佐藤浩市、石田ゆり子、西島秀俊らの演技に「非常に幸せでした」映画「サイレント・トーキョー」原作者×監督対談
ベテランキャスト陣の演技に秦「非常に幸せでした」
──俳優さんたちの演技も素晴らしかったですね。
秦「最初にキャストを聞いた時はびっくりしましたし、わくわくしましたね。石田さんは、まさに僕が思い描いていた山口アイコさんでした。もう石田さん以外の人がこの役を演じるのが、想像ができない。他の人もそうなんですけどね。非常に幸せでした」
波多野「石田さんは、難しい役なので悩んでいらっしゃいましたね。愛の深い役なので、その都度お話をしました。西島さんはすごく真っ直ぐな方で、それが今回の役にも合っているなと。浩市さんは、登場シーンは少ないですが、醸し出す雰囲気とかにおいが、ずっと映画の中に残っている感じなんですよね」
秦「冒頭の佐藤さんがあまりにもかっこよくて。力の強い役者さんって、ゼロから新たなものが立ち上がる。自分の書いた小説をあまり思い出さないな、と思いました。わざわざ設定を説明しなくても、佐藤さんが言うのであればそうである、みたいな、そういう説得力をすごく感じました。西島さんは相変わらずかっこいいなと思いました。相当ご自身で内面の複雑さみたいなものを立体的に作っていらっしゃるんだなと。皆さん、本当にお芝居が素晴らしいので、この後のこの人がもうちょっと観たい!と思ってしまいました。あと10分長く観たかった(笑)」
波多野「(笑)。そこでいろいろと想像してくださる、ということですよね。うれしいです」
取材・文=門倉紫麻
https://silent-tokyo.com/
監督:波多野貴文 脚本:山浦雅大
原作:秦 建日子『サイレント・トーキョー And so this is Xmas』(河出文庫刊)
出演:佐藤浩市、石田ゆり子、西島秀俊/中村倫也、広瀬アリス、井之脇 海、勝地 涼 ほか