NHK BSプレミアムでは、6月27日(日)よりドラマ「ライオンのおやつ」(毎週日曜夜10:00-10:50)がスタート。若くして余命を告げられ、とある島のホスピス「ライオンの家」で残りの日々を過ごすことを決めた主人公・海野雫を土村芳が演じる。
「ライオンのおやつ」は、小川糸の同名小説が原作で、脚本を本田隆朗、脚本監修を岡田惠和が担当。マドンナ(鈴木京香)という不思議な女性が切り盛りする「ライオンの家」に入居し、個性豊かな入居者たちと出会った、雫の人生最後の日々を描く。
今回は主演の土村にインタビュー。撮影現場でのエピソードや土村の“おかし”にまつわる話などについて話を聞いた。
作品の世界観を感じた食堂セットでの撮影
――今作の台本を読んで、どんな感想を持ちましたか?
原作を読ませていただいていたこともあって、原作が持っている優しい空気感をとても大切にされている台本だなって思いました。自分がこの雫を演じさせていただくって思うと、「これは相当な覚悟を決めてやらなければいけないな」と思いました。
――雫を演じる上で、役作りで何かしたことはありますか?
現場では監督にその都度ご相談させていただきました。やっぱり現場に立ってみて生まれる新しいものもあるので、そういうときに「少しここを変えたいです」とか「こうした方がいいんじゃないですか?」とか、そういう相談をしていました。
――「ライオンの家」にやって来た雫が「助産院の雰囲気に似てますね」と言うシーンがありますが、そんな「ライオンの家」のセットはいかがでしたか?
アットホームな感じといいますか、光を取り込むような造りになっていて、すごくかわいらしいセットなんですけど、そこで暮らしている方たちが穏やかに過ごせている場所という意味では、とってもすてきな空間になっていると思います。
撮影の最初の頃、まだ他のゲスト(=入居者)の方との撮影がないときのセットは「広いなあ」って感じていたんですけど、そこにシマさん(かとうかず子)とか舞さん(濱田マリ)とか、いろんな方々がそろう撮影の日に、空間が出来上がった感覚がして。
特にみんなが集まるのって食堂のシーンが多いんですけど、前日まで少し寂しかった空間が、人が入ることによって一気に作品の世界として完成される様子が見られたという感じがしました。「みんなここで暮らしてるんだって」いうことが、感覚として取り込めました。
――ゲストが集まる食堂には、作品の象徴的な物として、おやつのリクエストボックスがありますが、他にも印象的な小道具などはありましたか?
リクエストボックスはお菓子の家みたいで、すごくかわいらしいんですよ。あと、第3話でちょっと活躍するところもあるんですけど、雫は縫いぐるみをたくさん持って来ていて。その中の白い犬の縫いぐるみによく似た六花(ロッカ)ちゃんが登場してきたり、そうやって縫いぐるみがちょっとずつ通じていくアイテムにもなっていて、雫の中でも大事なものになっています。