今度は“2.7次元俳優”に扮する2人に質問してみた
——プラスドライバを演じている乙ルイ(大津)さんと、平やっとこを演じている淡川幸一郎(淡路)さん。役者を目指し始めたきっかけは?
乙ルイ(以下、乙):小さい時に『フランダースの犬』が大好きで、主人公のネロになりたかったんです。あまりに好き過ぎて、当時飼っていたヨークシャーテリアに、枕を切って取り出した綿をくっつけて、「パトラッシュだ!」と言い張ったこともありました。いやぁ、恥ずかしいな。バカな話ですよ(笑)。
淡川幸一郎(以下、淡川):ルーツを考えたら、バスター・キートンになるのかな。ジャッキー・チェンの時計台のシーン(『プロジェクトA』)がバスター・キートンのオマージュだと知ってから、すっかりとりこになってしまって。学生時代、学校の時計台につかまって、停学になったりもしましたよ(笑)。
——“2.7次元”というジャンルに飛び込んだ時、どう思いましたか?
乙:「すごく繊細なバランス感覚がいるよ」と聞いていたし、清水寺の舞台から飛び降りる覚悟が必要だと小耳に挟んでいました。いざ飛び込んでみたら、天国みたいでしたね。2.7次元で活躍している人たちって優しいしユーモアもあるしで、いい人しかいないんです。2.5でも3.0でもない、この0.2がすごく肌に合うんですよ、僕は。母体というか、実家のような感覚です。
淡川:僕が思う“2.7次元”は、2.5次元を見ている方々が0.2を足した印象ですね。それが雑味なのか不純物なのか、それともスパイスなのかわかりませんが、0.2分を足していただいたように思います。このジャンル、現在は絶滅危惧種ですが、後進を育てる“KOUGUアクターズスクール”も動き出しています。
乙:2.7ジュニアと、さらに3.2ジュニアが今後、世に出ると思いますよ。
淡川:その分、1期生はそろそろ卒業なのかもしれませんが…。
当たり役と、今後の夢
——プラスドライバと平やっとこは、お二人にとって当たり役だと思います。自身から見て、どんな存在ですか?
淡川:私生活も平やっとこに見られている気分です。本来は地味で人見知りで寡黙な僕ですが、「元気出せよ」とやっとこが言ってくれるような気がします。寝癖で家を出ようとすると、鏡越しにやっとこが「おい、そのまま出て行く気か?」と注意してくるので、ちゃんと髪をセットして出かけます。
乙:僕にとってのネロ、ですかね。金髪という共通点もありますし。思い描くネロをやれているな、と。自分の中で咀嚼して反芻して、咀嚼して反芻して、咀嚼して反芻してと3回繰り返したネロが、プラスドライバです。
——今後の役者としての夢は?
淡川:無声映画を撮ることですね。やはりバスター・キートンが僕の原点なので、モノクロ映画をいつか制作して、TOHOシネマズで上映したいですね、それも4D MAXで。
乙:CAPCOMさんの人気キャラクターとマーベルが戦う『MARVEL VS. CAPCOM』というシリーズがあるんですけど、あれで『MARVEL VS. CAPCOM VS. KOUGU維新』ができないかな、と。タツノコプロさんも参戦しているので(『タツノコVS. CAPCOM』)、KOUGU維新にも可能性はあるはず。ぜひともリュウ(ストリートファイター)と、戦ってみたいですね。