が必ず見つかります。
1960〜70年代のロック&ポップスの楽曲には実にユニークなコード進行が多くあります。私の大好きなピンクフロイドやレディオヘッド等の曲には「なんで?」と言う様な不思議な進行がたくさんあるのです。彼らがジャズハーモニーを学んでそれに基づいて作曲してるとは到底思えません。彼らもきっと自分の好きなコード進行を集めたんでしょうね。
あなたの耳の中にコード進行のイメージが出来て来た頃に、もし必要だったらトニック・・・の件をもう一度思い出してみてください。
「2つの音程を使ったマトリクス」
これは前述の6つの音程の順列組み合わせです。
6×6=36です。
順列組み合わせは音楽と親和性が高く、バロックの頃から数学をうまく使って作品を創る人たちも少なからずいました。バッハはその代表ですが…細菌学者?(ヒエログリフ解読で有名)のアタナシウス・キルヒャーと言う方の「普遍音楽」という17世紀に書かれた本があります。この人は作曲というより音符を使って出来る事の可能性に見せられた人?とでもいいますか・・・?おもしろいかどうかは別にしてユニークかつぶっ飛んでます。
買わなくていいですよ。図書館にあります(多分)
2つの音程を使ってコード進行を創ってみましょう〜
23とは2nd,3rdです。
CMaj7からスタートした場合こんな感じになります。
(23のサイクル)
EX5
ルートの動きが2度3度2度3度〜と続くだけです。
紙に書いて弾いてみましょう。
以外と簡単でしょ?
「2つの音程を使ったマトリックス」によって様々なコード進行パターンが作れます。
下記の表は2度から始まるサイクルです。前述の2度進行(22)は省いてあります。
同一のサイクルで14個のコードが並びます。ただし(27)の様に上下同一音程は
2個しか並びません。
3度から始まるサイクルです。前述の3度進行(33)は省いてあります。
4度から始まるサイクルです。前述の4度進行(44)は省いてあります。
5度から始まるサイクルです。前述の5度進行(55)は省いてあります。
6度から始まるサイクルです。前述の6度進行(66)は省いてあります。
7度から始まるサイクルです。前述の7度進行(77)は省いてあります。
コード進行が規則的に動く事にメリットはあるのか?
「ルートモーションを規則的に動かすと良いコード進行がつくれるの?」
「それならばみんな同じになっちゃうんじゃない?」
「神が授けてくれるから音楽って素晴らしいのに〜〜〜」
・・・等のご意見も少なからず・・・
先ず今回の授業の前提ですが(早よ言え!)
前述の表の多数のサイクル達はいわゆる「コード進行」ではありません。
コードの並べ方の可能性示したものです。あなたはこれらの進行を弾いてみて、好きなコード進行を探すのです。
全て、Cメジャースケールのダイアトニックコードです。たった一つのスケールだけでいろんな可能性があるのです。
必死に雨乞いをするのもよし・・・
しかし、神様も忙しいです。
自分でしらみつぶしに当たって見た方が早いかも・・・
前述の質問?ですが・・・ルートモーションを規則的に動かしても良いコード進行は作れません!良いコード進行とは、あなたがきめるのですよ・・・
ある意味、コード進行はメロディの為のキャンパスです。
「あの曲のコード進行好きやねん!」といってコード進行を風呂で歌う人なんていません。
キャンバスにどんな絵を書くべきか?それがあなたの作曲です。
そして・・・みんな同じにもなりません。
「パクリ問題」というのがこの世にはありますが、それは法律の問題なので、音楽とは何の関係もありません。
「あれと似ちゃうんじゃないか?」とか「J○SRACに怒られるんちゃうか?」とか?
心配しないでも大丈夫、怒られるくらい売れたら本望ですよね?
「宝くじ当たったらどないしょ~~?」みたいな心配しないで、この世にあるコード進行をどんどん集めてください。
そしてそれを基に曲を書いてみてください。
(因にコード進行には著作権はありません)
数字を上手く使って音楽に生かす・・・という手法は楽器の練習やアレンジ等にも大いに役立ちます。少し脱線しますが、インターバル・ヴォイシングというコードの積み方があります。
コード・ネームで考えるのではなくモードとして扱うのが一般的です。
どうですか?順列組み合わせ、使えるでしょ?
今まで説明した物はCメジャースケールのダイアトニックコードだけです。
キーは全部で12個
マイナー入れて24
エンハーモニック入れて30
スケールは他にも、
ナチュラル・マイナー
メロディック・マイナー
ハーモニック・マイナー
ハーモニック・メジャー
モードも入れたらメッチャたくさんあります!
それぞれ全部ダイアトニックコード進行が創れるわけです。
Major Scale以外の重要なスケールのダイアトニック・コードです。
これらを使って同じ様にマトリクスが創れるわけです。
自分でコード進行表を創っていろんな進行を集めてみましょう〜
C Natural Minorの6つのダイアトニック進行
C Melodic Minorの6つのダイアトニック進行
C Harmonic Minorの6つのダイアトニック進行
前回の授業で「理論は言葉が多すぎる」と言うお話しをしました。
そもそも、音楽と言うなんであるのかわからない物を言葉を使って説明、理解する?ってちょいと乱暴な話なのです。
ピタゴラスより遥か以前から人は歌ってたわけですから…
私ごとですが・・・アメリカの音楽学校で、ただでさえわからない英語で理論の勉強なんて目を閉じて渋谷から原宿まで歩くような・・・?気分で授業を受けていました。
そんな私の、理解のきっかけになったのが意外にも「算数」だったのです。算数と言うよりもっと単純な「数」ですね。
音楽理論とは要するに「音を数えられるようにした物」とも言えるのです。
数えられると言う事は、足す事も引く事も、掛け算も割り算も、順列組み合わせも出来ると言う事です。
これが聴いてる人にはなんの関係も無い話なんですね。
おそらく、そこら中に建っている建築物も、緻密な計算の基に創られているのでしょう・・・(知らんけど)それらの建物の中で我々は「ああ〜早よ授業終われへんかな〜退屈やな〜〜」と、あくびしてるのでしょうね・・・
数字を使って音楽をやるっていうのは、なんか、邪道な感じもしますが・・・
勉強の仕方の一つとしては、まぁ、ありかな・・・と
音楽は私たちの心に飛び込んで来て初めて意味を成します。心が震えた時にそれらは聞き手の物になるのです。だからみんなの心には音が記憶として残っているでしょう?
音楽が創られる過程で、どのような手を尽くされたのか?それは聞き手には解りません。
それを知っているのは作曲家(あなた)だけなんです。
次回は 算数をセカンダリードミナントに応用してみましょう~~~!
ほな!さいなら~