「エール」窪田正孝が主演男優賞! 二階堂ふみには「何度助けてもらったか分かりません」
裕一が体験した人生と2020年がリンクする箇所がたくさんありました
――コロナ禍による撮影中断も含め、1年間以上この「エール」という作品、古山裕一という役と向き合うことになりました。こんなにも長い間、一つの役を演じて感じたことはありますか? また、撮影再開後にはどのようなことを思いましたか?
コロナをきっかけにいろんな角度から物事や、この仕事のことを考えるようになりました。それが演じている真っ最中だった裕一の人生に反映した部分もあったかもしれません。当たり前のことが当たり前ではなくなって。撮影再開後のシーンは不思議にも、裕一が体験した人生と2020年がリンクする箇所がたくさんありました。まるで人生をリアルに体感したようでした。
――今回、吉田照幸監督ら演出チームも監督賞を受賞されました。コミカルな演出やシリアスな場面などありましたが、特に印象深い場面はありますか?
戦争のシーンは今でも鮮明に覚えています。朝ドラだからとか固定概念にとらわれず、作り手が見せたいものを形にしていく。もちろん「エール」全体で見てもそうですが、あそこまで克明に戦争を描けたのは吉田監督がいろんな所で戦ってくれたからです。
――特に印象に残っている撮影エピソードがあれば教えてください。
ふみちゃん演じる音と二人きりの音楽学校でのシーン。とても重要なシーンでテストもなく一発本番で挑みました。吉田さんの新鮮さを大事に撮っていくやり方は毎回ゾクゾクしたし、そこにとてもやりがいを感じてました。