濱口監督の作品に出演するのは初めての3人。西島は「他の監督とは違う演出方法もたくさんあって、本読みをひたすらやり続けることだったり、その役のシーンにはないけど、“かつてあったであろう”シーンをリハーサルでやったり、いろんな作業を用意してくださっていて、それはすごく刺激的な体験でした」と振り返った。
特に「本読み」が印象的だったと話し、「いろんな国の俳優さんたちが集まって、みんなが楽しんでやっていたのが印象的で、僕、本読みが好きになっちゃいました(笑)。気持ちいいんですよね、声が」とその理由も明かした。
今回のイベントの趣旨が“壮行会”。カンヌ国際映画祭のコンペティション部門に正式出品されたということで、三浦、霧島、濱口監督が映画祭に出席することが発表された。
西島は「僕は国内で仕事を…、できれば行きたかったんですけどすみません」と残念ながら同行できないことを伝え、「観客の皆さんは世界中から来られると思いますので、どういう反応で、どういうシーンで笑ったとか、意外な反応もあると思いますので、どうだったのかをぜひ聞きたいと思います」と、現地の反響を3人から聞くのが楽しみだと答えた。
三浦は「楽しみですけど、どんな場所なのか、楽しみ方も分からないくらい、何も分かってないです(笑)」と、霧島も「今からワクワクしかなくて、何かおいしいものも食べたいです!」と初めてのカンヌ国際映画祭に浮き足立っている様子。
濱口監督は西島の欠席を非常に残念がっていて「この件だけは、僕は西島さんの事務所をうらみます!」と言って場を和ませた。
しかし、「西島さんがずっと出ずっぱりな映画なので、お披露目の場にいないのは寂しいです。ぜひ一緒に行きたかった。でも、日本に素晴らしい俳優さんがいるということを向こうでも示してきたいです」と力強く話すと、その言葉を聞いた西島も笑顔を見せた。
映画「ドライブ・マイ・カー」は8月20日(金)より、東京・TOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー。
◆取材・文・撮影=田中隆信
8月20日(金)、東京・TOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー
<キャスト>
西島秀俊
三浦透子、霧島れいか
パク・ユリム、ジン・デヨン、ソニア・ユアン
ペリー・ディゾン、アン・フィテ、安部聡子
岡田将生
<スタッフ>
原作:村上春樹 「ドライブ・マイ・カー」(短編小説集「女のいない男たち」所収/文春文庫刊)
監督:濱口竜介 脚本:濱口竜介 大江崇允 音楽:石橋英子
製作:『ドライブ・マイ・カー』製作委員会 製作幹事:カルチュア・エンタテインメント、ビターズ・エンド
制作プロダクション:C&Iエンタテインメント 配給:ビターズ・エンド
(C)2021『ドライブ・マイ・カー』製作委員会
【公式HP】dmc.bitters.co.jp