ザテレビジョンがおくるドラマアカデミー賞は、国内の地上波連続ドラマを読者、審査員、TV記者の投票によって部門別にNo.1を決定する特集です。

最優秀作品賞から、主演・助演男女優賞、ドラマソング賞までさまざまな観点からドラマを表彰します。

第109回ザテレビジョンドラマアカデミー賞助演女優賞 受賞インタビュー

撮影=石塚雅人

菜々緒

撮影した手術シーンは、全部流してほしいぐらいです(笑)

まずは、夏梅役で受賞されたお気持ちをお聞かせください。

チーム一丸となって制作した作品でしたので、夏梅役として受賞したことはもちろん、作品賞をいただけたこともうれしいです。これはみんなの力とチームワークあってのものだなと感じています。
日本の医療従事者の皆さんへのエールとなる作品を作りたいという熱い思いがあり、そこを目指してみんなで駆け抜けましたが、キャストだけじゃなく、スタッフの皆さんも含めて、誰一人欠けてはいけない、全員が主役の現場だったと思います。


その中で夏梅さんがシングルマザーとして見せる顔も印象的だったという声が多く寄せられました。

母親役はこれまでもありましたが、今回は特に印象が強かったみたいです。夏梅さんのように看護師をしながら、子育てをしている方が本当に多くいらっしゃって、同じような環境の方からの声も多くいただきました。


MERで働く顔と、お母さんの顔を演じられる際に意識したことはありましたか?

現場ではとにかく命を助けたいという看護師としての夏梅さんでしたが、娘の送り迎えの際には普通のお母さんになるので、雰囲気や娘に掛ける言葉のニュアンスなどは意識しました。第3話では人質になるというエピソードでしたが、娘と同じ年頃の子が人質になっていたので、一人の母親として、一人の看護師として立ち向かっていく姿が印象的だったのではないかな?と思います。男性だけでなく、女性も活躍できるところが今の時代に合っていたのではないかと思いますし、私も好きな回です。


医療ドラマということで、せりふも難しかったのでは?

私は看護師だったので、手術時の器械出しの大変さはありましたが、セリフはそうでもありませんでした。大変だったのは、やはりお医者さんチーム! とんでもなく難しいせりふが膨大にあるのですが、鈴木(亮平)さんなんて、ほとんどミスしない。恐ろしいですよね。とんでもない努力をしたんだろうなと思いますし、圧倒されました。


圧倒といえば、ロケシーンは第1話から大規模で圧倒されました。

すごかったですよね! 第1話からこんなに飛ばして大丈夫かな?と思っていました(笑)。個人的には、最初はとにかく必死でした。医療リハーサルを1カ月ぐらい前からやらせていただきましたが、現場では何もかも分からないことだらけ。第4話で潰れた車の中に入っていきましたが、それは撮影でも初めての経験。この状況で一人残されたら、どういう心境になるんだろうと想像したりすると軽く混乱しました。その中で看護師として冷静になろうと思いながら芝居に入っていったので、そこが映像で見てもリアルに見えたかもしれないですね。


ERカーの中での手術の連携作業はとても美しく、見とれてしまうほどでした。

あれもちょっとパニックでした(笑)。次は何を渡せばいいのかな?って。


喜多見役の鈴木さんは「菜々緒さんがしっかりと渡してくれるので、とてもやりやすかった」とおっしゃっていました。

うれしいです。オペナースはお医者さんよりも先に次の行動を予測して器械出しをしないといけないですし、弦巻先生(中条あやみ)のような研修医の方には次はこれだよとフォローしたりすることもあると教わりました。お医者さん以上に周囲を把握しないといけなかったので、オペシーンは一番緊張感を持ってやっていました。


とても見応えがありました。

撮影した手術シーン、全部流してほしいぐらいです(笑)。オンエアでは編集の都合で本当にキュッと短くなっていましたが、一連の流れを全てとても丁寧にお芝居していたので、全部流してほしいです(笑)。


手術シーンの連携が素晴らしいということは、それだけ皆さんのチームワークも良かったということでしょうか。

現場はすごく楽しかったですし、チーム仲も良かったのではないかと思います。医療指導やリハーサルも含めて、5カ月以上一緒にいましたし、オペシーンでどう器具を渡すかの確認など、ディスカッションもすごくしていて、とてもコミュニケーションを取っていたチームだったと思います。


そういうときにチームを導くのは、やはり喜多見役の鈴木さんですか?

はい。鈴木さんはとても穏やかな方で、本当にすばらしかったです。決めなくちゃいけないときはピシッと言ってくださいますが、終始温かく現場を引っ張っていってくださいました。本当に素晴らしい座長ですごく頼りになりました。


では、音羽役の賀来賢人さんは、どんな様子でしたか?

賀来さんは「亮平くん、亮平くん」と、鈴木さんと仲良くお話しされていました。賀来さんは鈴木さんの肉体に憧れを持っているみたいで、そういうお話をされていましたが(笑)、お芝居にとても真摯(しんし)に取り組まれていました。この中で一番真面目なんじゃないかな?と思うぐらい、真面目。多くは語らないですが、賀来さんは早口で淡々と話す役だったので、いろいろ頭の中で考えているんだろうなと思いました。


弦巻比奈役の中条さんは、この現場の中でどんな存在でしたか?

彼女は、私の癒やしでした。ミン役のフォンチーさんと中条さんは現場では妖精のようで、私の心のオアシス。やるときはやるんですけど、ミスしてもかわいいので、見習いたいなと思いましたね(笑)。そこに徳丸役の佐野(勇斗)くんが入ると、夏休みに親戚の小学生が集まったみたいににぎやかになるので、すごく癒やされました。


その中で、冬木役の小手伸也さんは?

パパです。みんなのパパ(笑)。冬木先生みたいに「まあまあ」みたいな感じで、アドリブさえも包み込むように優しいんです。全てにおいてバランスの良いチームだったなと思います。


菜々緒さんが、「TOKYO MER」に出演して良かったなと思うことは?

これだけ反響のある作品はなかなかないと思いますし、大人から子供まで魅了する作品もそうはないと思います。放送中に医療を学ぶ学生さんからの声もいただいたのですが、「勉強も実技も大変で、心が折れることもあり、やめようかと思っていたけれど、この作品を見て、もう一度チャレンジしてみようと思った」と言っていただけたんです。役を通して、そういう影響を与えられたことが、とてもうれしかったです。私自身もそういう声にとても元気づけられました。


以前、助演女優賞を受賞された際に“イケメン二人に取り合われる役をやってみたい”とおっしゃっていましたが、今回、夏梅を経験して、やってみたい役は生まれましたか?

取り合われる役は冗談半分、本気半分で、ただただ楽しい作品もやってみたいですが、私、“できる役”が多いんですよね。自分自身は全然何もできないんですけど、優秀な役が多いので、へなちょこな役もやってみたいです(笑)。

(取材・文=及川静)
TOKYO MER〜走る緊急救命室〜

TOKYO MER〜走る緊急救命室〜

救命救急チーム“TOKYO MER”を舞台に繰り広げられる医療ドラマ。チームのリーダーでスーパー救命救急医・喜多見(鈴木亮平)らが、事故、災害、事件現場に駆け付け奮闘する姿を描く。また、チームメンバーの救命救急医・音羽を賀来賢人が演じる。脚本はドラマ「グランメゾン東京」(2019年、TBS系)などを手掛けた黒岩勉が担当する。

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