宮沢りえ&寺島しのぶが初共演にしてW主演 嫉妬、欲望、愛憎を描く山崎豊子の「女系家族」がよみがえる
「女系家族」主な登場人物
浜田文乃(はまだ・ふみの)役/宮沢りえ
「矢島商店」四代目当主・矢島嘉蔵の7年来の愛人。年齢差を超えて深く愛し合っており、嘉蔵の今際の際には枕元に駆けつけ、「あとのことは心配ない」と告げられる。遺言状に「なにとぞよしなにお取り計らいを」と記されていたことで、矢島家を騒然とさせる。
“慎ましく情の深い女”という印象を抱かれていたが、初めて本宅(矢島家)を訪れたときに、嘉蔵の子を身ごもっていることを告白。その事実が、女たちを壮絶な相続争いへと導いていく。
矢島藤代(やじま・ふじよ)役/寺島しのぶ
代々“女系の家筋”として栄えてきた、大阪・船場の老舗木綿問屋「矢島商店」の総領娘(=長女)。一度は結婚し嫁ぐも、3年で離婚。現在は矢島家に“出戻って”おり、妹の千寿からは「出戻りのごくつぶし」と陰口を叩かれている。
父・嘉蔵の死後、当主の座と遺産を巡り、2人の妹と静かな戦いが繰り広げられるものと思っていたが、愛人の文乃という思いもよらぬ伏兵が現れ、怒りと焦りを抑え切れずにいる。
「女系家族」あらすじ
大阪・船場で老舗の木綿問屋を営む矢島家。代々娘たちがのれんを守り続ける“女系筋”である「矢島商店」の四代目・嘉蔵が総額数十億円の遺産を遺して亡くなり、その遺言状が大番頭の大野宇市によって読み上げられる。
“出戻り”でもある長女で総領娘の矢島藤代(寺島)、養子となる婿を迎え、矢島家を継ぐ気でいた次女の千寿、やや世間知らずなため、叔母である芳子の後ろ盾を得ている三女の雛子らが見守る中、明かされた遺言状の中身。それは矢島家の女たちの誰も想像すらしていない内容だった。
そこには嘉蔵の愛人である浜田文乃(宮沢)の名が。そして愛人である文乃にも遺産を分配するようにと記されていたのだ。
もちろんそんな遺言に納得するはずもない藤代ら矢島家の女たち。さらには文乃が嘉蔵の子を身ごもっていることまで明らかに。藤代が懇意にする日本舞踊の師匠・梅村芳三郎、千寿の婿・良吉、そして大番頭の宇市といった、姉妹を取り巻く男たちも巻き込み、遺産相続だけではない、人間の欲望と嫉妬にまみれた激しい戦いが繰り広げられていく。