前田、亮と未知は「見てるこっちが辛くなる2人です」
――撮影をした気仙沼の印象、思い出を教えてください。
前田「気仙沼は海の青、空の青、山の緑、どこを見ても本当に美しくて、心が洗われる感覚になりました。お仕事が終わって、夕日を見ただけで、いい1日だったなと励まされるような気持ちになれるんです。気仙沼には“海と生きる”というキャッチフレーズがありますが、とても共感できるなと思いました。海によって傷つけられた方もいて、その傷はなかなか癒えないと思いますが、逃げずにその海と一緒に歩んでいこうとする強さがある。自然は寛大であり、時に厳しい。自然が生活の一部でそこと折り合いをつけて生きているので、みんな温かいんだろうなと感じました」
高田「僕も人の温かさをすごく感じました。1人で近くのお店のまぐろ丼を食べたりしてたんですけど、そのお店の方もお土産屋さんの方もとても優しかったんです。あと、僕と三生くんとすーちゃん(恒松祐里)で気仙沼から大島までサイクリングした時に、『おかえりモネ』と書かれた垂れ幕を見て、“こんな粋なことしてくれるんだ! 気仙沼さん最高だな”って思いました(笑)」
――幼なじみチームで、気仙沼市観光キャラクターの“海の子ホヤぼーや”のグッズを買われたと聞きました。
前田「僕、たぶん、1番買ったんじゃないかな?」
高田「1番買ってた!」
前田「トートバッグみたいのとTシャツとストラップと…。ストラップは僕たちの集団だけで、ホテルに売っていたものが全部売り切れました(笑)。あと、ホヤぼーやの顔の形をしたお財布を買って、気仙沼にいる間はそれを使ってました(笑)」
高田「気仙沼に着いた、その日に買ったんだよね」
前田「それから、幼なじみのグループLINEでは、ホヤぼーやのスタンプが多用されてます。僕は普段から使ってるんですけど、友達にも好評です(笑)」
――皆さん、本当に仲良しですね。しかし、劇中の未知と亮の恋愛模様は複雑ですね…。
前田「難しいですよね。お互いに伝えたい気持ちもあるけど、家を背負っている立場だから身動きが取りにくい。それが痛いほどわかるから、僕らも『言っちゃえよ!』とか適当なことを言えなくて。見てるこっちが辛くなる2人です」
高田「幼なじみとして支えてあげたいし、何かしらの言葉をかけてあげたいですけど、事情を知っているからこそ、なかなか言いにくい」
前田「しんどいだろうけど、本人たちが動かないと前には進まないので、温かく見守るしかできないなと思っています」
――百音と菅波先生は、冷静に気持ちを伝え合っていて対照的ですね。
前田「あそこもまた面白いですよね。でも、あそこは放っておいても何とかなりそう(笑)」
高田「かわいらしい部分もありますしね」
前田「どんどん2人がかわいくなっていく! 台本を読んで、僕もきゅんきゅんしてます(笑)」
――さて、10月29日(金) の最終回が近付いてきました。撮影を初めてから1年が経った、今のお気持ちはいかがですか?
前田「気付いたら、もう1年か!という感じです」
高田「思ったより1年って早いです」
前田「始まった時は長期間の撮影になるなと思っていましたけど、いざ終わりが見えてくるともうすでに喪失感があって、勝手に“モネロス”してます」
高田「すでにしてるよね! 最終週の台本の最後のページに“終わり”って書いてあるのを見て、ついに終わるのか!と感じて、寂しいです」
前田「最終週の台本は、もう涙なしには読めませんでした。作品が終わることも、物語がエンディングに向かっていくことも寂しくて。中学生から演じて、最後は24歳。みんなで仲良く歳を重ねられたことは、本当に幸せだなと思います」
高田「いつの間にか、車も運転できるようになっていたしね」
前田「三生は全然運転しないけどね(笑)。いつも未知と悠人に任せっぱなし」
高田「いつの間にか大人になっているんだなと思って、ちょっとだけ親の気持ちがわかりました(笑)」
前田「あはは。見てくださっているファンの方だけでなく、僕たち自身も『おかえりモネ』のファンになれていることは幸せだなと感じています。最後まで楽しんでいただけたらうれしいです」
※高田彪我の「高」はハシゴダカが正式表記
取材・文=及川静