育三郎くんの心意気がかっこいい(市原)
――仲の良さそうなお三方ですが、初共演だと。
山崎:初めてです。こういう作品だったということも大きいとは思うんですけど、空気感がすごく合っている気がします。居心地がいいですね。
瀧本:撮影中もたくさんお話していましたし、楽しかったですね!
市原:とにかく笑ってましたね。
――では、タイトル「殴り愛、炎」の「炎」にかけまして、お互いの「アツイところ」を教えてください。まずは山崎さんから。
市原:僕の中で育三郎くんはミュージカル界の第一線を走ってやってきた人で、そんな育三郎くんがここまで振り切った役をやるギャップが素晴らしいと思いました。今作の各シーンやいろいろな環境の中でも、やらされている事なく自ら向かって振り切る心意気がかっこ良くて。この人がやりたいと思ったことには僕は100%ついて行こう、一緒に楽しみたい、っていう思いがあったので何をしていても充実していました。
瀧本:狂気の度合いがすごかったです。スイッチの切り替えというか、ナチュラルにお芝居に入って、バンっと振り切ってすごい壊れ方をされていたので、どうやっているんだろうと思いました。
山崎:元々そういうものを持っているんじゃないですか?(笑)。
瀧本・市原:(笑)。
山崎:でも、自分でもこんな自分がいるんだって、役を通して発見できると面白いですよね。
――では、瀧本さんの「アツイところ」は?
市原:美織はとにかく一生懸命なところだと。何に対してもしっかり向き合って、すごく考える方だと思いました。あと、笑っているイメージもすごく強くあります。
山崎:確かにずっとニコニコしているイメージ。笑ってしまってカットが掛かるというのが何回かあったよね。美織ちゃんの笑い(が収まる)待ちみたいな。
瀧本:お芝居のお付き合いで(カメラには映らないけど)そこにいなきゃいけないけど、外れたことがありましたね。もう無理! って。
山崎:あったあった!
瀧本:その節は申し訳なかったです。
市原:でも、つらいことも苦しいこともいろんな経験がある中で、無垢に誰かに向かってストレートに笑えるって素晴らしいことですよね。経験を積むにつれて“汚れた水”みたいに、ねたみやひがみや無駄な情報とかさまざまなものを感じ混ざってしまうこともあり、その心をろ過するのが大変になったりもする。でも、美織の中には混ざらずにきれいなままの水(心)があるんだなと感じます。
山崎:僕が、前作の朝ドラに出演していたこともあって、朝ドラの話題になった時に、ヒロインをやっていた頃のことを聞いたら、とにかく楽しかったと。あれだけ大変な撮影を楽しかったと言ったことがすごく印象的でした。多分そのときの感覚からずっと変わっていなくて、どこにいても楽しめる人だし、自然体の自分でいながら周りを穏やかにしていく空気を持っている。天然なのかなと思ったんですよ。でもすごく芯があって自分を持っている。そのバランスが絶妙ですよね。
瀧本:すごくうれしいです。ありがたいです。