ザテレビジョンがおくるドラマアカデミー賞は、国内の地上波連続ドラマを読者、審査員、TV記者の投票によって部門別にNo.1を決定する特集です。

最優秀作品賞から、主演・助演男女優賞、ドラマソング賞までさまざまな観点からドラマを表彰します。

第94回ザテレビジョンドラマアカデミー賞助演男優賞 受賞インタビュー

撮影=岡本英理

竹内涼真

苦労したシーンばかりで、納得がいったところは数少ないです

ドラマアカデミー賞で、最優秀助演男優賞に選出されました。受賞のお気持ちをお聞かせください
まずとてもうれしいのと同時に、自分の予想を超えた反響に驚いてます。ただ、視聴者のみなさんが支持してくださった麦野初への評価は、このキャラクターを作り上げた脚本の遊川和彦さんのおかげだと思っています。
今回演じた麦野初の男らしく、爽やかなキャラクターが多くの視聴者の心をとらえましたが、演じる上で意識していたことはありますか?
遊川さんからは、強さも弱さもムキ出しで格好つけないのが初という人物の勘所だと言われていました。ただ、こうした直球な役ほどストレートに演じただけではなかなか魅力を出すのが難しいと感じていたので遊川さんや監督にたくさん指導していただいたりと、実はとても綿密に作り上げていった役でもあります。実際、僕一人ではこの役を成立させるのは難しかったと思います。
初が熱くカホコを叱咤したり、相手の家族に堂々と交際宣言をしたり、あるいはてらいなく号泣したりといった数々の名シーン、名ゼリフが話題を呼びました
たしかに(台本の)文字で読むとちょっと恥ずかしいようなセリフでも、初が言うと成立してしまう。そんなキャラクターですよね。毎回台本をいただいて、「遊川さんが重点を置いてるのはこのセリフだろうな」というところは分かりました。ただ、そこだけを意識してしまうとキメゼリフ的に浮いてしまって、前後の感情がつながらないと思ったので、むしろそのセリフに行くまでの気持ちを高めることを大事にしていました。
特に印象的だったシーンやセリフを教えてください
正直言うと苦労したシーンばかりで、自分で納得がいったところは数少ないんです。ただ今でも忘れられないのは、第7話の橋の上で喧嘩別れするシーンです。初とのやりとりの中で、カホコの表情が涙、笑顔、怒り、悲しみと目まぐるしく変わる場面なんですが、僕の芝居がなかなか高畑(充希)さんの感情を引っ張ることができなくて──。カホコのこのリアクションを引き出すには、どうしたらいいんだろうとものすごく悩んだんです。結局、本番直前で監督とも相談をして“間”を少し変えたことでOKをいただけたんですが、全話を通して一番難しいシーンでした。
確かに、高畑さんとの絶妙なセリフのやりとりも絶妙でした
本当に高畑さんとの呼吸やテンポ感は、この役を演じる上でのポイントでしたね。脚本が描きたいこと、監督が表現したいことに沿いつつ、最終的には二人が向き合ったときに生まれるリアルな感情が一番重要なんだということを、この第7話で学びました。このシーンを乗り越えたおかげで、第8話の初がカホコの胸を借りて号泣する場面も、意外と苦労することなく素直に入っていけました。
高畑さんのほか、ベテラン俳優さんも多い作品でしたが、現場はどんな雰囲気でしたか?
いい意味の緊張感はありつつも世代の壁はまったくない、すごく一体感のある現場でしたね。何よりみなさんが楽しそうにしているのが、僕のような若手にとってはすごく励みになって。僕の写真集が出たときには、みなさんで一斉に話題にしてくれたり(笑)、「この写真かっこいいね~」とコメントをくださったり、本当に暖かい現場でした。そんな現場の一致団結した雰囲気も、この作品の評価につながったんだと思っています。
今回、ご自身にとって「過保護のカホコ」はどんな作品になりましたか?
ドラマの評価というものの難しさや面白さを痛感しましたね。僕自身は演じている中で納得できずに悔しかったことが多かったのに、みなさんには「よかった」と言っていただけたという──。逆にどんなに自分が「うまくいった」と思っても、最終的には見ていただいた方がどう反応してくれたかが結果であって、そこは僕たちがコントロールするものではないんですよね。でも、だからこそどんな場でも一生懸命取り組むこと、挑戦を続けることが大事だと改めて感じています。とにかく苦しんだことが多い作品だったので、視聴者のみなさんの応援の声が何よりのモチベーションでした。
ちなみに、苦学生の初がアルバイトに勤しむ姿も毎話の見どころでしたが、アルバイト経験はありますか? また、やってみたいアルバイトはありますか?
学生時代はサッカーで時間がいっぱいだったので、アルバイトの経験はないんです。やるとしたら、イタリアンレストランのウエイターをやってみたいですね。制服を着てみたいです(笑)。
過保護のカホコ

過保護のカホコ

高畑充希が民放ドラマ初主演を務め、「家政婦のミタ」(2011年日本テレビ系)などの遊川和彦が脚本を手掛けるオリジナル作品。両親に溺愛され過保護に育てられた主人公・カホコ(高畑)が、世の中を知りながら成長する姿と、変化していく家族の絆を描く。母・泉役は黒木瞳、父・正高役は時任三郎。

第94回ザテレビジョンドラマアカデミー賞受賞インタビュー一覧

【PR】お知らせ