ザテレビジョンがおくるドラマアカデミー賞は、国内の地上波連続ドラマを読者、審査員、TV記者の投票によって部門別にNo.1を決定する特集です。

最優秀作品賞から、主演・助演男女優賞、ドラマソング賞までさまざまな観点からドラマを表彰します。

第91回ザテレビジョンドラマアカデミー賞監督賞 受賞インタビュー

金子文紀、土井裕泰、石井康晴

第6話の電車の中の2人はシーンは今見ても泣けます

「逃げるは恥だが役に立つ」というドラマを撮影するに当たり、金子文紀監督が一番気にしたことは何でしょうか?
とにかく〝ムズムズする〟ことです。原作を読んで、第1話の台本を読んだときに、テーマは〝ムズムズ〟に決めました。そして、星野さんに会って、主題歌を作るときに「どんな曲がいいですか?」と聞かれたので、「とにかく、ムズムズする曲を作ってください!」ってお願いして。そこから始まっています。
監督のイメージするムズムズとは?
居ても立っても居られない感じというか、何か動いちゃいそう、立ち上がっちゃいそう、笑っちゃいそう、表情が変わっちゃいそうなど、すべてのアクションの起点になる感じというか。みくりと津崎は行動的ではないじゃないですか?考えてばっかりで、アクションを起こさない。それが逆に読んでいる方が「うーん」ってなってくる。そんな感じがムズムズだなと思って、その言葉を使いました。
妄想シーンも話題になりました。演出でこだわったところはどこですか?
音楽は絶対に本物を使うということです。もし、自分がその妄想で取り上げられた番組の制作者だったら、適当にやられるのが一番嫌だと思うので、できるだけ似せることを心がけました。1話の「情熱大陸」はオープニング画面の画をお借りして。ナレーションの窪田(等)さんが面白がってやってくれたから、よかったです。新垣さんはすでの実際に「情熱大陸」に出られているんですよね。「情熱大陸」に出たことある人に撮ったこともない僕が、「情熱大陸」っぽい演出をつけるのは不思議だなと思ってやりましたけど、面白かったです。6話の「そうだ、京都に行こう」は、今までの過去作品を見て、できるだけ、画の作り方を真似しようと思いました。でも、そこまであんなクオリティーの高いものは作れないんですけど、できるだけワークのある画を作ろうとか、音楽の乗せ方とかを研究は一応しました。
その第6話は「神回」と言われ、かなりの反響があったと思いますが?
とにかく電車の中の2人が良かったということにつきると思います。あのシーンは今見ても泣けますけど。撮影前日、TBSのリハーサル室でイスを並べてお芝居を固めていったんですけど、リハーサルで泣きそうになったんです。一発目で、「カット」の声がつまっちゃうみたいになったので、安心して当日は撮影に臨みました。でも、実際の伊豆箱根鉄道を使用していたので、とにかく限られた時間で撮影しなくてはいけない。映っているかどうかとか、ピントが合っているかどうかとか、撮れているかとかそんなことばかり気にしていて、とにかく当日はそんな感じだったんです。ところが、つないだら最高によくて、「すごいものをとっちゃった!」って、鳥肌が立ちながらやってました。2人のシーンはお気に入りばっかりなのですが、絶対に1つ選べと言われたら、電車のシーンになるのかもしれませんね。
主演の新垣さんについて教えてください。
新垣さんとお仕事をするのは初めてだったので、最初は距離を探ってました。でも、役に対してすごく真面目に向き合って、それを最初のリハーサルで見せてくれたので、「あー、この人を信じていいんだ」って思ったんです。最後の方はスケジュールがギリギリで、普通は長いシーンや芝居場は後回しにする配慮ができるんですけど、最終回は台本ができてすぐにみくりがフリップを出して説明する「真田丸」の前半の長い芝居場を撮影したんです。そこで、新垣さんは一発目のリハーサルからセリフが完璧で。それに僕、感動しちゃって、「主役がここまでしてくれているのに時間がないという言い訳をしちゃいけない。これはすごいものにしなくては申し訳ない」って。みなさんに「ガッキーがかわいい」と言っていただいたんですけど、僕はその言葉だけで片づけてはいけないと思っています。新垣さんはお芝居とかで、「かわいい」以上のことをされていたので、僕からすると失礼だなと思って、現場で「かわいいと言うこと禁止!」と言おうと思ったぐらいです(笑)
星野源さんについて教えてください。
星野さんとは「タイガー&ドラゴン」('05年TBS系)、「コウノドリ」('15年TBS系)と一緒にやってきて、本当に遠慮しなくて言える感じです。彼は彼なりに津崎という人を僕らの注文を受けつつも、どういう人なのかを常に考えていたので、後半にかけて進化していった感じです。最終回でお風呂の扉越しに津崎がみくりに話しかけるシーンでは、星野さんがリハーサルで座って背を向けたんです。「何で?」と聞いたら、「ドアはあけられないけど、みくりさんと同じ視点でしゃべりたいんです。津崎さんはそういう人だと思うんです」と言われて。「まいった!」と思いました(笑)
続編を望む声も多いと思いますが
あったらやりたいですね。あったらいくらでもやれるんじゃないかって。夫婦ものというか、家族ものとして。子供ができたら、津崎とみくりは、子育てをどういう風に分析、解析して夫婦会議をして、家庭を築いていくのかとか。いくらでもネタあると思うんですよね。

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