ザテレビジョンがおくるドラマアカデミー賞は、国内の地上波連続ドラマを読者、審査員、TV記者の投票によって部門別にNo.1を決定する特集です。

最優秀作品賞から、主演・助演男女優賞、ドラマソング賞までさまざまな観点からドラマを表彰します。

第94回ザテレビジョンドラマアカデミー賞ザテレビジョン賞 受賞インタビュー

撮影=石塚雅人

ミニチュアオープニング映像(田中達也氏、森江康太氏)

“この作品で恩恵を受けたランキング”の3位以内に入ります(田中)、桑田さんがヤスハルになるとは思わなかった(森江)

ドラマアカデミー賞の特別賞に選出されました。今の気持ちをお聞かせください
田中達也:うれしいですね! 賞をいただく機会があまりないので、認めていただけたというのはありがたいです。頑張った甲斐がありました。
森江康太:僕も全く同じですね(笑)。ありがとうございます!
「ひよっこ」のタイトルバックは、放送開始直後から話題になっていました。お二人も反響を実感されていましたか?
田中:そうですね。年配の方から手紙が届くようになって、ファン層が広がった感じがしましたね。
森江:ネットの声を聞いてから、映像に手を加えることもしていたんです。(冒頭のカットで)ローラーの色を疑問視する声が挙がって、修正したり。今の時代ならではだなと思いましたね。
田中:あれはもともと、「ひよっこ」の文字をペロンと貼り付けている設定なんです。でも、ペンキだと思っている方がいて、「ローラーに色が付いていないのはおかしい」と言われて。「めくれてるんだぞ」っていうことを、ちゃんと伝えようと思いました(笑)。
森江:それから、「赤ちゃんや子どもが反応する」っていうのも、よく聞きましたよね。うちの息子もオープニングが流れると必ず「パパが作った!」と言ってくれるので、うれしかったです(笑)。
田中:うちの子も、「“あいのことば”始まった!」と言って歌ってました。あまりにも一生懸命歌うので、森江さんに動画で送りました (笑)。
朝ドラのオープニングで流れるということで、プレッシャーもありましたか?
森江:作っているときには多少ありましたが、オンエアされてからは無かったですね。手前みそですが、何度見ても飽きない映像だなと思っていました。
田中:僕らは完成するまでに何百回も見ているわけなので、「最初にこれを見た時に、どういう衝撃を受けるんだろう」というのは、ずっと気になっていました。それは他の作品でも言えることですけどね。
あらためて、本作のコンセプトや、こだわっていたところを教えてください
田中:当時の物を使って、昭和の街並を再現しているところがポイントですね。「懐かしい」とか「これウチにあった」という声もいただきました。
森江:作品自体はレトロでアナログな雰囲気が漂っていますが、映像的に言うとかなり高度なことをやっているんです。CGを使っていると気付かず、ミニチュアだけの世界の映像だと思って見ていた方も多いんじゃないでしょうか? マッチ箱の街並は実際に箱を並べて作っていて、でも、その間を走る車はCGだったり。
田中:なので、「人間や車は、どうやって動かしているんですか?」って聞かれたのは、うれしかったですよね。難しい技術を、自然に見せられているっていうことですから。
ミニチュアの中には、「うず潮」(1964〜65年)や「おはなはん」(1966〜67年)など、往年の朝ドラのタイトルも紛れ込んでいました。オマージュの意味合いがあったのですか?
田中:いや…(笑)。ディレクターさんたちが案を出して、それに乗っかりました。
森江:「ひよっこ」で描いている時代に放送されていた朝ドラをその場で調べて。ちなみに、「うず潮」を描いたのは僕なんです(笑)。
田中:皆さんがアドリブでやった部分も多いので、撮影現場にいた人たちの思い入れも深いと思います。
森江:みんなでスタジオに缶詰めになって、ロケ(撮影)をしている3日間は、すごく楽しかったですね。
7月からは、映像がリニューアルされていました。大きなところでは工場のカットが遊園地に変わりましたが、どのような意図があったのでしょう
森江:かき氷機のメリーゴーラウンドという着想は、もともと田中さんが考えていたことなんです。そこから、放送の途中でリニューアルした前例があると聞いて、ヒロインが転職するタイミングが夏だということから、「そのタイミングで替えましょう!」と。
花火が上がったり、さり気なく人が増えていたりもしていて、視聴者の方が「変わったところを探せ!」と盛り上がりをみせていました
田中:「ギターを持った人はヤスハル(古舘佑太郎)だ」という話になっていたのは、おかしかったですね! 僕らは、桑田(佳祐)さんのつもりで入れていたんですよ。
森江:実はプラットホームの他に、タイプライターのところにも登場していたんですよ。
そうなのですか! 全然分かりませんでした
田中:おそらく分からないと思います。僕は「いる」って言われても分からなくて、画像を重ねてやっと分かりましたから。
森江:誰も気付いていないでしょうね(笑)。
視聴者の方が盛り上がっているところに、「まだいますよ」とコメントされていましたよね?
森江:そうですね。自転車の軌道を変えたり、宗男さん(峯田和伸)を追加したり、路面電車の形状を当時の物に合わせたり…。本当に細かく変えているんです。だから、「もっとあるよ」と思って。桑田さんがヤスハルになるとは思わなかったですけどね(笑)。
田中:僕は「森江さん、(ヤスハルではないと)言ってくれないのかな」と思いながら、黙っていたんですよ(笑)。
「ひよっこ」に携わったことで、変わったことはありますか?
田中:展覧会が国内でできたのは、「ひよっこ」の反響のおかげです。僕は、“この作品で恩恵を受けたランキング”の3位以内には入るでしょうね。僕の作品を紹介したら、「『ひよっこ』っぽいですね」って言われたこともあります(笑)。
森江:「あれ、俺だよ!」って感じですよね(笑)。
田中:なかなか信じてもらえないんです。ツイッターで公開している「ミニチュアカレンダー」でも、最終回に合わせて「ひよっこ」を思わせる作品にしました。
森江:僕も、この作品がきっかけでいただいたお仕事はありました。ドラマ制作の方たちからの反響が特に大きくて、直接声を掛けてもらえるようになりました。あとは、実家にいる両親から「反響がすごい」と聞きましたね。
最後に、お二人の今後の目標を教えてください
田中:「ひよっこ」の続編をやりたいですね!(笑)
森江:あのメンバーを集めるのは、大変でしょうけどね。
田中:「渡る世間は鬼ばかり」(TBS系)みたいに、季節ごとの単発でもいいですよね。みね子はどんどん、“ひよっこ”じゃなくなって(笑)。
森江:そうですね。そう言えば、「ひよっこ」の打ち上げの時に、タイトルバックを宮本信子さんにすごくほめていただいたんです。キャストの方も裏方も本当に良いチームなので、「もう一度あのメンバーで」という思いが強いですよね。
ひよっこ

ひよっこ

岡田惠和の脚本で、’60年代の高度経済成長期の日本を生き抜くヒロイン・みね子(有村架純)の姿を描く。みね子は、東京に出稼ぎに行ったまま消息を絶った父・実(沢村一樹)を捜すため、茨城から東京に集団就職する。長時間労働や会社の倒産など、さまざまな困難に直面しながらも周囲の助けを得て乗り越えていく。

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