作品賞は「ドラゴン桜」! 『なぜ東大に行くのかという答えにたどり着いた』(飯田和孝P)
第108回ザテレビジョン ドラマアカデミー賞最優秀作品賞に選ばれたのは、16年ぶりに続編が制作された阿部寛主演の日曜劇場「ドラゴン桜」(TBS系)。元暴走族のリーダーながら猛勉強の末に合格した東大を蹴って自力で弁護士になり、独自の勉強法で落ちこぼれたちを東大に合格させた桜木建二を演じる阿部と、その元教え子で東大合格後、弁護士資格を取得した水野直美を演じる長澤まさみは前作から続投。そこに新たなキャストを迎えた新作は、東大合格に向けての勉強法や生徒たちの変化だけでなく、学園買収問題も描かれ、日曜劇場らしい波乱の展開を見せた。
「桜木先生の言動が痛快で、とにかく熱く、心に響いた」「前作を超えるほどの面白さだった。生徒一人一人に感情移入でき、全力で応援できた。最終回に前作のメインキャストが出てくるスペシャル感にも感動」「アプリを使った勉強など、“令和版”になりつつも前作と変わらない部分もあり、楽しめた。コミカルな場面と日曜劇場らしい臨場感がうまくマッチしていた」と、「ドラゴン桜」らしさと新たな要素がいずれも好評。最優秀作品賞受賞に対して、飯田和孝プロデューサーと黎景怡プロデューサーの二人は、「たくさんの方に感謝しています」と語った。
飯田Pは、「選んでいただき、素直にうれしく思います。コロナの影響で延期を余儀なくされましたが、より良いものを作るための時間を与えてもらったと考え、前を向くことができました。また、今回は日曜劇場での放送ということで、勉強法だけでなく、仲間との信頼関係を描こうと意識しました。なぜ東大に行くのかという、ドラマなりの答えにたどり着くことができたのではないかと思います」と同作を振り返った。
また、黎Pは「阿部寛さんは、いらっしゃるだけで襟を正したくなる方で、言葉にすごく説得力がありました。前作より16年の時を経て、より深みのある桜木先生を見ることができたのではないかと思います。福澤克雄監督が『生徒に向けての言葉は、視聴者に向けての言葉でもある』と言っていましたが、阿部さんだからこそ、より深く届いたのだと思います」と主演男優賞を受賞した阿部の姿が印象的だったと明かした。
(取材・文=小松香里)