「間宮兄弟」で日本アカデミー賞新人俳優賞
1971年、大阪府に生まれた塚地は、1996年、鈴木拓とお笑いコンビ・ドランクドラゴンを結成。NHK「爆笑オンエアバトル」のチャンピオン大会(2000年、2001年)で注目された。
その後、森田芳光監督の映画「間宮兄弟」(2006年)で佐々木蔵之介と兄弟役としてW主演し、日本アカデミー賞新人俳優賞ほか数々の新人賞を受賞、俳優としても大きな可能性を感じさせ、「くろねこルーシー」(2012年)、「げんげ」(2013年)などでは主演した。
人気の幅が老若男女に広がったきっかけの一つは2012年からはじまったNHKのコント番組「LIFE!〜人生に捧げるコント〜」でのイカ大王。イカの着ぐるみをまとい、歌って踊って子どもに愛されるようになり、CD発売、紅白歌合戦出場も果たした。
2016年に発売された「LIFE!」のDVD、ブルーレイのブックレットで筆者は塚地に話を聞いたことがある。そのとき、「LIFE!」内で演じた好きなキャラは「キスがうまいだけの男」の潤だと語っていた。確かにこのキャラもイカ大王と並ぶいいキャラである。キスがうまくてどんな女性もメロメロにしてしまう。一見、モテそうに見えないけれど、ある瞬間、妙に色気が出るギャップがじつに見事だった。
「LIFE!」の特徴は、座長である内村光良によると“演者の芝居で笑わす要素が強いところ”(前述のブックレットより)。笑いには、キャラやネタの瞬発的な面白さによるものもあれば、芝居でじわじわ楽しませるものもあり、「LIFE!」の場合は、丹念に作り込んだキャラの魅力と、演者たちの絶妙な間合いで見せる芝居の魅力、そのどちらも兼ね備えている。それに俳優の仕事もしている塚地も貢献したと言っていいだろう。