高いアクションスキルと、予想のつかないトークも魅力
そんな久保田は、「おちょやん」公式ツイッターにも「とってもええお声だす。。」と言われる渋いボイスが魅力の39歳で、2002年、読者モデルをきっかけに芸能界入り、2007年に俳優デビューした実力派だ。
「ミュージカル『テニスの王子様』」の跡部景吾役(2008年~2010年)、舞台「戦国BASARA」の伊達政宗役(2009年~2013年)、「仮面ライダー鎧武」(2013年~/テレビ朝日系)の呉島貴虎/仮面ライダー斬月役など、観客や視聴者に強い印象を残したキャラクターも多く、彼が登場すると「メロン兄さん(※メロンで変身し、弟がいた呉島貴虎のこと)来た!」などと呼ばれることもしばしば。
そのいっぽうで、刑事(「警部補・杉山真太郎~吉祥寺署事件ファイル」「シグナル 長期未解決事件捜査班」など)や秘書(「モンテ・クリスト伯ー華麗なる復讐ー」「TWO WEEKS」など)、はたまた犯罪者役や死体役など、いぶし銀のような存在感で画面に溶け込み、「どこかで見たことあるなーと思って調べたら斬月の人だった!」などと反応されることも。
“四ノ宮さん”からは想像もつかないが、久保田は殺陣やアクションも特技レベルで上手く、映画「アサシン」(2011年/主演)や、エージェントを演じた「コードネームミラージュ」(2017年/テレビ東京系)、舞台「『GANTZ:L』-ACT&ACTION STAGE-」(2018年/和泉紫音役)や「PSYCHO-PASS サイコパス Chapter1―犯罪係数―」(2019年/主演・狡噛慎也役)などで、そのポテンシャルを発揮している。
また、サッカーW杯南アフリカ大会をフラリと見に行くほど「旅」と「サッカー」を愛する久保田。Jリーグでは地元・平塚の湘南ベルマーレを応援し、湘南リビング新聞社のベルサポ広報室・室長というキャリアも。また、前述の「PSYCHO-PASS サイコパス Chapter1―犯罪係数―」の予告PVを監督として演出、YouTubeチャンネルも持つなど活躍の幅を広げている。
役者としてはその存在感を如何様にも操る久保田だが、Twitterの言葉選びでも分かるとおり、一筋縄ではいかないユニークさを持っている本人の感性も魅力。映画の舞台挨拶などでもクールな表情のまま場内の笑いをかっさらうことが多く、そのクレバーさは下ネタすら“分かる人には分かる”レベルに昇華し、上品さを感じさせるほど。
以前、インタビューで「下積みの長さ」を強みに語っていた久保田。5月13日(木)スタートのMBSドラマ特区「ラブファントム」(MBSほか)にも深見佑役で出演する。来月6月15日には40歳の誕生日を迎える彼の今後に期待したい。
◆取材・文=坂戸希和美