あのときの咲さんの顔は今でも忘れません(笑)
――これまでで一番印象に残っているシーンは?
やはり第1話の登場シーンです。美土里さんとの関係性が見えるシーンであり、次の登場シーンまで少し時間が空くので、2回目のときに「あ、あのときの立川」と思っていただくためにも大事なシーンでした。ですから、短い時間でどれだけ印象を与えられるかを撮影に入るまでにだいぶ考えました。やり手の編集者であること、美土里さんの仕事上のパートナーとしての信頼関係を描くこと、そして、2人の関係がどれぐらいに見えるかということを考えました。
――登場シーンの舞台は美土里の家で、実家に来た咲と同じように視聴者も「誰!?」と思ったでしょうね。
急に現れる青年でしたからね。しかもやたらと美土里さんとの距離が近いので、咲さんも「誰!?」となりますよね。あのときの咲さんの顔は今でも忘れません(笑)。ものすごい警戒心のある顔で見られましたので。でも、いきなり実家に知らない男がいたら不信感を抱きますよね。それなのに立川はニコニコして「おかえりなさい」って言っていて、“あんたの家ちゃうぞ”と思われたでしょうね。
――紘一を筆頭にユニークなキャラクターが多い作品ですが、中山さんがお好きなシーンは?
撮影中は同じセットにいても物理的に聞こえなかったり、見えなかったりすることもあり、チェックやオンエアで初めて知ることも多く、瑛太さんがボソッと言ったセリフをテレビで知って、クスッとなったりすることもあります。
第4話の誕生会のときには、いきなり後ろからシャンパンボトルをバシャバシャと振っているのが聞こえてきたんです。僕は料理を見ていたので何の音?と思って振り返ったら、瑛太さんがものすごい勢いでボトルを振って洗っていたんですよ。あのときは立川としてリアクションするべきなのか、素で何してるんだろう、この人?という目で見るべきなのか、一瞬迷いました。あまりにも衝撃的な光景だったので(笑)。
瑛太さんはそういうことを本番でもテストでもやられるんです。北川さんが「瑛太さんによく笑わせてもらっています」とおっしゃっていたのは、こういうことなんだなと思いました(笑)。