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堤幸彦監督から見た“嵐”の魅力「五人五様の表現者であり、集まると強力なエンターテイナーになる」<Interview>

2021/11/03 08:00

――堤監督から見た5人の個性、魅力は?

今回のライブでニノ(二宮和也)のシャウトの力ってすごいなと思いました。鬼気迫るものがあったんです。普段は温和な感じですし、ドラマや映画でもそういうキャラクターを演じることが多いのですが、ライブのステージでの姿はまた違うものがあるなって。歌いながら独特の切なさがありますね。

大野(智)くんは、もちろん歌も上手なんですが、踊りのキレがいい。アーティストという領域に入ると突然豹変したかのようになって、キレのいいダンスを含めて、素晴らしい表現を見せてくれます。たった1人でも東京ドームを相手にできるスゴさがありますね。

相葉(雅紀)くんはクールな役を演じていても人となりがにじみ出てますよね。それがいいんです。背が高くて、“かっこいい”という言葉がピッタリくるというか、今回撮らせてもらって改めて思いました。

翔くんはラップがすごいし、ピアノがこれまたすごい! 表現力が豊かなんでしょうね。それだけでなくニュースキャスターもやっていて、その多才さが魅力です。

そして松本くん。エンタメの巨大な舞台を作り上げる度胸と“きめの細かさ”をこの何年間かで目の当たりにしました。彼がつかみ取った“高み”は、僕なんかが表現できないぐらい高いところまで達しています。

五人五様の表現者であり、かつ5人で集まると強力なエンターテイナーになる。そういうところをこのフィルムの中からも見て取れるんじゃないかと思います。

――実際にライブフィルム撮影を行ってみて、最初に思い浮かべていたイメージとは違ってきた部分もいろいろあると思いますが。

思っていた以上のものになりました。ステージの演出上、彼らは常に動き回っています。そんな5人に対して、1人につき10〜15台のカメラは必ず撮っています。それはある種、ライブ収録の理想形だったわけです。編集に時間がかかったと言いましたが、それぐらい映像の素材があるんです。「この瞬間、ニノはどうしてるの?」と思った時に、ちゃんとニノの映像があるんです。すごくぜいたくな撮影でしたね。

――5人それぞれの動きや表情などを撮り逃さないためにも、その台数のカメラは必要だったということですね。

はい。会場全体がどうなっているのか、ステージ上はどういう状態なのか、それぞれの表情はどんな感じなのか。この作品ではそういった情報を徹底的に見せたいと思っていました。そのためにカメラの配置やシフトを考えましたが、それ以外にもスペシャルな化学反応みたいなものが起こるんです。お客さんとのコミュニケーションだったり、メンバー同士の手がちょっと触れたり。そういうものも可能な限り多く見せたいと思ったので、一つのカットは短く、そしてカット数は本当に多いんです(笑)。

「映画としてどうなんだ?」というところで言うと、ドルビーシネマを象徴とする色彩や奥行き感など映画的な処理をさせてもらっていますし、何よりも音の臨場感に関しては多くのスタッフがこだわっていて、ひと言で表すと“没入感”もたっぷり味わえる仕上がりになっています。劇場で見られた方は、ものすごい臨場感で記憶の端を刺激されるような感覚になる、そんな自信作です。

――ライブの本編だけに特化しているのもこの作品の特徴だと思いますが。

MCもない、アンコールもない、本当に最小限の情報だと思います。バックステージの映像もありませんし、舞台上に立つ寸前の暗闇からスッと顔が浮かんで、ドローンが飛んで…、というところから始まりますが、本編だけにすることは最初から決めていたわけではありませんでした。何度も彼らと意見交換をしている中で、何が一番強いかという話をして決まりました。

この作品では過剰にオフを表現しない、とにかく舞台の上に立っている彼らだけで勝負する。それが強い印象を残すいいやり方じゃないかって。

――特に印象的なシーンは?

全部が全部見せ場なんですが、自分の中で一番思いがこもっているのは、冒頭の手のひらからドローンが飛び立って、それで5人を撮って、ドーム全体を見せるところですね。それは私がやりたいと思っていたことなので。手のひらサイズのドローンなんですけど、手に乗せたまま4分ぐらい待っててもらわないといけないんです。撮影のメインカメラをメンバー自身に持ってもらって、緊張していたと思うんですけど見事にやってくれました。

最後にまたドローンが戻ってくるという演出で、入口と出口がうまく出来たので、もちろんその間の中身も見せたいところばかりですけど、僕としては大成功です。

――をはじめ、ジャニーズのコンサートや舞台は最先端の技術と演出が駆使されている印象がありますが、この作品はそれらをさらに突き詰めた最高峰の作品に。

はい。ジャニー喜多川さんにもし見ていただけたとしたら、喜んでくれるといいなぁって思いました。

下に続きます
「ARASHI Anniversary Tour 5×20 FILM “Record of Memories”」
ドルビーシネマ限定先行公開中
11月26日(金)全国公開
監督:堤幸彦
出演:相葉雅紀、松本潤、二宮和也、大野智、櫻井翔
撮影日:2019年12月23日・東京ドーム
配給:松竹
【HP】https://recordofmemories.jp/
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  • 堤幸彦監督が取材に応じた
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