芥川賞受賞『推し、燃ゆ』の宇佐見りんが語る「推しを頼りに生きる生き方」<世界一受けたい授業>
――現在、次回作を執筆中とのことですが、書くために大切にしていることはありますか?
音楽を聴く、匂いがちゃんとある状況にする、でしょうか。
――匂いがちゃんとある状況というのは?
窓を開けて雨の匂いや、風の匂いを感じるようにするとすごくイメージが喚起されるんです。結構、鼻で書くようなところがあって。匂いがないと書けないので、散歩に出ていろいろ取り込んでから、その先にある喫茶店で書くことはよくあります。
――芥川賞を受賞し、「推し、燃ゆ」は現在、47万部を突破する異例の売れ行きとなっています。これからは宇佐見さんが“推される”側になるかもしれませんね。
これを機に次回作を待っていてほしい、という感じでしょうか。これから何を書いていくかまだ自分自身でもわからないですが、「推し、燃ゆ」は私の中では異色の作品になる予感がしています。別の作品も読んでもらえたら嬉しいですね。
――バラエティー番組への出演はどうでしたか?
「世界⼀受けたい授業」は、よく見ていた番組だったので作家も呼ぶことが意外で、すごく嬉しかったですし、驚きました。収録は緊張しました。でも、皆さんの和やかな雰囲気や、本の内容をわかりやすく紹介したVTRなどにとても感動しましたし、すごく楽しかったです。