コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い昨今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、読者から寄せられた恐怖体験を作品に昇華させ、Instagramや自身のブログで発信し続けているあん子さんをご紹介しよう。心霊現象などのオカルト的な恐怖を扱った王道系から、人間の狂気や執着から生まれる恐怖を描いた“人コワ”系まで、多岐にわたるホラー漫画を不定期で投稿。「怖いのに、続きが気になってついつい読んでしまう」と話題を呼び、今やInstagramのフォロワーは9万人を突破した。この記事では、作者のあん子さんにインタビューを実施。読者から体験談を募集するようになったきっかけや制作時のこだわりについてを語ってもらった。
こだわりは“リアル”の演出。日常の中に潜む、さまざまなホラーを描く
「バイト先で遭遇したお客さんにゾッとした話」、「善意につけ込む不審者の話」、「元カレが別人のようになった話」。思わず読んでみたくなるタイトルと、SNSでサクサクと読めるテンポ感があん子さんの作品の魅力だ。そんなあん子さんが漫画を描く際に大切にしているのが、「なんてことない日常にほんの少しのスパイスを」というモットー。その言葉通り、作品の中にはさまざまなタイプの“恐怖”や“違和感”が散りばめられ、実体験だからこそのリアリティと非日常感が混ざり合い、読了後に奇妙な余韻を残す。
今回ピックアップする「『あの学校へ行っちゃいけないよ』おばあさんの助言を無視したら…」も、フォロワーから寄せられた体験談をもとにした話。
帰宅後、学校に忘れ物をしたことに気付いた高校1年生の女の子。彼女が通う高校には幽霊が出るという噂があったが、どうしてもテスト勉強に必要なものだったため、ためらいつつも取りに戻ることに。自転車で学校へ向かっていると、前方に杖を突いたおばあさんが歩いている。なぜだか違和感を感じ、避けるように通り過ぎてしばらく走ったところで信号待ちをしていると、先ほど追い越したはずのおばあさんが隣にいて「あの学校へ行っちゃいけないよ」と急に声をかけてくる。突然の出来事に恐怖を感じたが、気にしないようにして学校へ急ぎ、先生に事情を話して鍵を開けてもらう。人気のない校舎を歩き、忘れ物を回収して、急いで出口へ向かっているときに、ふと目をやったすりガラスの扉向こうにいたものとは…。