ザテレビジョンがおくるドラマアカデミー賞は、国内の地上波連続ドラマを読者、審査員、TV記者の投票によって部門別にNo.1を決定する特集です。

最優秀作品賞から、主演・助演男女優賞、ドラマソング賞までさまざまな観点からドラマを表彰します。

第94回ザテレビジョンドラマアカデミー賞主演女優賞 受賞インタビュー

撮影=大川晋児

有村架純

みね子はお母ちゃんのようなお母さんになると思います

ドラマアカデミー賞で、最優秀主演女優賞に選出されました。受賞のお気持ちをお聞かせください
作品や、私が演じたみね子という女の子が皆さんの中にずっと残り続けてくださっていることがすごくうれしいですし、この役に出合えてよかったなと思います。演じる上でいろいろな葛藤がありましたけど、「ひよっこ」しか演じていなかった24歳は自分の中で一生忘れられない大事な期間。いくつになっても思い出せる1年になりました。
10代後半から20代前半まで演じていく中で、みね子の変化をどう感じていましたか?
朝ドラとしては珍しく、物語が短期間で描かれました。18~20代前半は、人間としても女性としてもすごく変わる年代。みね子から出てくる言葉や感情が少しずつ大人になってきているなと、台本を読むたびに感じていました。
みね子を演じる時に心掛けていたことは?
みね子は、自分がガツガツ引っ張っていくタイプではない女の子。周りのみんながいてくれてのみね子という立ち位置をしっかりと理解しながら、受け身の芝居を大事に演じました。私はもちろん、共演者やスタッフの皆さん全員が岡田(惠和)さんの脚本を100%信じていました。一話一話、妥協しない岡田さんの思いに応えたいとやってきた、その一つ一つの積み重ねが最終回につながったような気がします。
「裏天広場」でのシーンは、みなさん楽しそうでしたね?
「ひよっこ」に関しては、たぶん何をやってもいいんだろうなと思っていました(笑)。それは、岡田さんの脚本や現場のみなさんが作ってくださった空気のおかげ。本当に、自由に演じさせていただきました。
そんな中、印象に残っているシーンは?
みね子が家族に上京することを伝えるシーン、乙女寮や工場での生活、島谷(竹内涼真)さんとの別れなど、印象的なシーンはたくさんありますけど、中でも行方不明だったお父ちゃん(実=沢村一樹)と再会した場面は難しかったです。撮影の都合上、みね子がお父ちゃんから傘を差してもらうという、二人が再会した後のシーンを先に撮ったんです。台本をもらった時から、このシーンでみね子がどんな気持ちを抱くのか想像はしていましたけど、撮影する順番が逆ということで、感情のつながりをどうすればいいのか悩みました。長い時間、監督と話し合ったことを覚えています。沢村さんも同じことを思っていたみたいで、セリフを全部方言にするべきかどうかなど、細かいところまで監督と相談している姿が印象的でした。
「乙女寮」のシーンは、みんなでワチャワチャしている感じが微笑ましかったです
「乙女寮」の女の子たちは、みんな落ち着いていて、いい意味でマイペースだったので、肩の力が抜けているような心地よい空間にいつも癒やされていましたね。みんなと過ごした3カ月間は、あっという間でした。
時々、昔の仲間が出てくるところがファンにとってはたまらないサプライズでした
実は、途中でクランクアップした人がいないんです。プロデューサーさんも、いったん出番が終わった役者さんたちに「まだ、分からないですから」って声を掛けていました(笑)。
それは、いつ呼ばれるか分からないということですか?
そうなんです。そこが、岡田さんの愛情なんです。「乙女寮」のメンバーも、みね子が働く「すずふり亭」に何度か遊びに来ましたし、高校時代の田神先生(津田寛治)も最後に登場しました。出番が終わったら「はい、終わりです」ではなく、最終回までに“もしかしたらまた登場するかもしれない”という希望があったほうがいいですよね。私が同じ立場だったらすごくうれしいと思います。
もし、続編が作られるとしたら、どんな展開を期待しますか?
何年後の設定になるのか分かりませんけど、みね子は「すずふり亭」で修業しながら独立を目指すヒデさん(磯村勇斗)のことをしっかりと支えているんじゃないかなと。その時に子供がいたら幸せですよね!
どんな奥さん、お母さんになっていると思いますか?
それはもう、自分のお母ちゃん(美代子=木村佳乃)のようになっているんじゃないですかね。子供のころから、ずっと背中を見て育ってきましたから。お母ちゃんは、みね子にとっての理想的な女性像なんだと思います。
ひよっこ

ひよっこ

岡田惠和の脚本で、’60年代の高度経済成長期の日本を生き抜くヒロイン・みね子(有村架純)の姿を描く。みね子は、東京に出稼ぎに行ったまま消息を絶った父・実(沢村一樹)を捜すため、茨城から東京に集団就職する。長時間労働や会社の倒産など、さまざまな困難に直面しながらも周囲の助けを得て乗り越えていく。

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