「私自身もとても勇気をもらいました」
――今回の作品は「変身」がキーワードになっていると思いますが、こんなふうに変わってみたいという願望はありますか?
私の場合、もう少し背が高かったらよかったのになとか、半分諦めながら言っていることが多いです。
劇中のまいるちゃんもたぶん同じ。私がブスじゃなかったらもっとちゃんと恋愛ができたのにって、そんなことを言いながら諦めてしまっているんです。
でも、天佑先輩(神尾)との出会いを機にメークをすることによって、変わろうと思えばいくらでも変われるんだということに気付いて自信を持つようになる。そういう物語に私自身もとても勇気をもらいました。
変わりたいなと言っているだけではなく、変わりたいからこれをやろうと一つ先のことを考えることができると、見える世界も変わってくる。撮影しながらそれを肌で感じていました。
――今、一歩踏み出すとしたらどんなことをやってみたいですか?
これはタイミングもあって、なかなか私の一存では決められないんですが、いつか髪の毛をバッサリ切りたいなと。日々の生活に大きな変化があるわけでもなく、どこか足踏みをしているような感覚がある中で、思い切ってショートにしてみたら何かが変わるかもしれない。新しい役もできるかなという期待もあります。
――読書が趣味だと伺ったのですが、まだまだ続く“ステイホーム”期間にオススメの本はありますか?
もともと小説が好きで、そこからどんどん輪を広げていって最近はエッセーや写真集、レシピ本などもよく読んでいます。
その中でとても興味深かったのは「からだとこころを整える」(著・田中のり子)。毎日健康的に暮らしている方たちが実践している暮らしの知恵をたくさん紹介しているんです。
私は、昨年4月の緊急事態宣言中にこの本と出会いました。日光の浴び方や体に優しい温かい飲み物など、手軽に試すことができる生活のコツみたいなものが書かれていて、それを実践すると体の調子がいいですし、毎日続けている自分は偉いかも、と前向きな気持ちになるんです。
家の中で特にやることもなく、自分自身がずっと閉じこもっている感覚が強い時に読んだので体も心も楽になりました。
あの時の私みたいに気持ちが少し停滞している方にはオススメの一冊。きっと参考になると思います。
――レシピ本というワードも飛び出しましたが、ドラマ「新米姉妹のふたりごはん」(2020年、テレビ東京系)で演じたあやりのように料理を作る機会は多いんですか?
あやりのようにうまく作ることはできないですが(笑)、ドラマをきっかけに料理にハマってレシピ本を読むようになりました。
この前、おうちで焼き鳥を作ったんです。一口大に切った鶏肉を串に刺してホットプレートで焼きました。お肉以外にトマトやネギ、オクラなどの串も作ったりして。ちょっとしたプチパーティー気分。タレは普通のバージョンとレモン、チーズの3種類。どれもおいしかったです!
――ドラマのタイトルにちなんで、最近これは困ったなぁ、参るなぁと思ったエピソードはありますか?
この前、薬局でいろいろ買い物をした時に所持金が全然足りなくて。ものすごく恥ずかしい思いをしました。残念だけど、1個だけ買うのをやめてお金を払おうと思ったらそれでも足りず…。結局、もう1個諦めました。
私の後ろに何人か並んでいたので申し訳ないなという気持ちと恥ずかしさでいっぱい。本当に参りました(笑)。
◆取材・文=月山武桜